自宅をオフィスにするメリットとデメリットについて解説
2023.09.23
起業する際に、オフィスを借りるのか、自宅兼オフィスにするのか悩まれる方が少なくないようです。
オフィスを借りるための初期費用や賃料は高額なため、事業が軌道に乗っていない設立当初には、オフィス費用の負担は、非常に大きいです。
そのため、コスト削減のために、自宅をオフィスとして利用する方もいるでしょう。
ですが、自宅兼オフィスは、事業で不利になることがあるため、十分検討したほうがいいでしょう。
今回は、自宅をオフィスにする時のメリットやデメリット、自宅以外に安くオフィスを借りる方法について解説します。
自宅兼オフィスに向いている業種
少人数で事務所がいらないビジネス形態の場合、自宅をオフィスとして使って開業することができます。
以下の要件に該当するビジネス形態になります。
・自宅で仕事ができる
・店舗がない
・商品や在庫をかかえる必要がない
・取引先に商談に行くことが多い
例えば、プログラマー・ライター・イラストレーターなどは、パソコンとインターネットがあれば、自宅で仕事ができます。
ヨガ教室やピアノ教室など、自分のスキルを他の人に教える習い事の業種も向いています。
オンラインでレクチャーできるタイプの習い事なら、自宅で開業しやすいでしょう。
個人経営のネイルサロンやマッサージなども自宅で開業しやすい業種で、資格を生かして仕事をしたい人には、自分にあった仕事環境が作れるため、自宅兼オフィスで仕事ができます。
自宅をオフィスにするメリット
起業する際には、快適な仕事環境や家賃などの固定費を考慮しなければいけないため、オフィス選びは、非常に重要なポイントです。
ご自身の職業や業務内容が自宅兼オフィスにあっているか検討してみるといいでしょう。
では、自宅をオフィスにして事業をするメリットについて解説します。
初期費用を抑えられる
自宅をオフィスにすると、月々の家賃、入居時にかかる初期費用(礼金・保証金・敷金・内装費・家具・引っ越し代など)、交通費をカットできます。
保証金は、家賃の6~12ヶ月分が相場になりますので、かなり高額です。
ですが、自宅をオフィスとして利用すると、それらの費用がかからず、事業への資金に回すこともできます。
また、家賃などの条件を満たすオフィスを探して、内見したり契約手続きをするのは、時間と手間がかかります。
ですが、自宅兼オフィスであれば、オフィス探しのための時間と手間が省けます。
通勤時間がかからない
自宅兼オフィスを利用すると、通勤時間を他の時間に割くことができます。
スキルアップのための勉強の時間、家族との時間、趣味の時間などのプライベートの時間を増やせます。
満員電車での通勤がなくなると、ストレスがなくなり、開放感を感じることができるでしょう。
家賃や光熱費を経費として落とせる
自宅をオフィスとして利用することで、家賃や光熱費などの一部を経費として計上することができます。
オフィスとして利用している部屋の面積を基準に、家賃や光熱費などを事業運営のための経費にできるため、節税することができます。
すぐに起業できる
自宅兼オフィスにすると、スピーディに起業できます。
賃貸オフィスを借りると、物件探し、内覧、契約、入居審査に、早くても数週間はかかります。
オフィス家具の購入や電話回線・インターネット回線の開通手続きなどもしなければならず、その間は業務をすることは、なかなかできないでしょう。
自宅兼オフィスで仕事をすると、そのような時間や手間を省くことができ、事業に専念できます。
自宅をオフィスにするデメリット
自宅兼オフィスにすると、以下のようなデメリットがあります。
デメリットをよく考えた上で、自宅開業するほうがいいでしょう。
会社や事業の信用力が下がる
自宅兼オフィスは、会社や事業の信用力が下がってしまいます。
オフィスを借りるには、審査を通過し、初期費用などの資金が必要です。
オフィスを構えていると、審査に通過できる信用力と資金力があるとみなされるのです。
都心の一等地にオフィスがあれば、潤沢な資金があり信頼できる会社だと思われるでしょう。
ですが、会社があるのか分からないような住宅地の一軒家が会社の所在地だと知ったら、困惑する人は多いです。
そのため、自宅兼オフィスにしていると、顧客から信用面でマイナスの印象を持たれてしまい、取引を見送られるリスクがあります。
プライバシーや安全性の確保ができない
自宅兼オフィスにすると、不特定多数の人に自宅住所を知られてしまうリスクがあります。
事業と関係のないDMが届いたり、営業が来ることもあるでしょう。
女性は、ストーカー被害などを受けてしまうおそれがありますし、家族と同居をしている場合、プライバシーや安全面での不安が生じることを念頭に置かなければいけないでしょう。
仕事とプライベートの切り替えができない
自宅兼オフィスであると、仕事とプライベートの区別がつかなくなりがちです。
テレビやペット、趣味のものなど、仕事と関係ない誘惑が多いので、自己管理ができないと、仕事を効率よく進めることができなくなります。
逆に、仕事場がプライベート空間の中にあると、夜中まで仕事をしてしまい、体調を崩したり生活習慣が乱れてしまいがちです。
自宅兼オフィスでは、仕事とプライベートの切り替え方法を工夫する必要があるでしょう。
法人登記ができない
マンションなどの賃貸住宅の場合、賃貸借契約書の内容によっては、登記できないことがあります。
そのため、登記ができるかどうかをオーナーに確認しなければいけません。
物件登記時の使用目的が、居宅になっていて、事務所を登録していないのであれば、登記項目を変更しなければいけないからです。
ポストや表札に会社のプレートを設置するかもしれませんので、自宅兼オフィスで起業する場合、法人登記可能な物件なのかをあらかじめ確認したほうがいいでしょう。
看板を設置できないことがある
マンションのような集合住宅では、事務所利用ができる物件であっても、会社の看板を設置することができない場合があります。
自宅以外で安くオフィスを借りる方法とは
オフィスを借りるとなると、家賃や初期費用のために、まとまったお金を用意する必要があります。
ですが、その費用が気になって自宅兼オフィスにしようと考えているのであれば、自宅兼オフィス以外に選択肢があります。
シェアオフィス、レンタルオフィス、バーチャルオフィスといったオフィスであれば、リーズナブルな料金で借りることができます。
作業場を確保したいのか、オフィスの住所だけ借りれればいいのかなど、ご自身の希望に合わせて選びましょう。
作業場が必要ないなら、バーチャルオフィスがおすすめ
作業場や個室が必要なく、自宅住所を非公開にしたいのであれば、バーチャルオフィスがおすすめです。
バーチャルオフィスは、シェアオフィスやレンタルオフィスと違って、オフィスの住所をレンタルするサービスのため、コストをかけずに起業できます。
起業当初は、何かと出費が重なるものですが、オフィス代を抑えるために、バーチャルオフィスを利用すると、支出の負担が大幅に減らせるメリットがあります。
まとめ
自宅兼オフィスは、オフィスを借りるよりも費用が安く、起業までの時間が短縮されるため、さまざまなメリットがあります。
通勤時間がかからない、プライベートの時間が取りやすいといったメリットもあります。
ですが、事業の信用力が下がったり、プライバシーや安全性の確保が難しくなるというデメリットもあります。
そのため、自宅兼オフィスは費用が安いという理由で、自宅兼オフィスにするのはやめた方がいいでしょう。
近年、バーチャルオフィスなどのオフィスの選択肢が増えているので、メリットとデメリットを考慮した上で、自宅兼オフィスにするのかどうかを検討するといいでしょう。
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