BCP訓練とは?BCP訓練の進め方とポイントについて解説
2023.05.19
BCP訓練は、事業を継続させるために欠かせない重要です。
地球温暖化や新型コロナウイルスの流行といったさまざまな問題が発生していて、BCP訓練の重要性が高まっています。
BCPを策定しても、それを発動し的確に実行できないと意味がありませんので、BCP訓練をすることが大切です。
ですが、訓練をするにしても、どのようにすればいいのか分からないという企業も少なくないでしょう。
今回は、BCP訓練の進め方とポイントについて解説します。
BCP訓練とは?
BCPとは、Business Continuity Planの頭文字をとったもので、災害や事故、テロといった緊急事態が発生した時に、経営の被害を最小限に抑えながら、業務が中断しないようにしたり、できるだけ早く復旧させたりすることを目的とした事業継続計画を指します。
BCP訓練は、緊急事態時に、適切な対応ができるようにするために、作成した計画書を元に訓練することを意味します。
地震や台風、感染症といった緊急事態は、いつ起こるのか想定できません。
有事でも、業務を継続していくために、企業は、BPCの取り組みをする必要があります。
BCP訓練の目的とは?
BCP訓練はには2つの目的があります。
どのような目的なのか、以下で見てみましょう。
BCPの周知と浸透
災害などの緊急事態が起こった時に、多くの人は、どのようにして自分を守るのかについて意識しているでしょう。
ですが、企業の場合は、どうでしょうか。
経営陣は、緊急事態が起こった時に、事業を中断させないために、瞬時の判断と指示が求められます。
訓練を通して、事業継続の重要性や方針を確認する必要があります。
BCPの実効性の検証
BCP訓練をして、計画通りに行動できるのか、定めた対策が実際に有効なのかを検証しなければいけません。
代替拠点や非常用電源、バックアップシステムといった、通常業務では使用しない災害時に使われる設備や物は、操作に慣れておくことが必要です。
普段から操作に慣れておくと、緊急時に慌てることなく使用できます。
対応力の向上
従業員が、緊急時に役割を果たせることによって、事業は継続可能となります。
BCP訓練をすることによって、緊急時の役割を明確にして、対応力を向上させなければいけません。
これは、全従業員が同じように対応できるように教育・訓練することが大切です。
BCP訓練の種類
BCP訓練には、どのような種類があるのか見てみましょう。
机上訓練
作成したBCPに従って、部署ごとに役割を確認し、緊急事態が発生した時に、計画に沿って行動できるかどうかを検討します。
BCPの内容を従業員同士で共有して、経営陣と従業がすべきことを確認します。
計画に矛盾がないかどうかを検証したり、優先順位が適切かどうかを検討することができます。
電話連絡網と緊急時通報の検証訓練
BCP訓練では、緊急事態が発生した時に、連絡を取れるかどうかについて検証します。
連絡網を使って、従業員に連絡をして検証します。
緊急事態が起こると、連絡をとりにくくなるため、あらかじめ連絡の手段やルールを確認しておくことが大切です。
移動訓練
システムやインフラにオンプレミスを採用している企業は、移動訓練をします。
緊急事態が起こると、使用しているものが使えなくなった時、代替手段が使えるかどうかを確認します。
また、事業所や工場が使えなくなった時に、代替施設を利用するための訓練もできます。
復旧作業をする従業員を代替拠点に行かせて、計画に沿って対応できるかどうか確認します。
バックアップデータの保存と出力訓練
BCP訓練の進め方
計画と準備
BCP訓練の計画を立てて、BCP訓練の種類や想定する災害を定めましょう。
災害の発生事象と状況を具体的に想定することが大切です。
実際に起こり得る状況を再現して、訓練に緊張感を持ちながら実施しましょう。
役割分担
計画を立てたら、役割分担をします。
BCP訓練の対象者を決めて、システムを準備したら、従業員に役割を振り分けて、行動指針を明確にします。
緊急事態発が起こったときに、どうしたたいいか分からなくなったときは、フローチャートが行動基準となるため、フローチャートを作成しておくといいでしょう。
フィードバック
訓練終了後に、上手くいかなかった点を洗い出し、BCP訓練の内容を強化しましょう。
BCP訓練とフィードバックを重ねることで、自社に合ったBCPに近づけていくことができます。
BCP訓練を実施する際のポイントとは?
従業員にBCP訓練の目的を周知する
BCPの検証や参加者のスキルアップなど、訓練には、実施の目的があります。
従業員が、何のために訓練をするのかという目的を理解しないで訓練をすると、参加者の関心が高まらず、気づきを得ることもなくなってしまいます。
説明会をして、目的や検証するテーマを十分に伝えて、どのような訓練をするのかを明確にしましょう。
そうすることによって、BCPの見直しや改善点の見直しをする際に、従業員から主体的な意見が出やすくなります。
被害状況を細かく設定する
BCP訓練では、訓練したい被害状況を細かく設定すると、現実味が増します。
被害状況が明確ですと、問題に対して冷静に対応することができます。
いろいろなシチュエーションでの被害状況を想定して、BCP訓練の意義を高めるといいでしょう。
課題や懸念点を洗い出す
フィードバックが、BCP訓練で重要です。
BCP訓練を実施したら評価をして、課題や懸念点を洗い出し、それらを解消していくための方法を検討します。
また、事業内容が変わった場合、策定したBCPが有効でなくなることがあります。
BCP訓練とフィードバックを定期的に実施して、緊急事態発生時に、効果が出る質の高いBCPにしましょう。
まとめ
自然災害や緊急事態は、いつ発生するか想定できません。
緊急事態に備えたBCPを策定し、定期的にBCP訓練を実施しておくと、緊急事態発生時の混乱を最小限にとどめることができます。
どんな事態が起こっても、重要な事業だけでも継続できるように、BCP訓練の取り組みに力を入れてみるといいでしょう。