コラム

管理職に必要な能力と資質とは?

2023.05.27

管理職は、部下を指揮したり、管理しながら、組織の目標達成を目指していく役職です。

 

企業が価値を発揮し続けていくためには、優秀な管理職の存在が不可欠です。

 

今回は、管理職のあるべき姿、役割、ま管理職に就く人材が備えておくべき資質などについて解説していきます。

管理職とは?

管理職は、決裁権を持つ役職を指します。

 

管理職の従業員は、職場で、独自の判断をして、行動を決定する権利を持っています。

 

常に経営視点を持って会社全体を見渡し、自分の組織が会社にどのように貢献できるかを考えたうえでマネジメントをすることが求められます。

 

管理職とひと言で言っても、係長、課長、次長、部長、本部長など様々な階層があり、階層によって管理するメンバーの数や権限の大きさは変わってきます。

 

組織の成果に責任を負うのが管理職であり、当然のことながら一般社員よりも幅広い能力と高度なスキルが求められます。

管理職のあるべき姿とは?

管理職の仕事は多岐にわたるため、目標の設定や目標に向けたチームの運営、部下の管理と育成、外部との調整など、さまざまな役割が求められます。

 

では、管理職のあるべき姿について見てみましょう。

経営視点を持っている

管理職には、経営者の視点を持つことが求められます。

 

自分が率いる組織だけでなく、企業全体に目を向けて、広い視野で物事を捉える必要があります。

 

また、一般社員は、目の前の仕事に取り組みますが、管理職は短期的な成果ではなく、中長期的な視点を持って事業の展望を考えることが求められます。

 

管理職の重要な仕事の1つに、組織の目標を設定することがありますが、会社全体を俯瞰する経営視点が必須です。

 

組織が果たすべき役割を認識したうえで、適切な目標を掲げ、組織のパフォーマンスを最大化させていくことが求められます。

戦略を立案できる

チームに目標が与えられていても、適切な戦略がなければ、目標が達成されることはありません。

 

目標への道筋がないと、チームは正しい方向へと進まないからです。

 

戦略を立てるためには、現状分析をし、それによって、問題が見えるようになり、問題を解決するための方法やプロセスを考えることにつながります。

 

戦略は立案したら終わりではなく、問題が出るたびに修正をしながら、目標へと進んでいくことが求められます。

外部と調整ができる

管理職は、調整役としての働きも期待されます。

 

例えば、部下が取引先と問題を起こした場合、顧客との関係を調整するのは管理職の役割であり、管理職が、自分の責任でトラブルを収束させなければいけません。

 

また、他部署との間で調整が必要になることがあり、お互いが納得できる形で意見をすり合わせていく必要があります。

部下をマネジメントできる

部下のマネジメントは、管理者の役割の1つですが、部下の仕事を管理すればいいのではありません。

 

人は、能力や成長速度が違うため、部下の適性や性格にあわせて、部下を育成していけるように工夫や配慮をする必要があります。

 

部下の精神状態や健康状態を把握することも、部下のマネジメントに含まれており、繊細な対応が求められる場合があります。

コミュニケーションが活発で、風通しの良い環境をつくれる

職場の雰囲気は、メンバーのモチベーションや成果に大きな影響を及ぼします。

 

コミュニケーションがしにくい職場では、悩みや疑問について相談できず、意見や提案があっても言い出せないままになってしまいます。

 

また、コミュニケーションが不足した職場では、メンバー同士が不信感を持っていたり、誤解が生じたりしやすいので、人間関係が悪化してしまうことがあります。

 

そうなると、メンバーのモチベーションが下がり、組織として成果を上げるのは難しくなります。

 

ですが、活発なコミュニケーションが取られている職場では、悩みをすぐに相談できるため、組織力の向上につながります。

 

管理職が、部下と積極的にコミュニケーションを取って、風通しのいい職場を作りましょう。

リーダーシップを発揮できる

リーダーシップが発揮されるのは、ロジカルな思考に基づいた判断で組織を導いてくれる、相談したら常に的確な解決策を提示してくれるといった時です。

 

リーダーシップというとトップダウンで組織を率いていくと思っている方が多いですが、今はその種類も多様化しています。

 

例えば、コーチングのように、やり方を尊重しながら必要なときに支援するという支援型のリーダーシップ、ビジョンを示して盛り上げていくビジョン型のリーダーシップなどがあります。

管理職に必要な能力とは?

管理職になるためには、どういった能力を身につければいいのでしょうか。

 

管理職のあるべき姿を実現するための、管理職に必要な能力を見ていきましょう。

業務遂行力

チームリーダーや係長などのいわゆる現場に近い管理職は、このスキルに多くの比重がおかれます。

 

チームに目標が与えられ、その目標を達成するための計画が作成できたなら、その計画に沿い、業務を遂行していく能力が求められます。

 

業務を遂行するためには、部下という人的資源のほかにも、モノ、お金、情報といった資源を使う、管理する能力が求められます。

 

これらを効率的に運用して、目標を達成するためにチームを運営していくのに必要なのが、業務遂行力です。

コミュニケーション能力

どの職種であっても、コミュニケーション能力が重視されますが、管理職にとっても重要な能力です。

 

目標に向かって業務を遂行するためには、メンバーと適切なコミュニケーションを取らなければいけません。

 

部下の育成、クライアントとの関係構築、他部署との調整といったコミュニケーション能力が求められる時は、多くあります。

人材育成力

部下を育てるために、部下に仕事の指示をするだけではなく、部下を教育して、能力を伸ばす人材育成力が、管理職に必要な能力です。

 

人には個性がありますので、業務によって、向き不向きがありますし、業務を理解するまでのスピードや、成長するスピードにも違いがあります。

 

人を育てるためには、メンバーの特徴を把握し、適材適所を意識して、ポジションを決める判断が必要になります。

管理職に求められる資質とは?

管理職に必要な資質を持ちあわせている人が管理職に向いているため、どのような資質が管理職には求められているのかを解説します。

論理的な思考力

論理的な思考力は、管理職に必要な資質の1つです。

 

リーダーである管理職は、論理的な思考力を使って率先して現状を分析し、自分たちのやるべきことを考えられるスキルが必要となります。

 

感情的に判断をしてしまうと、筋が通らなくなり、取引先や部下と信頼関係が築けなくなってしまいます。

 

リーダーシップを発揮するには一貫性が必要ですが、その基礎となるのは、論理的な思考力です。

 

管理職は客観的に判断するだけでなく、目標達成を阻害する原因を究明したり、新たな課題を見つけ出したりする資質も求められます。

強い責任感

管理職は、与えられた権限の大きさと引き換えに重い責任を負うため、責任感の強さが求められます。

 

管理職が強い責任感を持って仕事に取り組まなければ、部下を率いることはできませんし、成果をあげることもできないでしょう。

コミュニケーション能力

管理職は、さまざまな立場の人とコミュニケーションする必要があります。

 

部下、他部署、取引先など、どんな立場の人に対しても、相手を尊重して適切なコミュニケーションができなければいけません。

 

管理職のコミュニケーション能力が高ければ、チームのコミュニケーションも円滑になり、部署の業績が大幅に上がることもあります。

 

組織内のコミュニケーションに問題意識を抱える企業は多く、8割以上ともいわれています。

 

管理者は、人と人との橋渡しの役割を担うことが多いので、コミュニケーション能力はとても重要といえます。

リーダーシップ

チームに複数の人がいると、各メンバーが違う方向を向いていることがあります。

 

チームが目標に向かって、パフォーマンスを上げるためは、管理者の統率力が必要です。

 

リーダーシップの資質を持つ管理職は、チームをまとめて、チームメンバーの能力を引き出すことができるでしょう。

まとめ

管理職に求められる能力や資質には様々なものがあります。

 

役職が上がるにつれて、求められるものも増えていきますし、その難易度も上がっていきます。

 

難しく責任の重い仕事でもあるからこそ、給料・報酬などの待遇面でも恵まれています。

 

管理職になることや管理職としてのランクを上げていくことを考えるのであれば、常に自分自身のスキルアップと視点を引き上げることに取り組むことが肝要だと言えます。

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