時差出勤の効果とは?目的とメリット・デメリットを解説
2023.05.16
時差出勤とは?
時差出勤とは、従業員の出勤時間を、通常の時間とずらして設定する制度のことです。
例えば、9時が始業時間となっているところを、時差出勤では朝7時から出社したり、あるいは、10時に出社したりするなど、パターンをいくつか用意して、従業員に選択させます。
就業時間を元の時間より、前か後ろにスライドするため、残業や遅刻として扱われることはありません。
時差出勤は、出勤時刻が異なるからといって、その分、勤務時間が長くなったり、短くなるのではなく、所定の労働時間は勤務することになります。
時差出勤とフレックスタイム制の違いとは?
時差出勤制度のように時間をずらして勤務する方法として、フレックスタイム制度が思い浮かびますが、時差出勤制度はフレックスタイム制度とは全く異なる制度です。
時差出勤は、出勤・退勤時間を前後に移すだけで、1日の業務時間は変わりません。
ですが、フレックスタイム制度は、始業時間だけでなく、総勤務時間そのものも変更できます。
コアタイムと呼ばれる時間帯にさえ出勤さえすれば、自由に出勤・退勤することができます。
時差出勤のメリットとは?
時差出勤は、従業員に、多様な働き方やワークライフバランスの促進をするなど、さまざまなメリットがあります。
どんなメリットがあるか見てみましょう。
通勤時のストレス解消
通勤時の満員電車による、従業員の疲労を抑えることができます。
通勤時の混雑した電車にいると、車内の混雑による不快感、他の乗客のにおい、イヤホンからの音漏れなど、多くのストレスがあります。
ですが、時差出勤をして、枚員電車の混雑を回避することで、これらのストレスから逃れられ、仕事のパフォーマンスに良い影響を与えることができます。
ワーク・ライフ・バランス向上による優秀な人材の確保
時差出勤によって、自由な働き方が可能になれば、ワーク・ライフ・バランスの向上が期待できます。
若くて優秀な人材は、プライベートやワーク・ライフ・バランスを重視する傾向があるので、優秀な人材の確保や離職防止につながるでしょう。
人材不足の解消
育児や介護によって、仕事の選択肢が少なかった人材でも、時差出勤があると、就業の選択肢が増えて、人材不足を解消することができます。
感染症対策
時差出勤制度を導入すると、満員の通勤電車に乗らなくて済んだり、社内の密な状況を軽減できるため、従業員が、ウイルスに感染するリスクを低減することができます。
残業を減らすことができる
遅い時間に仕事をしなければいけない従業員が、始業時間を早めることで、逆算して業務をこなせられるようになります。
脳が活性化している朝に重要な業務を終わらせて、午後に、他の仕事ができるため、効率的なルーティンを送れます。
時差出勤のデメリットとは?
業務効率の低下
時差出勤制度を導入すると、従業員の出勤時間が違うため、コミュニケーションが取りづらくなります。
また、取引先が連絡をしても、担当者が不在になってしまい、商談などのスケジュール調整が難しくなることがあります。
その場合、業務を可視化し、できるだけ情報を共有しておくことが重要です。
管理者の負担が増える
通常勤務の場合、全従業員が同じ時間に働くので、管理者は、勤務時間に関する負担は多くありません。
ですが、時差出勤では、従業員の勤務時間が違うため、承認作業などの手続きに手間がかかります。
労務管理の煩雑化
多くの時間枠を時差出勤に設定すると、労働者の勤怠管理にかかる工数が増えます。
フレキシブルに対応できる労務管理システムの導入やタイムカード、申請や許可の電子化など、労務管理事務を簡略化する工夫が必要になるでしょう。
帰りにくい雰囲気がある
まとめ
時差出勤とは、始業・終業時間をシフトさせて、従業員の都合に合わせた就労時間を可能にする制度です。
生産性の向上、ワーク・ライフ・バランス向上による優秀な人材の確保、モチベーションの維持など、企業と従業員双方にとってメリットがあります。
ですが、時差出勤を導入するには、デメリットへの対策を立てた上で、そのメリットを十分に享受しましょう。