海外出稼ぎはにおすすめの職種や向いている人の特徴、注意点を解説
2023.11.18
日本における賃金がなかなか上がらず、円安の影響もあって、海外へ働きに行く人が増えています。
オーストラリアなどでは、日本で正社員として働くより接客業などのアルバイトをしたほうが稼げるケースがあるのです。
ですが、海外での出稼ぎまでの準備や仕事内容など、予備知識を身に付けてしっかり準備しておくことが重要です。
今回は、海外で働くのにおすすめの職種や注意点などを解説します。
海外出稼ぎが流行っている理由
JNTO(日本政府観光局)によると、2022年に日本を出国した日本人は、277万1,700名でした。
2021年の出国日本人は、51万2,200名だったため、5倍以上増えています。
この数には、観光や出張で出国した人も含まれるため、海外出稼ぎのために出国した日本人の正確な数はわかりません。
ですが、海外就職の問い合わせが急増しているため、今後も増え続けることが予想されます。
では、なぜ海外で出稼ぎしたい人が増えているのかについて解説します。
円安の影響
海外へ出稼ぎに行く日本人が増えている理由の1つとして、急激な円安が挙げられます。
2022年初頭は、1ドル115円台でしたが、FRB(米連邦準備制度理事会)による大幅な利上げにより、円売り・ドル買いが一気に進み、1ドル150円台まで下がって、1990年8月以来の円安水準と大きく報道されていました。
円が安くなると、輸入品の価格が高騰します。
食料品や衣類などの生活必需品は海外から輸入しているものが多いため、円安になると、生活費が膨らみます。
賃金が上がらないと、なおさら支出だけが増えて、生活が苦しくなります。
また、円の価値が安くなるということは、外貨の価値が高くなるということです。
そのため、海外で働いて現地の通貨で給料をもらえると、日本円に対する価値が高くなります。
例えば、アメリカで月2000ドルの給料をもらったとします。
1ドル115円を日本円に換算すると、23万円ですが、1ドル150円の場合、30万円です。
ドルでもらえる金額は同じでも、円の価値によって賃金に大きな影響が出ます。
賃金が上昇していない
OECD(経済協力開発機構)が発表した調査によると、2021年の日本の平均賃金は3万9711ドルでしたが、2011年は3万9037ドルだったため、日本は、10年間で賃金がほとんど上昇していません。
アメリカの2011年の平均賃金は6万3349ドルでしたが、2021年には7万4,738ドルと1万ドル以上も増加しました。
韓国の2011年平均賃金は3万6835ドルでしたが、2021年には4万2,747ドルで5,000ドル以上も増加しました。
日本は、過去30年間で、実質賃金の伸び率が1.05倍とほとんど変化していません。
物価が上がっても賃金が上がらなければ、生活はどんどん苦しくなります。
2021年の日本の平均賃金は、OECD加盟国38カ国中24位と低く、高い賃金を求めて海外へ出稼ぎに行く人が増えています。
海外での出稼ぎにおすすめの仕事とは?
海外での出稼ぎで効率的に収入を得るためには、日本人や日本の文化を活かせる仕事に就くことがおすすめです。
では、日本人が海外で出稼ぎするのにおすすめな仕事には、どんな職種があるのか見てみましょう。
レストランやホテルの従業員
レストランやホテルは、求人募集が多いため、従業員として働くことはおすすめです。
日本人が多く住んでいる国には、寿司店・日本料理店、日本人向けの宿泊施設もあるため、就労のハードルが低くなります。
海外のレストランやホテルでは、チップの風習があるところも多いため、臨時収入も期待できるでしょう。
職人系の仕事
日本人は、手先の器用な人が多く、工芸品のクオリティが高いため、海外で高く評価されています。
制作スキルを身につけていると、それを活かして働くことができます。
技術力が高いと認められると、厚待遇が期待できるため、高収入を実現できる可能性があります。
職人として働くだけでなく、自分で制作した作品を販売することもできるでしょう。
通訳と翻訳
通訳や翻訳家は、技能の高さから高収入が期待できるため、おすすめの職種の1つです。
公的機関、ツアー会社、放送業界など活躍できるシーンが多いのもメリットと言えるでしょう。
IT系
エンジニアなどのIT系の仕事は、世界中で人材不足のため、給与が高めに設定されていることが多いです。
プログラミング言語は世界共通であるため、知識やスキルを海外でも活かせるメリットがあります。
また、オフィス勤務ではなく、テレワークやフリーランスなど働き方も自由なことが多いため、仕事をしながら生活スタイルを維持しやすいこともポイントです。
海外で稼げる人の特徴
現在、円安のため、日本よりも稼げる国がありますが、海外に行ったからといって、稼げるとは限りません。
どんな人が海外で稼げて、どんな人が稼げないのか、それぞれの特徴を見てみましょう。
英語や現地の言葉が話せる
英語や現地の言葉が話せると、仕事の幅が広がり、高い給料をもらえる可能性があります。
現地の日本人向けのレストランやホテルなどで働くチャンスがあるでしょう。
語学力があまりなくても、日本食レストランや寿司店などの日本人客が多いところでは、非常に需要があります。
工場や農場で肉体労働をして働くこともできますが、雇用までのハードルが低いため、給料はあまり高くないです。
転職サービス「doda」の調査では、、TOEIC(700点台の平均年収は459万円、800点台は487万円、900点台は534万円でした。
英語力が高いと、年収も高くなることが分かります。
現地の文化や働き方を受け入れられる
海外の文化や働き方は、日本とは大きく異なります。
現地のマナーやモラルに従って生きる必要があるため、柔軟な思考と対応力が求められます。
好奇心旺盛でチャレンジ精神の強い人
海外での生活や仕事は、日本とは違う点が多いため、チャレンジ精神が旺盛な人に向いていると言えるでしょう。
また、海外では積極的に自分をアピールできる人が評価されやすいです。
チャレンジ精神は、出世や昇給にも関係しています。
海外で稼げない人の特徴
想定していたよりも海外で稼げないと感じる人の特徴について見てみましょう。
英語力のスキルアップを怠る
語学力は、現地でのコミュニケーションに必須です。
英語のスキルアップに時間や労力を注がないと、海外であまり稼げないでしょう。
雇用主が、語学力の不足で、意思疎通に不安があると判断したら、収入の高い仕事や希望する職種につけない可能性が高くなります。
渡航前に十分な英語力を身につけるか、現地で働きながら少しずつ英語力を磨きましょう。
異なる文化や考え方に対して柔軟性がない
海外では、多種多様な人が暮らしているため、考え方が非常に異なります。
柔軟に対応できないと、海外で仕事をしづらくなります。
文化や考え方の違いを理解して受け入れることができる柔軟さが必要になります。
海外で出稼ぎをするメリットとは
海外に出稼ぎをすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
以下で見てみましょう。
海外で職務経験ができる
グローバルな人材を求めている日本企業は、たくさんあり、そのような企業は、海外での職務経験を持つ人材を求めています。
海外での出稼ぎが、日本での就職活動に有利になる可能性は非常に高いです。
チップによって、収入アップが期待できる
チップ文化が存在する国があります。
チップ文化がある国では、雇用主から支払われる報酬とは別に、チップ代がもらえるため、収入アップが期待できます。
日本からの出稼ぎとして人気のチップ文化のある国は、以下の通りです。
・アメリカ
・イギリス
・フランス
・イタリア
チップは必ずもらえるわけではありませんが、いいサービスを提供すると、受け取れる可能性が高くなります。
出稼ぎでより多くの収入を得たい場合、現地の人に喜ばれるサービスを実践してみましょう。
海外で出稼ぎをするデメリットとは
海外で出稼ぎをするメリットについて見てきましたが、今度は、海外で出稼ぎをするデメリットについて見てみましょう。
海外での環境があわなくて働けなくなる可能性がある
日本と海外では、環境や文化が非常に異なります。
海外の環境に適応できず、心身が疲れ切ってしまうことがあるかもしれません。
そのため、海外へ出稼ぎに行っても、働けず、帰国してしまうケースがあります。
簡単に海外へ移住できない
海外へ移住することは、ビザの申請手続きをしたり、居住地を決めるために、複数回渡航する必要があったりと、手間と時間がかかります。
また、日本食がなかなか手に入らなかったり、ホームシックになることもあるかもしれません。
海外へ出稼ぎをする際の注意点
海外へ出稼ぎをする際の注意点をご紹介します。
英語力を高める
海外生活を円滑に送り、条件のいい仕事に就くために、英語力を高めておきましょう。
英語学習の教材やオンライン授業などが豊富にあるため、自分にあったものを選んで勉強するといいでしょう。
日常会話ができる語学力があると、部屋探しやさまざまな契約、買い物などがしやすく、トラブルが起こっても適切に対処しやすいです。
複数の求人サイトに登録する
複数の求人サイトに登録すると、仕事を探しやすくなります。
ほとんどの求人サイトは、無料で登録できるため、働き先の候補を増やすために積極的に活用するといいでしょう。
出稼ぎできるビザや労働許可を確認する
海外へ出稼ぎするにはビザが必要です。
観光ビザでは海外で仕事に就けないため、海外へ出稼ぎするには国ごとに適したビザを検討しなければいけません。
例えば、就労ビザ、ワーキングホリデービザなどが挙げられます。
就労ビザは、海外で働くときに必要なビザです。
取得要件は国ごとで異なりますが、出稼ぎのような短期間では取得が難しいかもしれません。
就労ビザを取得するには、2週間から2~3ヶ月かかるため、各国大使館のホームページなどで確認しておきましょう。
卒業証書や職務経歴書の提出が求められることが多いです。
現地企業で内定をもらって、現地で必要書類を提出するのが、就労ビザを取得するための流れです。
ワーキングホリデービザは、日本と協定を結んだ国で、18歳~30歳を対象に取得できます。
就労期間に上限を設定している国がありますが、申請が通りやすいです。
学生ビザで働ける国もありますが、労働条件に制限が設けられていることがあるため、たくさん稼げないかもしれません。
働きたい国の情報を収集する
就労ビザの取得が必要となります。
働きたいと思っている国の情報を、事前にリサーチしておきましょう。
仕事の種類や待遇、求められるスキル、その国の文化や生活環境といった、働きたいと思っている国の情報を集めましょう。
海外で働きたくても、食事や文化などが合わないと、出稼ぎにきてもすぐ帰国することになってしまうかもしれません。
日本で海外の仕事をすることも考えてみよう!
海外で出稼ぎすると、収入アップが期待できますが、手続きするのに、手間や時間がかかってしまいます。
そう考えると、日本でフリーランスとして働いて海外から仕事を受けるといったやり方も1つの選択肢です。
海外から仕事の依頼を受ける場合でも、外国語の習得が必須になりますが、翻訳ソフトを使って、チャットやメールでやり取りすることもできます。
フリーランス向けのグローバルサイト「Fiverr(ファイバー)」のように、海外のクライアントに特化した仕事の紹介サービスがあるため、日本にいながら、海外から仕事を受けることが可能になります。
日本でフリーランスとして海外から仕事を受注するには、日本で開業しなければいけません。
国を超えてやり取りをするため、個人情報の取り扱いに注意する必要があります。
そのような時に、バーチャルオフィス「ブルーム」のサービスがおすすめです。
ブルームを利用すると、個人情報を守りながらオフィスに必要な機能を利用できるため、海外からの案件受注の際に、ぜひブルームの利用を検討してみてください。