コラム

テレワーク時に監視は必要?

2023.03.29

テレワークで仕事をすると、オフィス勤務時のように、部下の仕事ぶりを見ることができないため、上司は勤務状況を把握することが難しくなり、部下が何をしているのか監視したいと思うことがあります。

 

働きぶりを把握するために、監視ツールを導入しても、監視は、重大な損失をもたらす可能性があるため、注意が必要です。

 

今回は、テレワーク時に監視をするメリットや注意しておきたいポイントなどについて解説します。

テレワークを監視・管理する目的とは?

上司は、テレワーク中の部下が何をやっているかわからないと、疑心暗鬼になってしまいがちです。

 

では、テレワーク中の従業員を監視・管理する目的は何なのかについて見ていきましょう。

生産性を保つ

在宅勤務では、オンオフの切り替えが難しいことがあります。

 

また、上司や同僚に相談できない環境では、業務が停滞することもあります。

 

テレワークで生産性を保つポイントは、テレワーク環境の中で、パフォーマンスを低下させる原因をなくすことです。

情報漏洩を防ぐ

自宅などオフィスでない場所で業務をすると、情報漏洩リスクが伴います。

 

デバイスの紛失や置き忘れ、カフェなどでの第三者による画面の覗き見、業務外目的でのデータダウンロードなどです。

 

これらの被害を最小限にとどめるためには、デバイスの操作の記録を残し、不正な操作が行われた場合には、デバイスをロックするといった機能を備えておく必要があります。

テレワークで業務を監視するメリットとは?

従業員や部下の姿が見えないテレワークでは、適度な監視を行うことによるメリットがいくつか存在します。

 

どんなメリットがあるのか見てみましょう。

従業員のさぼりのチェック

テレワークでは、オフィス勤務よりも集中力が低下しやすいため、さぼってしまいやすい環境になりがちです。

 

職場で、上司の目の届くところで仕事をしていた時の緊張感が薄まり、ルーズな勤務態度になりがちです。

 

従業員は、さぼっていなくても、上司にさぼっていると思われるのではないかという不安を持ったり、上司は部下がさぼっているのではないかという疑いの目を持ってしまいがちです。

 

このようなテレワークの課題に対して、適度な監視をすることで、働いている状況を把握できるため、さぼることを防ぐことができますし、それが相手への信頼感につながります。

セキュリティリスクの抑止

オフィス以外の場所で仕事をすると、データの漏洩などのリスクの可能性が高まります。

 

従業員がネットサーフィンをして怪しいサイトを閲覧したり、セキュリティソフトが入っていない私物の端末を利用して、マルウェアに感染したり、機密情報をダウンロードしたり、外部に持ち出したりすることもできてしまいます。

 

そのような状況にすぐ気づくことができるようにするためには、デバイスを監視することは必須といえます。

長時間労働と休日勤務の防止

在宅勤務をすると、仕事とプライベートの切り替えが難しくなります。

 

テレワークでは、業務プロセスが見えないため、従業員の評価が成果主義となり、勤務時間外や休日も休まずに仕事をしてしまうことがでてきます。

 

パソコンのログイン時間を記録したり、操作ログを残すツールを使えば、長時間労働や休日勤務などの状況に気づくことができます。

業務の進捗管理

オフィスでは、上司が部下の仕事の状況を容易に把握できます。

 

そのため、業務計画が立てやすく、トラブルがあった場合もすぐに対応できます。

 

ですが、テレワークでは、進捗管理のためにWeb会議などで報告をしなければいけなくなると、従業員は、Web会議のために、仕事を中断しなければいけなくなり、仕事の効率が下がります。

 

生産性を向上させるためには従業員間の情報共有が必要で、テレワーク監視ツールやタスク管理機能を活用すると、従業員の進捗状況を一目で把握できます。

テレワークで業務を監視するデメリットとは?

以上に見てきたように、テレワーク下で適度な監視をすることによってメリットもありますが、過度に監視することは止めた方がいいでしょう。

 

今度は、監視しすぎによるデメリットについて解説します。

生産性の低下

従業員が監視をされることを気にすると、ミスが増えることがあります。

 

また、上司も部下の仕事の進捗をチェックしなければいけないため、余計な時間が増え、生産性が低下することもあります。

 

テレワークでは、労働時間や勤務態度といったものから従業員を判断する定性評価よりも、業務のアウトプットやプロセスの進捗度合いなどで判断する成果主義が適しています。

 

そのようなことから、オフィス勤務とは違うテレワーク下での評価の枠組みをつくることも重要です。

従業員のストレスの原因になる

テレワーク中は、従業員が働いている姿が見えないという理由で、オフィス勤務よりも過度に監視を強めることは、従業員にとってストレスになります。

 

それは、会社への不信感を募らせる要因となったり、働くモチベーションを低下させる結果となるかもしれません。

 

場合によっては、うつ病など、重大な精神疾患の原因となる可能性も少なくありません。

 

ストレスを感じる過度な監視は、以下のような場合です。

 

・パソコンのカメラをつけた状態で仕事をする

・マウスやキーボードが動いているかどうかのログを細かく残し、さぼっていないかどうかを判断する

・パソコンなどのデバイスに離席時間が表示されるようになっていて、トイレに行きづらい

 

コンプライアンスに抵触する可能性

過度な監視は、従業員のプライバシーを傷つける場合があります。

 

プライバシーの侵害やパワハラと認定されると、企業としてのブランド低下を引き起こす可能性があります。

テレワークで業務を監視する際に押さえておくべきポイントとは?

テレワークをしている時に、適度に監視することにはメリットがありますが、過度な監視はデメリットが多いので、注意しなければいけません。

 

それでは、監視をするときにどのようなポイントを押さえればいいのかについて解説します。

監視の目的を明確にする

テレワーク時に監視をする場合、従業員に監視をする目的を伝えましょう。

 

何のために監視をするのかについて、従業員が理解できていないと、従業員が不快感や疑念を感じてしまい、作業効率やモチベーションの低下につながる恐れがあります。

 

また、部下が上司に、監視をする目的について質問をすることも考えられますので、質問に答えられるようにしておきましょう。

過度な監視をしないようにする

過度な監視は、プライバシー侵害やパワハラの問題に発展する可能性がありますので、監視する従業員に、過剰監視のリスクを事前の研修などでしっかりと伝えておかなければいけません。

従業員に監視をすることのメリットを認識させる

監視することは、上司と部下にとって、メリットがあります。

 

適度な監視をすることで、さぼっているのではないかと不安に思っている従業員から、余計な不安を払拭できます。

 

企業からすると、適度な監視をすることで、長時間労働や休日勤務を課していないといったコンプライアンスの問題を防ぐことができ、従業員のメンタル不調やモチベーション低下、社内情報を外部に流出させるなどのセキュリティリスクの低減につながります。

監視と管理の違いとは?

過度な監視は、上記に見てきたように、重大な弊害を生じる可能性がありますが、上司の立場からすると、部下の状況を把握できないことは望ましくありません。

 

部下の仕事ぶりは、監視ではなく管理によって把握できるようにしましょう。

 

管理とは、業務が予定通り進んでいるかを確認し、業務停滞がある場合、適切に対処できるようにするために、状況を把握しておくことです。

 

それは、目標達成のために、ポジティブな姿勢でするものです。

 

逆に、監視とは、部下がさぼってないか、仕事上の不正行為をしていないかをチェックすることを意味します。

 

部下への不信を払しょくすることが目的となっているので、目標達成のために必要のないことが含まれている場合があります。

まとめ

テレワークの監視におけるメリットやデメリットについて解説しました。

 

テレワーク中の過度な監視は、従業員のストレス増加や生産性の低下などのデメリットがあるので注意しなければいけない点ですが、適度な監視は、長時間労働の防止やセキュリティ上のリスクを減らすことができるなどメリットもあります。

 

監視ツールの導入も含め、自社にあった監視方法を検討してみましょう。

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