コラム

意味がない時差出勤とは?その対策方法について解説

2023.06.07

働き方改革の推進にともない、多くの企業で、従業員の働き方を変える様々な取り組みをしています。

 

そのひとつが、時差出勤です。

 

時差出勤は、従業員の満足度向上にも役立ちますが、メリットとデメリットを押さえた上で実施しなければ、意味がない取り組みになってしまいます。

 

今回は、意味がない時差出勤の状態を避けるための対策方法について解説します。

意味のない時差出勤とは?

時差出勤とは、始業時間を数時間ほどずらして、通勤時間の混雑を避けるためにします。

 

従業員は、通勤時間ラッシュを避けられるため、満員電車によるストレスの軽減されます。

 

ですが、時差出勤は適切に実施されていないと、導入する意味がなくなってしまいます。

 

意味のない時差出勤は、どのような時差出勤なのか見てみましょう。

取引先と営業時間がずれてしまう

就業時間が変わると、自社と取引先の営業時間がずれてしまい、仕事に影響が出てしまう可能性があります。

 

経理など銀行や役所に行く業務をしている従業員は、時差出勤を導入すると、業務にかかる負担が増えてしまうかもしれません。

 

営業時間や業務内容に合わせた時差出勤を部署ごとに導入する必要があります。

生活のリズムが崩れる

時差出勤を導入すると、生活のリズムが変わってしまい、体調を崩してしまうことがあります。

 

午前中の早い時間に働くと、集中して業務に取り組めるといったように、仕事に取り組みやすい時間が変わります。

 

従業員のライフスタイルあわない勤務体制だと、生活のリズムが崩れて仕事に悪影響が出てしまい、時差出勤は意味がなくなってしまいます。

なぜ時差出勤の意味がなくなってしまうのか?

従業員は、会社のルールに従わなければいけないため、時差出勤に効果が感じられないと、ストレスが溜まったり、会社に不満を感じやすくなります。

 

導入した時差出勤の意味がない状態になってしまう原因を見ていきましょう。

従業員の声が取り入れられていない

経営陣や管理職の立場から見て、時差出勤を導入すると、現場の従業員の声が取り入れられないものになってしまうことが多々あります。

 

育児をしている女性従業員は、時差出勤で始業・終業時間がずれると、生活を維持できない恐れがあります。

 

経営陣や管理職の目線で導入してしまうと、従業員の希望に沿った勤務体制でなくなるため、時差出勤の意味がなくなってしまいます。

時差出勤を利用しづらい

時差出勤は、他の従業員よりも、早く退社したり、遅く出社する場合、「自分だけ早く退社して気まずい」「自分だけ遅く出社して気まずい」と感じる人が少なくないでしょう。

 

周囲の目が気になって、時差出勤を取り入れにくくなってしまっています。

 

時差出勤制度の導入をすることによって、かえって、従業員が働きにくい環境になってしまうかもしれません。

時差出勤を有意義なものにするための方法とは?

時差出勤は、実施することによって、従業員が働きやすくなることを目的としています。

 

経営陣・管理者の考えと従業員の考えが一致するように工夫するしないと、意味がありません。

 

そのためには何をすればいいのか対策方法を見てみましょう。

従業員の声を聞く

時差出勤を導入する際は、従業員にアンケートをするなど、従業員の声を反映させましょう。

 

例えば、以下の点について、従業員に聞いてみるといいでしょう。

 

・出社時と帰宅時に利用する交通機関の込み具合はどうなのか。

・集中して仕事に取り組める勤務時間帯はいつか。

 

現場の従業員の声を聞くと、無意味な時差出勤を防ぐ方法になります。

勤務条件を見直す

時差出勤の導入前に、トラブル防止のため、雇用条件の見直しをして、変更しておく必要があります。

 

時差出勤をしないほうが働きやすい従業員がいるかもしれないからです。

 

無意味な時差出勤にしないようにするためには、企業が従業員に、時差出勤の時間帯や給料の支払い条件について、事前に説明をしておかなければいけません。

フレックスタイム制の導入

労働時間を変えずに働き方を変える時差出勤に似ている出勤方法として、フレックスタイム制があります。

 

時差出勤との違いは、フレックスタイム制は、従業員が始業時間と終業時間を自由に決められることです。

 

時差出勤は、企業が、複数の勤務時間帯の枠を設けて実施するため、従業員のライフスタイルに合わない可能性があります。

 

時差出勤とフレックスタイム制を並行して導入すると、多様な働き方を推進することになり、無意味な時差出勤にしないための方法になります。

段階的な導入をする

時差出勤を導入する際は、全部署で一斉に始めるのではなく、一部の部署から実施して、徐々に他の部署も段階的に実施するようにしましょう。

 

また、本格的な導入をする前に、試験的な導入をして、導入後に、導入前との状況の変化を振り返って検討するといいでしょう。

まとめ

むやみやたらに、時差出勤を取り入れても、出社時間と退社時間のラッシュを避けれなかったり、取引先と営業時間がずれるなど、デメリットが解消されないと意味のない時差出勤になってしまいます。

 

それを回避するためには、従業員の声を反映して、従業員と情報共有しながら導入する必要があります。

 

また、時差出勤と並行してフレックスタイム制の導入を検討すると、従業員にとって、より働きやすい環境になるでしょう。

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