自宅の住所で法人登記はできる?メリットとデメリットをご紹介
2024.09.28
会社設立時に行う登記では、本店所在地の記載が必要で、登記する際に使う住所は、事業にとって重要な要素です。
代表一人、または、数名程度で経営されている会社は、会社の本店住所を代表の住所で登記していることが多いです。
確かに、従業員を雇うほどの規模でなく、オフィスが不要であれば、自宅をオフィスにすることは合理的に思えます。
ですが、自宅を登記するのはデメリットが多く、あまりおすすめできません。
今回は、自宅で登記するメリットとデメリットについて解説します。
自宅の住所で登記はできるの?
結論からお伝えしますと、自宅住所で登記ができます。
本店所在地に指定する住所には特別なルールがなく、登記が行われた住所に事業所があるかどうか、法務局が調査することもありません。
ですが、一部の条件に該当すると、自宅住所で登記できない場合があるため、事前に確認しておきましょう。
自宅の住所で登記できないケースとは
自宅住所で登記ができないケースは、2つあります。
以下で挙げてみましょう。
分譲マンションの場合
分譲マンションは、自己所有の物件ですが、法人登記に関しては、一軒家と事情が違います。
分譲マンションには、管理組合が定めた管理規約があり、規約の中で住居専用物件と記載されていることがあります。
この場合、事業用途の利用は認められないため、登記はできません。
ですが、住居専用物件と記載されていない場合は、分譲マンションでも登記が可能な場合もあるため、管理会社やオーナーに確認しましょう。
賃貸物件の場合
賃貸物件で登記ができるかどうかは、オーナーの判断によります。
賃貸物件には賃貸借契約書があり、その契約書の内容に従う必要があります。
賃貸物件でも管理規約が規定されているところもありますが、個別相談により登記が認められる場合もあります。
不特定多数の人が出入りしない業種であれば、認められる可能性もありますが、必ずオーナーに確認をしなければいけません。
オーナーの許可がないのに法人登録すると、追加の費用を求められたり、立ち退きを要求されたりすることがあるので、注意しましょう。
自宅で法人登記するメリット
自宅の住所で法人登記をするのには、メリットとデメリットを踏まえて検討する必要があります。
まずは、自宅で法人登記するメリットについて、見てみましょう。
事務所を借りる費用がいらない
自宅が事務所になるので、賃貸オフィスを借りる経費がかかりません。
賃貸オフィスを借りるとなると、敷金・仲介手数料といった初期費用に、毎月の賃料の負担があるため、まとまった資金が必要になります。
ですが、起業当初の利益がほとんどでていない時期に、高額な資金を用意するのは難しいでしょう。
費用を抑えながら法人登記をする方法の一つとして、自宅を法人の所在地とする手が考えられます。
通勤する必要がない
自宅が会社であれば、毎日の出社が不要になります。
通勤すると、移動時間や交通費がかかります。
ですが、自宅が会社であると、通勤時間を労働時間に充てることができるだけでなく、交通費が不要になり、コスト削減ができます。
自宅で法人登記するデメリット
次に、自宅住所で法人登記をするデメリットをご紹介します。
デメリットには、以下のものが考えられます。
物件の管理規約に抵触する可能性がある
賃貸物件や分譲マンションの場合、物件の管理規約に引っかかる可能性があります。
マンション管理規約に、「居住用として利用する」「事務所用途は不可」という文言が入っていると、自宅で法人登記することはできません。
黙って登記したことがオーナーや管理組合に発覚すると、トラブルになって退去を迫られるかもしれません。
また、居住用と事務所用とでは、消費税の課税・非課税や固定資産なども変わってくるため、変更時には用途変更の申請も必要となります。
住宅ローンの審査や減税制度上で問題が生じる
自宅購入時に住宅ローンを組む場合、住宅ローンで借りた金銭を、事務所の資金融資に充てることはできません。
また、住宅ローン減税が受けられるのは、居住している土地と建物だけであり、事務所として使用している分は減税の対象外となっています。
住宅ローンを組んでいる自宅を事務所として登記すると、居住用から事業用に転用されたとみなされ、契約違反となり、住宅ローン減税が受けられなくなるおそれがあります。
事業によっては許認可が下りない
宅地建物取引業(宅建業)や建設業では事務所要件があり、法人登記が自宅では許認可が下りない可能性があります。
これらの事業は、情報の取扱いに細心の注意が必要だからです。
例えば、宅地建物取引業の事務所の要件では、独立したスペースである点が重視されます。
自宅のスペースを借りる形では独立したスペースとは認定されない可能性が高く、そのような場合は許認可が下りません。
法人の融資審査の際に不利になる可能性がある
自宅を本店住所として登記すると、法人名義で事業資金の融資を受ける際に、審査で不利になってしまう可能性があります。
金融機関が法人を評価する際に、法人と経営者の会計はしっかりと区分されているか」「事業のための資金調達であるか」という点が重要だからです。
会社の住所が自宅であると、本当に事業を拡大する意向があるのか、見通しを懸念されることもあるでしょう。
自宅の住所が公表される
国税庁の法人番号公表サイトでは、会社名および登記先住所などが誰でも閲覧できます。
自宅住所を登記すると、このサイトに公表されるため、面識のない人が突然訪ねてきたり、周りの住人にも迷惑がかかるなど、プライバシーの問題が生じるおそれがあります。
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自宅住所で登記すると、さまざまなリスクが起こります。
一方、事務所などのオフィス契約するには、高額な資金が必要ですので、費用を抑えて開業したい場合は、困難なことも多いでしょう。
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バーチャルオフィスのメリットとは
バーチャルオフィスは、事業を行う上で必要な住所を借りることができるサービスのことです。
賃貸オフィスではないため、敷金や仲介手数料がかからず、入会金を支払って、利用することができます。
多くのバーチャルオフィスは、都心一等地の住所を貸し出しているため、金銭的に事務所を構えられない事業者でも、バーチャルオフィスで一等地住所を借りることによって、ビジネス上優位に立つことができます。
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自宅で法人登記をするのは、さまざまな問題が生じるため、避けたほうがいいでしょう。
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