公認会計士と税理士はバーチャルオフィスで開業できる?
2023.10.27
バーチャルオフィスを利用すると、コスト削減ができるため、バーチャルオフィスを利用する士業が増えています。
国家資格を必要とする士業には、開業の要件が定められている職業があります。
例えば、事務所として物理的なスペースを有していることが挙げられます。
公認会計士と税理士は、税理士法や公認会計士法によって、事務所の設置義務が定められていますが、バーチャルオフィスで開業することはできるのでしょうか。
今回は、公認会計士と税理士がバーチャルオフィスで開業できるかどうかについて、解説します。
バーチャルオフィスとは
バーチャルオフィスとは、実在するオフィススペースを貸すのではなく、オフィスの住所を貸すサービスのことです。
そのため、仕事用のスペースは、自宅やカフェなど、自分で用意する必要があります。
公認会計士はバーチャルオフィスで開業できるか
公認会計士は、バーチャルオフィスを利用して開業をすることができます。
公認会計士は、事務所を構えたり設備を整えたりすることが必須ではないからです。
そのため、パソコンや会計ソフトがあれば、自宅で開業することができます。
公認会計士が開業をするためには、以下の要件を満たしている必要があります。
・公認会計士試験に合格した者(免除された者を含む)であること
・実務経験(業務補助等)の期間が2年以上あること
・事務所の所在地を管轄する会計士会への登録をしていること
税理士はバーチャルオフィスで開業できるか
税理士は、バーチャルオフィスで開業することはできません。
税理士登録をする際に、賃貸借契約書を提出したり、事務所の室内写真を添付しなければいけないからです。
税理士法に、「税理士事務所は、事務所の室内及び事務所に備える書類等の保管状態が、税務に関する業務の適正かつ確実な遂行に支障がないことを明らかにするため、事務所の室内の写真及び当該写真の撮影年月日を記載した書面を添付して、税務署長の登録を受けなければならない。」と定められています。
したがって、税理士事務所として開業するためには、物理的な事務所があって、税務に関する業務をするためのスペースがなければいけません。
バーチャルオフィスは、オフィスの住所を貸し出していますが、物理的な事務所を貸していません。
そのため、バーチャルオフィスだけで税理士事務所を開業することはできないのです。
税理士がバーチャルオフィスを利用できる条件とは
自宅を事務所として、バーチャルオフィスの住所を公開する住所にすると、税理士事務所として開業できます。
そうすると、コストダウンをして、都心一等地の住所が利用できます。
バーチャルオフィスで開業できる士業とは
バーチャルオフィスで開業できる士業は、営業許可の申請にオフィスの要件を定めていない社会保険労務士などです。
司法書士や弁護士などは、物理的なスペース(実体のある事務所)が必要ですので、バーチャルオフィスだけで営業できません。
また、税理士や弁護士が開業するには、賃貸借契約書を提出しなければいけませんが、バーチャルオフィスでは賃貸借契約書の発行はできません。
バーチャルオフィスと物理的なスペースが開業に必要な士業
バーチャルオフィスと業務可能なスペースを有していることが必要な士業があります。
税理士や行政書士などは、営業許可を申請する際に、賃貸借契約書を提出して、業務可能なスペースを有していることを証明しなければいけません。
自宅を事務所として使っていたり、事務所用の賃貸物件を借りているのであれば、バーチャルオフィスの住所を使って開業できます。
バーチャルオフィスの住所を使って自宅を事務所とすると、一番コストを抑えることができます。
そうすれば、自宅住所を公開しないで、低コストで営業できます。
公認会計士や税理士などの士業がバーチャルオフィスを利用するメリット
会計士や税理士などの士業がバーチャルオフィスを使うと、どんなメリットがあるのでしょうか。
以下で見てみましょう。
事務所開設時の初期費用やランニングコストを抑えれる
バーチャルオフィスを利用すると、オフィスを借りる必要がないため、初期費用やランニングコストを大幅に抑えれます。
都心で事務所を借りると、少なくとも月額10万円以上の固定費がかかります。
ですが、バーチャルオフィスを利用すると、月額300円~30000円で利用できます。
注意点としては、税理士が開業する場合、事務所として物理的なスペースが必要なため、バーチャルオフィスだけでは営業できません。
バーチャルオフィスを利用して開業するなら、自宅などを事務所として登録しましょう。
事務所開設時の初期費用やランニングコストを抑えるために、バーチャルオフィスをうまく活用しましょう。
プライバシーを守れる
バーチャルオフィスを利用すると、自宅住所を公開する必要がないため、プライバシーの問題を防ぐことができます。
安心して業務を遂行できると、顧客や取引先と信頼関係を築くことができるため、士業にとって、大きなメリットと言えるでしょう。
士業は、顧客の個人情報を扱うため、プライバシーの保護が重要だからです。
都心一等地の住所で、ブランド力が上がる
都心一等地のバーチャルオフィスの住所を使うと、ブランド力が向上します。
住所は、社会的信用に大きな影響を与えます。
例えば、知名度のない地方に事務所があるのと、東京都新宿区西新宿のビジネス一等地に事務所があるのでは、顧客からの印象が全然違います。
都心のバーチャルオフィスを利用して、コストを抑えながらビジネス一等地に事務所を構えると、ビジネスのブランド力を高めて、顧客からの信用を得られやすいでしょう。
郵便物を転送してくれる
郵便物を転送するサービスを提供しているバーチャルオフィスがあります。
届いた郵便物をバーチャルオフィスまで取りに行く必要がなく、自宅に郵便物を転送してもらえるので、非常に便利なサービスです。
まとめ
公認会計士のような士業の方も、バーチャルオフィスを利用して開業できます。
ですが、税理士は、バーチャルオフィスと自宅などのオフィススペースが必要なため、バーチャルオフィスだけでは開業できないため、注意しましょう。
士業の方がバーチャルオフィスを利用する場合、事前に、許認可の管轄窓口に問い合わせて、バーチャルオフィスの利用が法的に問題ないかを確認したほうがいいでしょう。
バーチャルオフィスを利用すると、プライバシーの保護、コストカット、ブランド力アップなどのさまざまなメリットがあります。
バーチャルオフィスの検討にあたって何かお困りのことがございましたら、バーチャルオフィスブルームにお気軽にお問い合わせください。