行政書士は、開業時にバーチャルオフィスを利用できるのか?
2023.10.14
バーチャルオフィスは、一等地住所を利用した集客やコストの削減ができるため、多くの方に利用されています。
ですが、職種によって、バーチャルオフィスを事務所として利用することができません。
「行政書士は、開業時にバーチャルオフィスの住所を登録できる?」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
今回は、行政書士が開業時にバーチャルオフィスを利用できるのか、また、その要件について解説します。
バーチャルオフィスとは
バーチャルオフィスとは、実際にオフィスを借りずに、オフィスの住所をレンタルできるサービスのことです。
住所貸しサービス以外にも、郵便物の転送や法人登記などのサービスも提供しているバーチャルオフィスもあります。
バーチャルオフィスの利用者は、自宅やカフェなど、好きな場所で仕事をします。
また、バーチャルオフィスの初期費用や月額費用は安いため、コストを抑えてオフィスを構えることができます。
行政書士は、開業時に、バーチャルオフィスの住所を登録できるのか?
結論から言いますと、行政書士は、開業時に、バーチャルオフィスの住所を登録に利用できません。
バーチャルオフィスは、物理的なオフィススペースがないため、行政書士法の要件を満たさないからです。
もし行政書士がバーチャルオフィスの住所を登録した場合、依頼者が相談に来ることができず、行政書士は対応ができなくなってしまいます。
そのため、行政書士は、依頼者を応接できる事務所を用意する必要があります。
行政書士が事務所を登録する条件とは?
行政書士として開業するには、行政書士会に事務所の住所を登録する必要があります。
行政書士事務所への登録要件として必要な条件がありますので、以下で解説します。
事務所の使用権限が適切である
行政書士が事務所として登録する場所は、使用権限が適切でなければなりません。
事務所になる自宅やマンションが本人名義であれば問題はありませんが、本人名義ではない場合、事務所として使用することに対する名義人の承諾が必要です。
居住以外の目的で利用が禁止されているマンションも多いため、事前に家主や管理会社に承諾を得なければいけません。
また、一軒家でも名義人が違う場合は、事務所に登録する際に名義人の承諾が必要です。
秘密が保持できる環境である
行政書士の仕事には、守秘義務があるため、事務所は守秘義務が守れる環境でなければいけません。
そのため、事務所が施錠できる個室であることや、事務所に不特定多数の人が出入りできない環境であることなどが求められます。
バーチャルオフィスは、住所を貸すサービスであって、独立した仕事場を用意していないため、行政書士が守秘義務を守れる環境にありません。
また、自宅を事務所にする場合でも、家族が利用する居住部分は事務所として認められておりません。
事務所の設備が整っている
行政書士が事務所を登録するための条件として、事務所の整備が整っている必要があります。
行政書士の事務所に必要な設備を以下に挙げます。
・机と椅子
・インターネット回線
・パソコン
・コピー機
・書類保管庫
・金庫
・電話
・応接セット
・玄関
申請時に、すべての設備を整える必要はありませんが、業務に必要な設備は用意しておきましょう。
会議室があるバーチャルオフィスもありますが、会議室が共有のため、面談する場所がないと判断されることがあります。
また、バーチャルオフィスには、書類や個人情報などを適切に保管する場所がないことも、問題です。
そのため、行政書士が事務所として登録できる場所は、自宅や賃貸オフィス、レンタルオフィス、コワーキングスペースなどですが、バーチャルオフィスは、事務所として登録することができません。
行政書士が、開業時にバーチャルオフィスを利用することが難しい理由とは?
行政書士が、事務所の住所を登録する際に、住所と一緒に、玄関や応接セットが揃っている室内の写真を添付しなければいけません。
バーチャルオフィスを利用しても、オフィスの写真を撮影できないため、バーチャルオフィスは、行政書士の開業時の利用が難しいです。
許認可申請の住所としてバーチャルオフィスを利用することはできる
バーチャルオフィスは、事務所の設備が整っているという条件を満たさないため、行政書士は、開業時にバーチャルオフィスを登録することができません。
ですが、事務所として利用する物理的なスペースがあれば、許認可申請の住所としての利用は可能です。
例えば、自宅を事務所の物理的スペースとして活用して、許認可申請にバーチャルオフィスの住所を使用することができます。
行政書士がバーチャルオフィスを利用するメリット
行政書士が、バーチャルオフィスを利用するメリットについて解説します。
プライバシーを守ることができる
行政書士は、顧客の個人情報や機密情報を扱います。
行政書士として開業した当初は、大きな事務所を借りることは難しく、自宅住所を事務所の住所にしている方が多くいます。
ですが、Webサイトや名刺に自宅住所を記載すると、個人情報が漏洩してトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
バーチャルオフィスを利用すると、Webサイトや名刺にバーチャルオフィスの住所を記載できるため、自宅住所が漏洩しないで、プライバシーを守ることができます。
都心一等地の住所で社会的信用を得ることができる
行政書士がバーチャルオフィスを利用すると、都心一等地の住所を事務所にできるため、社会的信用を得ることができます。
事務所の住所は、ビジネスの信用度やイメージに関係します。
そのため、都心一等地の住所を使って、事業を有利に進めるといいでしょう。
まとめ
行政書士は、開業時に、バーチャルオフィスを事務所として登録できませんが、許認可申請の住所として利用できます。
また、開業後にバーチャルオフィスと契約して、名刺やWebページに、バーチャルオフィスの住所を記載することも可能です。
許認可申請の住所として、また、開業後の実用的な住所として、プライバシーの確保と社会的信用のために、バーチャルオフィスを検討してみてはいかがでしょうか。
バーチャルオフィスの検討にあたって何かお困りのことがございましたら、バーチャルオフィスブルームにお気軽にお問い合わせください。