コラム

バーンアウト(燃え尽き症候群)とは?症状や対処法について解説

2023.06.07

バーンアウトという言葉を聞いたことはありますか?

 

バーンアウトの状態に陥ってしまうと、回復するのに時間と労力がとてもかかってしまいます。

 

突然意欲やを失ってしまうバーンアウトは、誰にでも起こり得ます。

 

今回は、バーンアウトの症状や対処法について解説します。

バーンアウト(燃え尽き症候群)とは?

燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)とは、心身の過度な疲労によって、仕事などに打ち込んでいた人が燃え尽きたように意欲を失い、社会生活に適応できなくなる状態を指します。

 

バーンアウトは、アメリカの精神心理学者であるハーバート・フロイデンバーガーが1970年代に提唱した概念です。

 

50年も前から、バーンアウトは、気をつけるべき症状であるとされてきました。

 

ストレスや疲労によって、仕事への意欲低下、いら立ち、飲酒量の増加、人間関係を避けるケースがよくみられます。

 

医療職や介護職、接客サービス業といった、顧客と直接コミュニケーションする職業の人がバーンアウトに陥りやすいとされていましたが、最近では、職種に関わらずバーンアウトの症状が出るリスクがあり、予防と改善が重要な課題です。

バーンアウトの症状

燃え尽き症候群は、主に3つの症状が表れます。

 

以下で見てみましょう。

情緒的消耗感

情緒的となっているように、身体的な疲労ではなく、心が疲れてしまっていることを指します。
 
顧客や社内への思いやり、信頼関係の構築などを頑張って、消耗してしまった状態となっていることを言います。
 
以下の項目に当てはまる症状が出ます。
 
・仕事が急につまらなく感じる

・仕事に集中しすぎて、心身ともに疲れ果てたと感じる

 

 

 

脱人格化

情緒的消耗が進むと、脱人格化が起こります。
 
それまでの人格が別人のように、周囲に攻撃的になったり、悪口を言ったり、思いやりのない態度を取るようになってしまいます。
 
以下の項目に当てはまる症状が出ます。
 

・他の従業員や顧客の顔を見るのも嫌になる

・他の従業員や顧客と何も話したくない

個人的達成感の低下

他の従業員や顧客とのコミュニケーションに影響が出て、仕事の生産性が低下します。
 
仕事の質が落ちると、今までできていた事ができなくなって、成果も出なくなります。
 
そのため、仕事への達成感ややりがいを感じなくなり、うつ状態に陥るおそれがあります。
 
以下の項目に当てはまる症状が出ます。
 

・仕事を完結しても達成感を感じない

・仕事がうまくいかなくて、自己否定感が大きくなる

燃え尽き症候群(バーンアウト)になりやすい人とは?

バーンアウトを生じてしまう要因には、個人要因と環境要因の2つがあります。

 

以下で見てみましょう。

個人要因

仕事熱心で真面目な人、理想が高く使命感が強い人は、モチベーションが高いのですが、自分の理想に届かなかったときに、バーンアウトの症状が出てしまう恐れがあります。

 

若い人や仕事への経験が少ない人は、理想と現実のギャップを感じて疲弊することが多いと考えられています。

 

バーンアウトに陥りやすい人の特性は、以下の通りです。

 

・仕事をがんばり続ける人

・他の従業員や顧客と良好な関係を築こうと努力する人

環境要因

仕事の量と仕事の質に、過度な負担がかかと、バーンアウトの原因となります。

 

残業が多かったり、高いノルマを課せられていたりしないでしょうか。

 

具体的には、長時間労働や厳しいノルマ、体への負荷が大きい身体的労働などが挙げられます。

バーンアウトの予防策

バーンアウトは、誰でも陥る可能性があります。

 

どのような予防策があるのか見てみましょう。

バランスの取れた食事と睡眠時間の確保

仕事で多忙でも、バランスの取れた食事と十分な睡眠時間を取りましょう。

 

睡眠不足になると、脳の神経細胞の修復が追い付かずに、感情のコントロールが難しくなると言われています。

 

その状態が続いてしまうと、うつ状態になるリスクがあるため、注意しましょう。

オンとオフを切り替える

テレワークによって、オンオフの切り替えができていない方も多いようですが、注意しましょう。

 

パソコンやメールを見ないようにする必要があります。

 

そのためには、プライベート空間と仕事をする部屋を別にするといいでしょう。

突き放した関心 

突き放した関心とは、心身の疲弊を防ぐ技能です。

 

バーンアウトは、冷静な判断ができない時や、相手が抱える重荷を一緒に背負ってしまうと陥りやすいです。

 

相手に寄り添いながら一定の距離を保つことで、共感しすぎる状態を防ぐ必要があります。

柔軟性をもつ

大事にしたいことを中心にして、さまざまな取り組みをしたり、生活をするという考え方です。

 

この考えを実践できると、変化に飲み込まれず、自分の価値観を基にした対応ができるようになります。

燃え尽き症候群(バーンアウト)の測定方法

燃え尽き症候群を測定する方法として、バーンアウト測定尺度(Maslach Burnout Inventory-General Survey)の活用があります。

 

以下の質問項目に答えていくと、燃え尽き症候群の傾向を測定することが可能です。

 

診断テストではなく、指標として参考にしてください。

 

1

こんな仕事、もうやめたいと思うことがある。

2

われを忘れるほど仕事に熱中することがある。

3

こまごまと気くばりすることが面倒に感じることがある。 

4

この仕事は私の性分に合っていると思うことがある。

5

同僚や患者の顔を見るのも嫌になることがある。

6

自分の仕事がつまらなく思えてしかたのないことがある。 

7

1日の仕事が終わると 「やっと終わった」 と感じることがある。

8

出勤前、職場に出るのが嫌になって、家にいたいと思うことがある。

9

仕事を終えて、今日は気持ちのよい日だったと思うことがある。

10

同僚や患者と、何も話したくなくなることがある。

11

仕事の結果はどうでもよいと思うことがある。

12

仕事のために心にゆとりがなくなったと感じることがある。

13

今の仕事に、心から喜びを感じることがある。

14

今の仕事は、私にとってあまり意味がないと思うことがある。

15

仕事が楽しくて、知らないうちに時間がすぎることがある。

16

体も気持ちも疲れはてたと思うことがある。

17

われながら、仕事をうまくやり終えたと思うことがある。

まとめ

バーンアウトは誰にでも起こる可能性があります。
 
一生懸命に仕事に取り組む優秀な人材ほど陥りやすいものです。
 

自分はバーンアウトにならないだろうという過信をしないで、毎日、セルフケアをして、心身ともに健康に働けるようにしましょう。

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