コラム

クッション言葉とは

2023.08.22

クッション言葉をご存知でしょうか。

 

クッション言葉とは、きつくなりがちな言葉をやわらげてくれる言葉です。

 

クッション言葉を使うと、相手への配慮を示すことができ、言いづらいことを伝えやすくなります。

 

クッション言葉は、日常的に使われており、対面でのコミュニケーションだけでなく、メールなどのテキストでも幅広く使われています。

 

今回は、クッション言葉について解説します。

クッション言葉とは

クッション言葉とは、ストレートに言うときつい印象や不快感を与える恐れがあることを、やわらかく伝えるために会話の前置きとして添える言葉のことです。

 

申し訳ないという気持ちなど、相手を気遣う気持ちを相手に伝えることができるため、コミュニケーションをスムーズにするために使われています。

 

忙しい相手に何かお願いをしたり、相手の依頼を断るなど、伝えにくいことを伝えなければいけない時に、クッション言葉を使うと、失礼な印象を与えずに本題を伝えることができます。

クッション言葉が役立つ場面

クッション言葉は、日常生活だけでなく、ビジネスシーンでも、非常に役に立ちます。

 

どのようなシーンでクッション言葉を使うと効果があるのか見てみましょう。

依頼する時

上司や同僚、取引先に依頼をする時に、「お忙しいところ恐れ入りますが」「お手数をおかけしますが」といったクッション言葉を使います。

 

そうすると、相手に対して、「あなたが忙しいことを理解していますが、それを承知でお願いしたいです」というニュアンスを伝えることができるため、相手を不快にさせず、相手の状況を慮っていることを伝えられます。

断る時

上司や取引先からの依頼や要望、招待などを断りたい時には「せっかくのご厚意ですが」や「誠に申し訳ありませんが」といったクッション言葉を添えましょう。

 

断ることはなかなか難しいのですが、クッション言葉を使うと、断ることを心苦しく思っていることや相手の気持ちをありがたく思っていることを伝えることができます。

 

断った後に、「またの機会がありましたらよろしくお願い致します」と伝えると、「今後も良好な関係を続けたい」「次回は参加したい」といった気持ちを伝えることができるでしょう。

修正をお願いしたい時

修正をお願いしたい時には、「こちらの都合で恐れ入りますが」、「私の説明が不十分で恐縮ですが」といったクッション言葉を使います。

 

このクッション言葉を使うと、「問題の原因は相手だけでなくこちらにもある」ということを伝えれるでしょう。

質問をしたい時

質問をしたい時には、「ご迷惑でなければ」、「差し支えなければ」というクッション言葉を使います。

 

商談や打ち合わせで相手から情報を引き出したいときや、提案するときに便利なフレーズです。

 

「相手が面倒でなければ質問したい」というニュアンスを伝えれるため、相手が自分の状況を考慮して、回答するかどうかを決めれます。

反論する時

ビジネスでは、相手の意見を聞くだけでなく、反論しなければいけないことがあります。

 

そのようなシーンでは、「差し出がましいようですが」、「申し上げにくいのですが」というクッション言葉を使うといいでしょう。

 

このようなクッション言葉を使うと、「反論をしたいけど、攻撃的な態度を取りたいのではなく、意見を聞いてほしい」というニュアンスを伝えれるため、相手の気分を害さないよう気を配ることができ、相手も反論を受け入れやすくなります。

 

依頼する時のクッション言葉

何かを依頼する時には、相手が忙しいことや負担になるかもしれないことを考慮して、相手を気遣う気持ちをクッション言葉にして伝えると、丁寧なイメージを与えます。

 

【クッション言葉一覧】

 

・お忙しい中を恐縮ですが
・お忙しいところ申し訳ございませんが
・ご多忙中とは存じますが
・お手数をおかけいたしますが
・ご足労をおかけいたしますが
・もし可能であれば
・ご多忙と存じますが
・大変恐れ入りますが
・お手すきの際に
・ご足労をおかけしますが

 

急ぎでない場合、相手の手が空いていることを指す尊敬語の「お手すきの際に」を添えると、相手の状況を気遣っていることが伝わるでしょう。

 

また、メールなどで来訪の依頼をする時には、「ご足労をおかけしますが」というクッション言葉を添えます。

 

この言葉を使うと、「お忙しいとは思いますが、弊社にお越しいただきたいです」ということを伝えることができます。

 

期日までにメールの返信をしてほしい時は、「お忙しいところ申し訳ありませんが、〇日までにご返信をいただきたく存じます」と使います。

断る時のクッション言葉

何かを断る時に、ストレートに伝えると冷たい印象を与えてしまうことがあります。

 

そのため、「残念ながら」「申し上げにくいのですが」といったクッション言葉を使って、こちらも断りたくないという心苦しい気持ちを伝えましょう。

 

この言葉を使うと、相手は、断りの話をされるということを予想できます。

 

【クッション言葉一覧】

 

・ご期待に添えず申し訳ありませんが
・大変申し訳ありませんが
・残念ながら
・あいにくですが
・誠に申し上げにくいのですが
・心苦しいのですが
・身に余るお話ではありますが
・せっかくのご厚意ですが
・心苦しいのですが

 

断る時は、「あいにく」というクッション言葉を使って、「あいにくですが、その日は予定が入っており、都合が合いません」と書くといいでしょう。

 

日程を調整したら、都合がつく場合は、「○日の〇曜日はご都合いかがでしょうか」と、続けて代替案を提示すると、話を前に進めることができます。

反論する時のクッション言葉

反論をする時は、自分の立場をわきまえて、謙遜しているというニュアンスを伝えることが大切です。

 

そのためには、「僭越(せんえつ)ながら」、「失礼を承知で申し上げますが」というクッション言葉を前置きするといいでしょう。

 

「違う意見を発言します」ということが相手に伝わるので、相手は聞き入れる準備ができます。

 

【クッション言葉一覧】

 

・差し出がましいようですが
・大変申し上げにくいのですが
・失礼を承知で申し上げますが
・出過ぎたことを申しますが
・僭越ながら
・お言葉を返すようで恐縮なのですが

 

「出過ぎたことを申しますが、この件はもう一度検討したほうがいいように思います」と伝えると、謙遜や申し訳ない気持ちが相手に伝わります。

クッション言葉を使う時の注意点

クッション言葉を使うと、ストレートな表現がやわらかく丁寧になるため、使用すると、会話がスムーズになります。

 

ですが、多用しすぎると、「それで何が言いたいの?」と本題が伝わりにくくなったり、白々しく思われることがあります。

 

また、回答が必要なのに、「よろしければ」「もし可能でしたら」といったクッション言葉を使うと、回答を断られる可能性があります。

 

この場合は、「恐れ入りますが」や「恐縮ですが」といったクッション言葉を使うのがいいですが、使い方を間違えないように注意しましょう。

まとめ

クッション言葉は、相手への気遣いを表現するだけでなく、意見を述べやすくなるため、コミュニケーションを円滑にします。

 

依頼を断る時や反論をする時のように、伝えにくいことを伝えなければいけないシーンで役に立つので、シーンにあったフレーズを覚えておくといいでしょう。

 

クッション言葉を多用したり、使い方が間違っていると、話がややこしくなりトラブルに発展する可能性があるため、適切に使いましょう。

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