コラム

業務命令とは?業務命令を出す時のポイントと方法について解説

2023.08.25

会社に入社するということは、会社と従業員が労働契約を結んだということです。

 

会社は業務命令をする権利があり、従業員は業務を遂行する義務があります。

 

ですが、「業務命令って何?」といったように、どのような意味なのかがわからないという方も多いのではないでしょうか。

 

今回は、業務命令を出す時のポイントと方法について解説します。

業務命令とは

業務命令とは、業務遂行を目的に、使用者が労働者に対して発する命令のことです。

 

使用者とは、企業の経営陣や管理職を指しており、業務命令権を有しています。

 

業務命令というのは、労働契約で合意されており、合理性が認められる限りにおいて、従業員は従わなければいけません。

 

業務命令は、就労や残業、出張、配置転換などで行われます。

業務命令と業務指示の違い

業務命令と業務指示の違いは、命令や指示をする人の立場です。

 

業務命令は、社長や部長など、業務命令権を有している使用者だけが発することができます。

 

つまり、部長などの役職に就いていない先輩従業員や同僚など、使用者に該当しない人が出す指示は、業務命令ではなく、業務指示に該当します。

 

業務命令権を有している使用者の指示が、すべて業務命令ではありません。

 

業務命令に該当するものに、残業・配置転換・出向(在籍、転籍)・出張などが挙げられます。

業務命令をする理由

なぜ経営者や管理職は業務命令を出すのでしょうか。

 

以下で、業務命令を出す理由について解説します。

業務を円滑に進めるため

業務命令は、転勤や配置転換のような人事に関係することだけでなく、業務を円滑に進めるために発せられます。

 

管理職が、大プロジェクトを予定通りに遂行するために、部下に業務命令を出して、最適な方法を取ることがあります。

会社の利益につなげるため

会社の利益につなげるために、業務命令を下すことがあります。

 

従業員の能力を最大限に活かして、適材適所で仕事を任せる必要があるからです。

 

例えば、想像力が豊かな従業員に事務の仕事をさせても、会社の利益にならず、非効率的です。

 

このようなケースで、会社が利益を得るには、商品開発の仕事への転換を命令することが効果的であると言えます。

従業員の成長のため

会社の利益を追求するだけでなく、従業員を成長させるために、業務命令を下すことがあります。

 

通常業務を続けても、スキルを身につけられますが、他の部署への異動によって、パフォーマンスを高められる可能性があります。

 

例えば、海外でのビジネス経験が挙げられます。

 

将来的な会社の利益につなげるために、業務命令を出して、従業員の育成をすることがあります。

業務命令を適切に出すポイントとは

業務命令を出す時に、どんな点に注意すればいいのでしょうか。

 

押さえるべきポイントについて解説します。

 

担当者は、従業員との間で認識齟齬が出ないようにするために、以下の点を押さえておきましょう。

業務の目的を伝える

業務命令を出す時には、業務の目的を明確に伝えましょう。

 

業務内容や納期だけを伝えると、仕事を完了させるだけの形式的な仕事になってしまいます。

 

業務の目的を伝えると、目標に向かって課題を考えながら主体的に業務を進めることができます。

 

そうすることで、業務へのモチベーションや生産性が向上するでしょう。

優先順位と期限を決める

業務の優先順位と期限を明確に伝えましょう。

 

複数の業務を並行して行わなければいけない場合や、追加で指示を出す場合は、「どの業務が優先順位が高いのか」「期限はいつまでなのか」を伝えないと、業務が計画通りに遂行されません。

 

どの優先順位でいつまでに業務を完結させるのかといった、優先順位や納期をきちんと伝えて、共有することが重要です。

定期的な報告をさせる

上司が部下に業務命令を出しますが、部下の返答がないと、「部下が業務内容を理解しているのか」「仕事が完結したのか」が分かりません。

 

そこで、報告を義務化すると、部下の進捗が把握でき、マネジメントがしやすくなります。

 

従業員に、1週間、1ヶ月といったスパンで、テキスト、数値や画像データを使った報告を義務づけるといいでしょう。

業務命令を出す方法

業務命令を出す方法について、以下で見てみましょう。

口頭で伝える

口頭で業務命令をすると、従業員と直接顔を合わせられるので、認識のズレが出にくくなります。

 

ですが、やり取りの履歴が残らないため、管理職と従業員は命令内容を忘れないようにする必要があります。

 

口頭での業務命令をするには、パソコンやメモを使ってチェックし、内容をしっかりと把握するようにしましょう。

書面で通達する

書面で通達することによって、業務命令を出すこともあります。

 

数値目標を含む業務については、書面での通達が適切です。

オンラインツールを使う

テレワーク中は、従業員と直接会えないため、オンライン会議ツールを使って命令を下すこともできます。

 

チャットツールを使って、業務命令内容をメッセージとPDFファイルで送る方法もあります。

まとめ

今回は、業務命令を出す時のポイントと方法について解説しました。

 

業務命令を下す際には、業務目的を明確にして、過不足なく情報共有をする必要があります。

 

口頭での業務命令のように、アナログなやり方では命令の抜け漏れが出るおそれがあります。

 

そのため、オンラインツールを用いて、認識齟齬が生じない環境を整備したほうがいいでしょう。

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