業務の属人化の原因とは?そのリスクや解決法を解説
2023.07.29
テレワークが普及し、業務の属人化の問題が浮き彫りになってきています。
業務の属人化は、企業の経営に影響を及ぼすため、迅速に属人化を解消する必要があります。
今回は、属人化が起こる原因、属人化によるリスクと、属人化を解消する方法について解説します。
属人化とは
属人化とは、特定の従業員しか業務内容などを把握していない状態のことです。
業務の属人化が発生してしまうと、代わりにその業務を取り組む人がいないため、業務に支障が出てしまいます。
また、後任者は、情報などが何もない状態から業務に取り組まなければいけないため、非効率的で、納期遅延などのトラブルになることもあるでしょう。
そのため、ネガティブな意味で使われることが多いです。
属人化の対義語は、標準化(マニュアル化)で、ポジティブな意味で使われます。
属人化が起こる原因
業務が専門的である
専門性の高い業務は、知識の共有が困難であるため、属人化しやすいです。
例えば、エンジニアやプログラミング、マーケティングといったスキルを持つ人材に、属人化が起こりやすいです。
特定の従業員が業務を担当すると、同じ従業員が継続して担当することが多いため、他の従業員が知識やノウハウを身につける機会が減ってしまいます。
多忙で業務に追われている
従業員が、こなすべき仕事で手一杯の状態だと、情報管理をする時間が取れず、目の前にある業務を推進することを優先してしまいます。
そうなると、属人化に拍車をかけてしまいます。
属人化をなくすには、業務を改善し、時間の余裕が持てる環境作りをする必要があります。
自分のポジションを守る
業務の属人化が発生すると、業務停滞につながるため、大きな問題になります。
ですが、他の従業員が代わって仕事をすることができないため、自分のポジションをキープできることを歓迎している従業員がいます。
また、自分よりも知識や技術を持っている人がいないと、ミスを隠蔽する恐れが出るでしょう。
成果主義を重要視する
属人化によるリスク
業務効率の低下
担当者が出張や病気で不在になると、他の従業員は、業務内容を把握していないため、代わりに業務を行うことができず、業務が停滞してしまいます。
また、客観的に業務を可視化できなくなるため、進捗状況のチェックがしにくくなります。
さらに、業務量が増えた場合、担当者だけで対応するには限界があり、業務遅延が発生し、取引先との間でトラブルになる恐れがあります。
業務がボトルネック化する
特定の従業員だけが対応できる業務が増えると、業務の進捗が担当従業員の進捗状況に左右されてしまい、ボトルネックになってしまう可能性があります。
ボトルネック化とは、作業工程中に、目的を達成するために障害や問題が起こってしまうことです。
業務品質が不安定になる
特定の従業員だけが、属人化している業務内容を把握できるため、上司でさえも、業務のフローや成果はどうなのかを判断できません。
また、従業員が不在になり、他の従業員が代わりに業務を行うことになった場合、品質の低下やミスを発見したり、指摘することもできず、業務の効率が非常に悪くなるでしょう。
属人化を解消する方法とは
属人化の対義語(反対の意味を持つ言葉)の言葉として、標準化(マニュアル化)があります。
標準化とは、特定の従業員に依存しないで、どの従業員でも同じ業務ができるように作業内容を統一することで、生産性の向上が期待できます。
では、業務の標準化に取り組んで、属人化を解消する方法について見てみましょう。
業務マニュアルを作成する
どの従業員が仕事をしても一定の品質を担保できるように、業務マニュアルを作成するといいでしょう。
マニュアル作成する際は、業務フローを洗い出し、業務内容と担当者の役割を可視化します。
他の従業員が代わって業務に取り組めないことが属人化の原因であるため、業務の一連の流れを見えるようにしなければいけないからです。
そして、属人化している業務ごとにマニュアルを作成します。
業務プロセスをシンプルにする
属人化は、複雑な業務で発生しがちです。
したがって、業務の仕組みをシンプルにすると、属人化を解消できます。
業務に使うツールを必要なものだけに限定し、シンプルな業務フローを構築するといいでしょう。
専門的なスキルや知識を持っていない従業員でも、同じ成果を出せるようになれば属人化を防げます。
情報共有を強化する
業務が多忙で情報共有がしづらいのであれば、ITツールを導入して、情報共有の効率化をしましょう。
まとめ
業務が属人化すると、担当者が不在の場合、他の従業員が代わって、業務を行えないため、業務が停滞してしまいます。
そのため、業務を標準化して、業務効率の低下や、業務のボトルネックなどのトラブルに発展しないようにしましょう。
企業のナレッジとして蓄積されたものは、業績拡大にもつながるでしょう。