サービス残業とは?
2023.06.13
サービス残業とは、残業に対して労働時間分の賃金が支払われていないことを指します。
サービス残業ではなく、賃金不払残業と言われることもあります。
労働基準法違反だけでなく、従業員のモチベーションを下げ、経営活動に影響を与える懸念があるため、企業はサービス残業を強要してはいけません。
労働者が、自ら残業した場合でも企業に責任が問われます。飲食業や建設業などでは、サービス残業が多いと言われています。
今回は、サービス残業の定義や罰則規定、サービス残業の日本における実態や対策などについて解説します。
サービス残業とは?
サービス残業とは、労働者が賃金の支払いを受けずに時間外労働することを意味します。
従業員を労働させてもいい時間は、労働基準法で制限されており、1日8時間、1週間で40時間(一部サービス業では44時間)を超える労働、つまり、残業には、原則として、割増賃金の支払いが義務づけられています。
企業は、労働者の残業時間をカウントして、1時間あたりの賃金や割増賃金として支払われなければいけません。
労働時間を超えて働いた場合は、法定労働時間外労働(残業)として、労働者に賃金が支払われるべきですが、サービス残業ではそうなっていません。
サービス残業の違法性とは?
残業代を正しく支給しなかった場合の罰則は、6カ月以下の懲役又は三十万円以下の罰金です(労働基準法119条1号)。
サービス残業が起こる原因とは?
サービス残業が起こってしまう原因は、いろいろありますが、意図しないでサービス残業が行われていることもあります。
では、サービス残業が起こってしまう原因について見てみましょう。
経営陣や管理職がサービス残業をさせる
残業申請がしにくい
時間外労働をするのは、会社の指揮命令によらなければいけないため、残業時間やその理由などを事前申請するシステムを導入している企業があります。
ですが、サービス残業が横行している職場や、高圧的な上司がいる職場では、従業員が残業申請をしにくく、サービス残業をしてしまっているケースがあります。
割増賃金の対象かどうかが分かっていない
みなし管理職がいる
仕事の多くを自分の裁量で行うことができる管理職は、労働時間管理の対象外とできることが労働基準法で認められています。
管理職には時間外労働をした時間をカウントしたり、割増賃金を支払ったりする必要はありません。
労働者が自主的にサービス残業した場合、罰則はあるのか?
サービス残業は労働者が自主的に行った場合でも違法行為に該当します。
労働者がサービス残業しなければならない状況を作り出したとして、使用者に責任が問われます。
労働基準法第37条違反として6ヵ月以下の懲役か30万円以下の罰金の罰則が科せられる場合があります。
サービス残業をなくすための対策
では、サービス残業をなくすための対策について見てみましょう。
割増賃金のルールを理解する
みなし残業代の導入
勤務時間を把握する
まとめ
サービス残業は、労働者に賃金を払わずに労働させる違法行為です。
労働基準法違反になり、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金に科せられる恐れがあります。
労働者はサービス残業に対して、不払いとなっている残業代を会社に請求することができます。
会社は訴訟を起こされるリスクもあることを認識する必要があります。
サービス残業を減らすには、労働時間管理を徹底することが重要です。
ルールを作って残業を把握し、サービス残業を防ぎましょう。