マイクロ法人と個人事業主の二刀流をする際に、登記先は同じでいい?
2024.10.25
「マイクロ法人と個人事業主の二刀流って聞いたことはあるけど、意味がよくわからない」と思っている方もいるでしょう。
事業の規模が大きくなった個人事業主が、「マイクロ法人と個人事業主の二刀流」をすると、大きな節税効果が期待できます。
二刀流の登記先が同じでも問題なければ、新たに事務所を借りる必要がないため、すぐに二刀流で事業を始めることができます。
今回は、マイクロ法人と個人事業主の二刀流をする場合の登記について解説します。
マイクロ法人とは
マイクロ法人とは、社長が経営をする小規模な法人のことです。
法人は、株主や従業員を増やして事業拡大をしますが、マイクロ法人は、社長ひとりが経営を行うため、事業の拡大を目的にしていない点が異なります。
また、マイクロ法人は売上がなくても、設立できます。
マイクロ法人と個人事業主の違い
マイクロ法人と個人事業主はの違いはどこにあるのでしょうか。
以下で、マイクロ法人と個人事業主の違いを挙げてみましょう。
マイクロ法人 | 個人事業主 | |
設立費用 | 約10万円~25万円 | 0円 |
税金 | 法人税、法人住民税、法人事業税、消費税など | 所得税、個人住民税、個人事業税、消費税 |
経費 | 事業にかかる費用以外にも、自分への給与や退職金を経費計上できる | 事業にかかる費用は原則計上できるが、自分の給与や生命保険料は経費にできない |
信用度 | 高い | 低い |
生命保険 | 全額または2分の1経費 | 所得控除 |
社会保険 | 会社負担あり | 事業者負担なし(5人未満の場合) |
会計・経理 | 法人決算・申告 | 個人の確定申告 |
マイクロ法人と個人事業主は、上記の通り、異なる部分が多いことがわかります。
マイクロ法人と個人事業主の二刀流とは
マイクロ法人と個人事業主の二刀流とは、個人事業主としての事業を行いながら、マイクロ法人を設立して新たな事業を始めることです。
この二刀流のメリットとしては、節税が挙げられます。
例えば、700万円の所得を持っている個人事業主が、新規事業を始めて300万円の所得を得た場合、1000万円の所得がある個人事業主として税金が計算されます。
ですが、マイクロ法人を設立して新規事業を行うと、個人事業主の所得700万円とマイクロ法人の所得300万円の税金が別々に計算されます。
そうすると、大きな節税効果が期待できるので、二刀流を考えている個人事業主は少なくないのです。
マイクロ法人と個人事業主を二刀流するメリット
マイクロ法人と個人事業主を二刀流するメリットについて見てみましょう。
住民税と所得税を節税できる
マイクロ法人と個人事業主を二刀流すると、所得税の負担を軽減することができます。
マイクロ法人の法人税率は、資本金や所得によって変動しますが、変動幅は大きくありません。
800万円を超える所得には、23.2%の法人税率が適用されます。
ですが、個人事業主の所得税は累進課税のため、所得が増えると税率も上がり、900万円の所得に対する税率は33%以上になります。
注意点としては、個人事業主が赤字になった場合、所得税と住民税が免除されますが、マイクロ法人は赤字でも法人住民税の均等割部分を支払わなければいけない点が挙げられます。
社会保険料の負担を減らすことができる
マイクロ法人と個人事業主を二刀流ですると、社会保険料の負担を抑えることができます。
個人事業主は、国民健康保険と国民年金に加入しますが、マイクロ法人を設立すると、会社の健康保険や厚生年金に加入することができます。
役員報酬を年72万円以下にすると、社会保険料の等級が低くなって、社会保険料の負担を軽減できます。
報酬が減ってしまうと、生活が苦しくなってしまうと不安を感じるかもしれません。
ですが、残りの利益は、社宅費や交際費などの経費として使用できるため、生活が苦しくなってしまうことはないでしょう。
法人化によって信頼を得やすくなる
マイクロ法人と個人事業主を二刀流すると、個人事業主として事業を行うよりも社会的な信頼を得やすくなります。
個人事業主は、信用度が低いと見なされるため、トラブル発生時の保証が不十分なことや、安定性の欠如から、大手企業から仕事を得ることは難しいです。
ですが、法人登記をすると、法人名での契約や取引ができるため、大手企業と契約するチャンスもあるでしょう。
経費の範囲が広がる
個人事業主と法人は、経費として計上できる範囲が違います。
法人は、個人事業主と異なり、経営者本人の給与や賞与、退職金、福利厚生費、健康診断費用、社会保険料、生命保険料、出張時の日当、住宅費などを経費として計上できます。
また、家族を従業員として雇用した場合、個人事業主は事前に届け出る必要がありますが、法人は、事前の届け出がなくても経費として計上可能です。
個人事業主は、交際費の全額を経費にできますが、法人は年間800万円まで(資本金1億円以下の中小企業に限る)経費として計上できます。
資金を調達しやすくなる
マイクロ法人は、株式を発行することによって、資金調達をすることができます。
また、法人成りをすると、信頼を獲得しやすくなり、金融機関からの融資が受けやすくなります。
二刀流をする時の登記の住所は同じでいい?
マイクロ法人を設立するには、法人登記をしなければいけません。
登記には、会社の住所を記載する必要があるため、個人事業主の事務所の住所と同じにしていいのか分からない方もいるでしょう。
結論をお伝えしますと、マイクロ法人と個人事業主の二刀流をする際の登記先は、同じ住所を使用できます。
例えば、自宅を個人事業主の事務所として登記している場合、その自宅住所をマイクロ法人の住所として登記できます。
二刀流をする時の登記の住所が同じ場合のデメリット
二刀流をする時の登記の住所が同じ場合、どんなデメリットがあるのでしょうか。
二刀流の登記した住所が、自宅の住所であると、自宅の住所が公開されてしまうデメリットがあります。
自宅住所が公開されると、プライバシーの観点から、さまざまなトラブルやリスクが生じるおそれがあります。
また、登記した住所が、事務所ではなく自宅とわかる場合は、取引先からの信用が得られにくくなります。
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「自宅以外の住所で、マイクロ法人と個人事業主の二刀流をしたい」という方には、バーチャルオフィスがおすすめです。
バーチャルオフィスとは、低コストで事業用の住所をレンタルできるサービスのことです。
レンタルした住所を使って登記することができます。
自宅で仕事をしている個人事業主の方が二刀流でマイクロ法人を設立する場合、マイクロ法人の住所をバーチャルオフィスにして登記すると、自宅バレや信用低下などのリスクを負わずに、自宅で二刀流の仕事をすることができます。
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