在宅勤務で増えている新たなハラスメント「リモハラ」とは?
2023.04.06
新型コロナウイルスの感染拡大や働き方改革を契機に、テレワークを導入する企業が増えました。
ですが、リモハラと呼ばれる、テレワークに起因するハラスメントの被害も増えてきました。
リモハラは、オンライン上という閉鎖的な空間でなされる行為であるため、オフィスで行なわれるパワハラやセクハラよりも、被害が露見しにくいという特徴があります。
また、当事者がコミュニケーションと考える言動が、相手のストレスとなるケースも少なくありますので、企業は、リモハラの予防策を講じておく必要があります。
今回は、リモハラの発生原因と防止対策について解説します。
リモハラとは?
リモハラとはリモートハラスメントの略で、リモートワーク中に起こるハラスメントを指します。
在宅勤務中に起こるハラスメントで、テレワークハラスメント(テレハラ)、オンラインセクハラ・パワハラなどと呼ばれることもあります。
ウェブカメラを通して見える相手のプライベートについて何かを言ったり、業務遂行に必要な範囲を超えた干渉、そして性的な言動といったハラスメント行為などが挙げられます。
このほか、相手の通信インフラへの苦情や過度の監視など、業務時間内外を問わず、精神的に過度の圧迫感を与える行為もリモハラに含まれます。
また、相手がその言動によって不快になり、不利益を被ったり尊厳を傷つけられたと感じれば、リモハラに限らずハラスメントに該当することもあります。
リモハラとされている事例とは?
どんなことがリモハラにあたるのか見てみましょう。
プライベートに言及する
プライベートへの言及も、リモハラで多く見られます。
部屋や家族への言及といった行為です。
例えば、オンライン会議で映り込んだ部下の自宅をもっと見せるよう要求したり、同居人についてしつこく聞いてきたりするなどの言動が該当します。
「〇〇さんの部屋はきれいだね、ドアが映ってないから、ドアを見せて」と言ったり、ミーティング中に「〇〇さんの部屋にスポーツ選手のポスターがある」と言うなど、プライベートへの過度な介入はハラスメントになります。
リモハラにあたるプライベートへの言及は、気の緩みに起因する場合が少なくありませんが、部下のプライベートに関する言動は、セクハラにあたる可能性がありますので、注意する必要があります。
セクハラ的な行為
「リモートワーク中でも、化粧しないといけないよ」「オンライン会議時は、ジャージじゃなくて、きちんとした服装にして」など、化粧の有無や服装について指摘したり、容姿や体形について言及することはセクハラにあたります。
上司や同僚は、普段と違うプライベートな部分をコミュニケーションのきっかけにしようと思って、軽い気持ちで発した言葉でも、相手が不快感や嫌悪感を覚えたら、ハラスメントになります。
パワハラ的な行為
カメラを常にONにすることを求められたり、業務時間外のチャットを強要されるといった上司の監視下に置くような言動は、パワハラにあたります。
顔出しの強制がリモハラにあたるわけではありません。
勤務場所や業務を円滑に進めるために必要な指示は、会社や上司が実施して然るべき正当なものです。
ですが、リモートワークでは、ルールの整備が不十分だったり、共通認識ができていないことが多々あります。
さらに自宅というプライベートな空間で業務をするため、顔出しの強制に心理的な反発を感じるメンバーがいることは理解できます。
組織や上司は反発が生じやすいということを理解して、適切にルールを設定したり、指示を出す必要があります。
オンライン飲み会に誘われる、相手の通信インフラへの苦情や私費での改善を強要される行為もパワハラに該当します。
リモハラの発生原因とは?
ここでは、リモハラの発生原因について、見てみましょう。
職場と自宅の線引きが難しい
リモハラが起こってしまう大きな原因は、リモートワークでは職場と自宅が明確に切り分けられないことにあります。
従業員の部屋の様子が見えるため、プライベート空間が他の従業員に伝わってしまうのです。
そのため、親近感を募らせるためのコミュニケーションのきっかけとして、プライベートについて過度に言及されたり、セクハラ的なリモハラを受けてしまう可能性があります。
在宅勤務によるストレス
在宅勤務に慣れていないと、ストレスが溜まりますが、それが、リモハラの原因となっています。
上司は、部下の姿を見ることができず、部下からの報告がないと、部下の状況がわからず、上司は管理できていないという不安から、必要以上に、部下に業務報告などの確認を求めてしまいがちです。
業務についての確認は必要ですが、部下に、上司から監視されていると思われるような過剰な業務指示や進捗の確認は、部下に不快感を与え、リモハラに該当します。
リモートワークにおけるマネジメントは、オフィスワークとは異なると理解し、部下に求めるコミュニケーションも含めて意識を変えていく必要があります。
在宅勤務のルールがない
企業は、リモートワークにおけるルールを定めないまま、リモートワークの導入に踏み切ったケースが少なくありません。
IT環境や勤怠管理といった整備は、重要事項として対応していますが、働き方やマネジメントのルールはまだまだ整備されていないことが多いです。
そのため、従業員が、業務における判断基準が統一されず困惑してしまい、それが、リモハラを生んでいる原因となっていることもあります。
ルールとして明文化しなければいけないわけではありませんが、ルールがきちんと言語化されていないことで、管理職が当たり前だと思っていることが、ある従業員にとってはハラスメントだと感じるといったすれ違いを生んでいる側面もあります。
リモハラの防止策とは?
リモハラを防止するためには、どのような対策をすればいいのかについて解説します。
仕事以外の話をしない
業務とは関係ない話に過度に言及しないように注意しましょう。
相手のプライベートに触れるなどの言動は、厳禁です。
リモートワークでは、自室など従業員のプライベートが垣間見えることになりますので、気が緩みがちです。
オンライン会議で、過度に従業員のプライベートや業務に関係のない話をしないほうが賢明です。
自分自身や自室などに配慮して、オンライン会議をする
Webカメラに、プライベートな部分が必要以上に映りこまないように注意するだけで、リモハラの大半を防ぐことができます。
以下のことに注意して、自分自身や周囲の背景や画像に気を配りましょう。
・カメラの背景に私生活に関するものを映さないか、バーチャル背景にする
・服装や身だしなみを整える
・発言しない時は、音をミュートにして、なるべく生活音が入らないようにする
・必要ない時はカメラをオフにする
報告・連絡・相談を定期的にする
上司が部下の管理方法がわからないと、パワハラ的なリモハラが起こるケースもあります。
部下がきちんと仕事をしているということが上司が分かれば、上司はこのような不安に駆られることはありませんので、定期的に、報告・連絡・相談をしたりするといいでしょう。
また、チャットやメールが来たら、早く返信するなど、上司に、仕事の進捗状況ができるだけ早く伝わるように工夫してみるのもいいでしょう。
ハラスメントについて理解する
ハラスメントについて理解を深めておくことも重要です。
職場におけるハラスメントは、従業員が能力を発揮する妨げになるばかりでなく、個人の尊厳や人格を不当に傷つけるといった許されない行為だからです。
パワハラやセクハラは、パワハラ防止法とも呼ばれる労働施策総合推進法や男女雇用機会均等法によって、厚生労働省が企業にも防止措置を求めています。
2022年4月からは中小企業にもパワハラ防止措置が義務化されるなど、全従業員がハラスメントについて理解しておく必要があります。
リモートワークのルールを作る
まとめ
リモートワークは、仕事とプライベートの境界性が非常に曖昧で、オンとオフの切り替えが難しくなります。
コミュニケーションも対面ではないため、軽い冗談のつもりで言ったことが、相手からすると、不快感を抱いてしまうなど、意図しないでリモハラが起こることもあります。
そうならないためには、お互いが仕事上の関係であることを意識し、仕事に関係しないことは話さないなど、リモートワークでは、相手の立場に立って考える想像力や、相手を不快にさせないコミュニケーション力が求められます。
コミュニケーションの方法を見直すことも大切と言えるでしょう。
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