デジタルワークプレイスとは?デジタルワークプレイスの導入方法と効果
2023.05.27
働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染症の影響から、企業は、オフィス勤務から、自宅や他の場所でも働けるハイブリッドワークへの職場環境の抜本的な改革が求められています。
そこで重要となるのが、時間や場所にとらわれない仕事空間をデジタル上に構築するデジタルワークプレイスです。
デジタルワークプレイスの導入によって、多様性のある働き方の実現や業務改善につながる効果が期待されています。
今回は、デジタルワークプレイスについて解説します。
デジタルワークプレイスとは?
デジタルワークプレイスは、デジタルツールやテクノロジーを活用して、従来の対面主体の職場環境を仮想化したものを指します。
労働環境をデジタル化するのではなく、オンラインで効率的な業務プロセスを作り出すことが目的です。
デジタルワークプレイスを実現すると、従業員がそれぞれ好きな場所・時間で作業できるようになり、従業員の生産性向上や業務効率化、企業価値の向上につながります。
デジタルワークプレイスのメリットとは?
デジタルワークプレイスを導入すると、企業にさまざまなメリットが生まれやすくなります。
どのようなメリットが生まれるのか見てみましょう。
生産性の向上
デジタルワークプレイスを導入している企業の従業員は、時間や場所にとらわれることなく、一環したプラットフォームで効率的に業務ができます。
オフィスに出勤しなくても、デジタルワークプレイスを導入すると、従業員同士の情報共有が強化され、コミュニケーションの質も高まり、生産性を高める労働環境の実現に向けた取り組みができるようになります。
その結果、新たなビジネスアイデアも生み出されやすくなります。
従業員同士のコミュニケーション強化
多くの企業がテレワークを実施しています。
ですが、円滑なコミュニケーションがとりづらいなどの課題も生まれています。
ほとんどのデジタルワークプレイスでは、社内SNSなどのコミュニケーションツールを導入しているため、同じ部署だけでなく、部署や役職を超えた意思疎通が可能になります。
よりオープンな社内風土を作り上げることで、情報共有が活発に行われ、スピーディーな経営につながります。
働く場所の制限がなくなる
クラウドストレージやWeb会議システム、チャットツールなどを活用することで、いつでも、どこでも、どんなデバイスでも、仕事ができるため、仕事に応じて働く場所を選べるようになります。
テレワークだけでなく、従来型のオフィス勤務であっても、情報共有や業務連携が円滑に進むため、経営基盤の総合的な強化が可能となります。
従業員のモチベーション向上
デジタルワークプレイスを整備すると、オフィスへの出勤が不要となり、自宅やコワーキングスペースなど、自由な場所で業務に取り組めます。
満員電車での通勤や移動時間の短縮によって、従業員のストレスや睡眠不足問題を減らし、従業員の労働意欲やエンゲージメントといったモチベーションの向上につながります。
顧客満足度の向上
デジタルワークプレイスの導入は、従業員だけでなく顧客の満足度向上にも貢献します。
例えば、ライブチャット機能を使うと、顧客はすぐにカスタマーサービスへ連絡できます。
電話をかけてもなかなかつながらない、何日もメールの返信を待つ、といったストレスの解消につながります。
カスタマーエクスペリエンスが向上すれば、将来的なリピーターの確保ができるでしょう。
優秀な人材を採用しやすくなる
時間や場所にとらわれない働き方ができると、優秀な人材を採用しやすくなります。
育児や介護といった従業員のプライベートに応じて柔軟に仕事ができるため、優れた人材の確保や離職率の削減に寄与します。
また、遠方に住む人材の採用もでき、人材を確保するのと同時に、地方創生にも貢献するという社会的意義もあります。
デジタルワークプレイス導入の注意点とは?
人間関係の希薄化
スムーズなコミュニケーションができることが、デジタルワークプレイスの魅力の1つです。
ですが、ITツール内でのコミュニケーションになるため、人間関係に影響を及ぼす恐れがあります。
全従業員がオフィスに出社しないため、従業員同士が直接顔を合わせる機会が少なくなります。
セキュリティリスク
デジタルワークプレイスを導入する際に、セキュリティリスクが非常に課題になります。
デジタルツールを活用しオンラインで業務をすることになるため、ウイルス感染や第三者の攻撃による情報漏えいのリスクが伴います。
そうなると、信頼性の低下や、顧客離れなどのダメージを受ける可能性があります。
デジタルデバイスのセキュリティ対策が必須です。
デジタルワークプレイス導入のコスト
多様な働き方に対応する環境を整えるには、初期投資が必要になります。
デジタルデバイスの購入だけでなく、ソフトウェアの導入など膨大な費用がかかります。
コストを抑えるために、導入するデジタルツールの選定を慎重にしましょう。自社に必要なものは何かを見極めながら、比較検討しましょう。
デジタルワークプレイスの導入方法におけるポイントとは?
デジタル化を推進するだけでは、デジタルワークプレイスを導入したことにはなりません。
デジタルワークプレイスを導入するためには、環境整備や準備が必要です。
では、デジタルワークプレイス導入方法におけるポイントを解説します。
業務に適したツールを選定する
デジタルワークプレイスを実施するには、業務とパフォーマンスを最大化できるデバイスやツールが必要不可欠です。
会議や取引先との打ち合わせ、コミュニケーションツールとして使えるオンライン会議システム、業務報告に関する円滑なコミュニケーションを取ることができるチャットツールなどが、その例です。
オンライン会議システムでも、「Zoom」や「Google Meet」など、さまざまな種類があるので、自社に合ったシステムを選定しましょう。
就業規則を設定する
オフィス環境とは異なる環境のため、従来の就業規則では不都合が生じることがあります。
始業時間・終業時間の連絡方法、給与の設定、連絡体制などトラブルに発展しやすい部分を明確にする必要があります。
仕事への評価は、業務状況や成果に応じて評価されないと、従業員の不満につながってしまうため、注意が必要です。
クラウド型の人事評価システムや勤怠管理システムを導入して、デジタルワークプレイスに合わせた就業規則を設定しましょう。
インターネット環境の強化とセキュリティの対策をする
デジタルワークプレイスでは、ネットワーク経由でデータにアクセスすることになるので、セキュリティ対策は必須となります。
サーバー攻撃は高度化しており、セキュリティ対策は多岐にわたります。
高度なセキュリティの構築が難しい場合は、専門家に頼りながら、しっかりと対策をしましょう。
まとめ
デジタルワークプレイスは、デジタル化ではありません。
企業のイノベーションを支える従業員の力を高め、最大限に発揮させる環境の土台ともなるため、企業における成長戦略に欠かせない要素と言えます。
ニューノーマルな働き方が求められている現在、デジタルワークプレイスを導入して、多様化する働き方に対応しましょう。