コラム

ピアボーナスとは?メリットやデメリット、押さえておくべきポイントを解説

2024.08.16

最近、コミュニケーションの活性化や従業員のエンゲージメントを高めるための手法として、ピアボーナス制度を導入する企業が増えてきました。

 

ピアボーナスは、会社から従業員に報酬を贈るのではなく、従業員同士で報酬を贈り合える仕組みのことです。

 

今回は、ピアボーナス導入のメリット・デメリット、押さえておくべきポイントについて解説します。

ピアボーナスとは

ピアボーナスとは、従業員同士でお互いの仕事や行動への感謝や称賛を伝える際に報酬を付与して贈り合う制度です。

 

ピアボーナスとは、「Peer(仲間)」と「Bonus(報酬)」をあわせた言葉で、Googleが社員を評価する仕組みの一つとして導入していることから知られるようになりました。

 

従来、インセンティブは、業績への貢献や目標達成に対して支払われていましたが、仕事を手伝ったり、組織やチーム、従業員個人に対する良い言動に対しても支払われます。

ピアボーナスが注目される背景

ピアボーナスが注目されるようになったのは、なぜでしょうか。

 

その背景を、以下で見てみましょう。

コミュニケーション不足が深刻化している

テレワークなど働き方が多様化したことによって、従業員間のコミュニケーションが非常に不足しています。

 

組織の目標を達成するには、円滑なコミュニケーションを維持する必要がありますが、テレワークなどによって、対面で話す機会が減少しています。

 

対面で話せば問題ないことでも、メールなどで連絡をすると、トラブルが生じてしまうことがあります。

 

それを回避するために、ピアボーナスによるコミュニケーションの活性化が求められるようになっています。

人手不足を解消する

少子高齢化による人手不足という状況が大きな課題となっており、企業は、従業員の離職を防ぐ必要があります。

 

他の従業員から感謝や賞賛されると、モチベーションが上がるだけでなく、自分も他の従業員に感謝や賞賛をしてみようという気持ちになり、組織にいい雰囲気をもたらします。

 

そうなると、組織としての連帯感を感じられ、従業員の離職防止につながります。

ピアボーナスのメリットとは

ここでは、ピアボーナスを導入し活用することで得られるメリットについて解説します。

 

メリットを理解して、自社でピアボーナスを取り入れる際の参考にしてみてください。

コミュニケーションが活性化する

従業員同士で報酬を贈り合うと、その分、コミュニケーションが増えます。

 

従業員の良かった点や良い成果に対して報酬が贈られ、コミュニケーションの内容は人を褒めるというポジティブなものですので、組織内に良い環境を作り上げます。

従業員のモチベーションアップにつながる

ピアボーナスは、成果評価と違って、感謝や職場への所属意識・承認欲求が満たされます。

 

そうなると、自己肯定感が生まれて、モチベーションの向上につながります。

従業員のエンゲージメントが高まる

ピアボーナスは、お互いを褒める仕組みですので、職場の雰囲気を明るくしたり、組織の風土を改善することに役立ちます。

 

お互いを褒めるという文化ができると、会社や仲間へのエンゲージメントが醸成されます。

優秀な人材の離職防止につながる

優秀な人材の離職防止につながることも、メリットです。

 

自分の働きがきちんと評価されていると感じることができると、従業員のエンゲージメントが高まり、企業に対して永続的な帰属意識を深められ、離職率が低下します。

 

したがって、人材不足の解消につながり、企業の存続が見据えられるようになります。

ピアボーナスのデメリットとは

ピアボーナスには、メリットだけでなく、デメリットもあります。

 

どんなデメリットがあるのか、見てみましょう。

コストがかかる

ピアボーナスのツールやシステムを導入すると、コストがかかることが、デメリットです。

 

そのため、自社にとって絶対導入したいツールなのか、費用対効果をよく考えて、導入を進めましょう。

効果を得るまでに時間がかかる

企業が初めてピアボーナスを導入する場合、従業員がツールを活用できるようになるまで、時間がかかるため、効果が得られたと感じられるようになるまでには、それなりの時間がかかります。

 

ピアボーナスのサポートが充実しているツールを選ぶといいでしょう。

ピアボーナスと組織の目標達成に相関性がない

ピアボーナスと組織の目標達成に相関性がないこともデメリットの1つです。

 

従業員が、ポイントを稼ぐことに、本来の業務よりも膨大な時間を費やしてしまうと、組織の目標達成に結びつかない可能性があります。

従業員同士が、ポイントのための関係になってしまう

従業員同士が、ポイントのための関係になってしまうおそれがあります。

 

ポイントを稼ぐために制度を悪用する従業員がいるのも事実です。

 

どうやってポイントを稼ぐかを考え、従業員同士がポイントのために行動を取ることが懸念されます。

ポイントが未使用のままになっている

ポイントが使われないままでいることもあるでしょう。

 

この状態は、企業にとって大きな損失になってしまいます。

 

ポイントが積極的に使用されるようにするために、ルールを定期的に見直して、従業員が積極的にポイントを利用できるようにしましょう。

ピアボーナスで失敗しないためのポイント

ピアボーナスをうまく導入できないと、大きなデメリットを生じることがあります。

 

ピアボーナス制度の導入で失敗しないためのポイントを押さえておきましょう。

手軽に使えるツールを導入する

ピアボーナスのやり取りに時間がかかってしまうと、本業の時間が減り、生産性が低下して、ストレスを感じるようになるでしょう。

 

そのため、業務の隙間時間に、ピアボーナスが手軽に贈れるシステムを導入することが大切です。

 

また、ピアボーナスをギフトなどに換えるのに手間がかかると、ポイントを貯めたままで報酬を受け取らない従業員が出てきて、ピアボーナスが形骸化してしまう可能性があります。

 

ピアボーナスを受け取った従業員が、容易にギフトに換えられるかどうかも検討しましょう。

運用方法を従業員に周知する

ピアボーナスを導入する際には、全従業員に運用方法を周知しましょう。

 

ピアボーナスをうまく活用するために、導入前と導入後に繰り返し周知をするといいでしょう。

 

その際は、導入の目的を説明することも大切です。

 

また、従業員に自由に使わせると、目的に合わない使われ方をする可能性があるため、推奨できる使い方の説明も必要です。

まとめ

今回は、ピアボーナス導入のメリットやデメリット、押さえておくべきポイントについてご紹介しました。

 

ピアボーナスは、従業員のモチベーションアップを実現させ、社内全体の雰囲気を向上させられる魅力的なツールで、離職防止を実現する効果があります。

 

企業によって、導入目的などが異なるため、自社に合った方法で運用することが重要と言えます。

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