女性起業家におすすめの助成金と補助金について解説
2023.11.16
女性の社会進出が進み、起業をする女性が増えてきました。
女性は、出産・育児などで仕事をセーブしなければいけない時があり、起業へのサポートを必要としている方もいるでしょう。
「女性起業家がもらえる助成金制度はあるのかな」と思っている方も多いでしょう。
そこで、今回は、女性起業家への助成金・補助金などについて解説します。
助成金・補助金・融資の違いとは
助成金は、厚生労働省が管轄となって、事業者に交付される支援金で、多くは返済不要です。
支給額は、一律で決まっており、採択されると、定額の助成金が後払いで支給されます。
補助金は、経済産業省の中小企業庁が管轄となって、事業者に交付される支援金で、返済不要のものが多いです。
支給額は、割合で決まり、採択されると、「実際の支出の○%」などといった割合で算出された補助金が、後払いで支給されます。
融資は、返済する必要があります。
ですが、募集期間がなく、一定の要件をクリアすれば受けることができ、利率が低い制度があります。
女性起業家におすすめの助成金とは?
まず、女性起業家におすすめの助成金をご紹介します。
助成金を受ける条件や助成額は異なるため、よく確認したほうがいいでしょう。
両立支援等助成金
両立支援等助成金とは、家庭と仕事を両立しやすい職場づくりをサポートすることを目的とした助成金です。
女性の活躍推進のための取り組みを行う事業者を支援する制度です。
2023年度(令和5年度)は、女性起業家は以下のコースで助成金を申請できます。
・出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
・介護離職防止支援コース
・育児休業等支援コース
(※「女性活躍加速化コース助成金」は、令和3年度で廃止になりました)
この3つの中で、育児休業等支援コースが、女性起業家におすすめです。
育児休業等支援コースは、女性が育児を理由に退職しないで、働き続けられる職場環境の整備を目的としたコースです。
条件を満たすと、最大60万円の助成金が支給されます。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者のキャリアアップの促進を目的とした助成金です。
非正規雇用従業員の正社員化や処遇の改善を実施した女性起業家におすすめです。
以下のコースがあります。
・正社員化コース
・障害者正社員化コース
・賃金規定等改定コース
・賃金規定等共通化コース
・賞与・退職金制度導入コース
・短時間労働者労働時間延長コース
コースによって受給の条件や金額が異なります。
正社員化コースは、正規雇用に転換した場合、1人につき57万円の助成金が支給されます。
また、派遣労働者を派遣先で正社員として直接雇用した場合、28万5000円が加算されます。
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業は、東京都内の商店街の活性化を図るために、新規開業を支援する制度です。
利用できるのは女性か39歳以下の男性で、都内商店街で店舗を開業することが条件となっています。
申請が認められると、新装や改装費用には最大で400万円、賃借料についても1年目180万円、2年目以降144万円(いずれも助成率は4分の3以内)まで助成してもらうことができます。
申請書類は、東京都中小企業振興公社の公式Webサイトで取得できます。
地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)
地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)は、中小機構と各都道府県の公共団体・金融機関等の共同出資で運営されている支援制度です。
地域貢献性の高い中小企業者が対象となっており、研究・商品開発や需要の開拓にかかる費用に助成金を受けたい女性起業家におすすめの助成金です。
例えば、千葉県の場合には、ちば中小企業元気づくり基金(新商品・新技術開発)というファンドがあり、同県内で主たる事業を営む中小企業者や小規模事業者に該当すれば、250万円を上限として助成を受けることができます。
ですが、助成率は2分の1(小規模事業者の場合は2/3)以内です。
中小機構の公式Webサイトでは地域中小企業応援ファンド一覧を公開しているので、該当地域のファンドを確認してみましょう。
参考:中小機構「地域中小企業応援ファンド一覧(電子ブック)」
雇用関係助成金
雇用関係助成金とは、厚生労働省が扱っている雇用に関わる支援金の総称です。
「雇用維持関係の助成金」「仕事と家庭の両立支援関係等の助成金」など8つの分野に分かれており、「雇用関係助成金検索ツール」から目的に合った助成金を探すことができます。
地方で雇用の促進の取り組みをする女性起業家を対象とした制度で、3回まで利用することができます。
1回目と2回目以降で申請方法が異なるため、注意が必要です。
助成が認められた場合には設置・設備費用や労働者の増加人数等に応じて48万円から1600万円を受け取れます。
女性起業家におすすめの補助金
続いて、女性起業家が申請できる補助金をご紹介します。
小規模事業者持続化補助金
小規規模事業者の生産性向上や販路開拓への支援を目的に、経費の一部に支給される補助金です。
販路開拓と業務効率化への取り組みが、補助対象事業となっています。
対象事業者には次のような条件が設定されています。
・商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):常時使用する従業員数5人以下
・サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員数20人以下
・製造業・その他:常時使用する従業員数20人以下
補助率は対象経費の2/3です。
上限額は、1事業者あたり最大50万円です。(インボイス特例が適応されれば100万円)
複数の小規模事業者等で共同申請する場合は、50万円~1,000万円です。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、革新的なサービスや試作品の開発、生産プロセスやサービス提供方法の改善に必要な設備・システムを導入した小規模事業者や中小事業者などを支援する制度です。
以下の5種類に分かれていて、補助上限額や補助率が異なっています。
・通常枠:補助率1/2、2/3(小規模、再生事業者)、補助額最大1,250万円
・回復型賃上げ・雇用拡大枠:補助率2/3、補助額最大1,250万円
・デジタル枠:補助率2/3、補助額最大1,250万円
・グリーン枠:補助率2/3、補助額最大1,250万円(エントリー)、最大2,000万円(スタンダード)、最大4,000万円(アドバンス)
・グローバル展開型:補助率1/2、2/3(小規模、再生事業者)、補助額最大3,000万円
IT導入補助金
IT導入補助金は、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する中小企業と小規模事業者の経費の一部を補助して、業務効率化や売上アップを支援する制度です。
以下の3種類に分かれていて、補助上限額や補助率が異なっています。
・通常枠(A類型):補助率1/2以内、補助額5〜150万円未満
・通常枠(B類型):補助率1/2以内、補助額150〜450万円
・セキュリティ対策推進枠:補助率1/2以内、補助額5〜100万円未満
・デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型):補助率は機能要件によって異なる、補助額(下限なし)〜350万円以下
・デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型):補助率は機能要件によって異なる、補助額については下のリンクから
・デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型):補助率2/3以内(中小企業・小規模事業者等)、補助額(下限なし)〜350万円以下
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継や事業再編などによって、新たな挑戦をする中小企業者を応援する補助金です。
経営革新、専門家活用、廃業・再チャレンジの3種類があります。
経営革新は、所定期間内に新規で事業転換をして、雇用創出を通して、地域に貢献する中小企業であることを条件に600万円までの補助金を受給できます。
女性起業家におすすめの融資制度
起業時におすすめの融資制度をご紹介します。
女性、若者/シニア起業家支援資金
女性、若者/シニア起業家支援資金は、融資審査で評価が低くなりがちな女性、若者、シニアの起業家を対象として融資をする制度です。
女性、若者/シニア起業家支援資金は、新たに事業を始める、または、事業開始後7年以内である女性・35歳未満・55歳以上であれば受けられる融資です。
女性、若者/シニア起業家支援資金の国民生活事業の融資限度額は、国民生活事業では7,200万円(うち運転資金4,800万円)です。
中小企業事業の融資限度額は、直接貸付の場合7億2,000万円、代理貸付の場合1億2,000万円です。
新創業融資制度
新規に事業を開始する人や事業を開始して間もない人が、担保や保証人なしで、融資を受けられる制度です。
自己資金率などの条件を満たせば、3,000万円(うち運転資金は1500万円)までの融資が受けられます。
女性起業家の他の資金調達方法
助成金や補助金以外にも返済不要で資金を調達する方法があります。
助成金や補助金との併用を考えてみるのもいいでしょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディング(crowdfunding)とは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語です。
インターネットを通して自分の活動や夢を発信して、想いに共感した人や活動を応援したいと思ってくれる人から資金を募るシステムのことです。
支援したい人が集まるため、魅力的なプロジェクトを提案すると、目標金額を大きく超えた資金が集まることがあります。
メールアドレスやSNSなどのアカウントを使って、会員登録できるため、手軽に始められます。
女性起業チャレンジ大賞
女性起業チャレンジ大賞は、一般財団法人日本起業アイディア実現プロジェクトが開催している、女性起業家支援のプロジェクトです。
女性の視点や事業への使命感など、さまざまな選考基準によって、大賞を選びます。
グランプリには、支援金として200万円が無償で支給されます。
女性起業家は個人情報を保護して起業しよう
女性起業家として事業を行うには、個人情報の保護が非常に重要です。
自宅で起業して、個人情報を流出してしまったら、信用を失うだけでなく、事業が危うくなるおそれがあります。
そのため、情報管理には万全を期すためにも、自宅で起業するのではなく、バーチャルオフィスを利用することをおすすめします。
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