コラム

法人口座と個人口座の違いや、口座開設方法などについて解説

2024.01.13

銀行口座には法人口座と個人口座があります。

 

会社を設立して事業を展開する時に、取引や融資を受けるために法人口座を開設します。

 

法人の取引では、代金が指定口座に振り込まれますが、法人口座ではなく、個人口座を使っても問題ありません。

 

ですが、法人口座があると、事業をする際にさまざまなメリットがあるのです。

 

今回は、法人口座と個人口座の違いや、口座開設方法などについて解説します。

法人口座とは

法人口座とは、名義人が会社名の口座のことです。

 

法人口座を開設すると、会社の財産と代表者の財産を明確に区別することができます。

 

法人口座の会社名の後ろに、「株式会社〇〇 代表取締役△△△」と代表者の名前が入っていることがあります。

 

これは、登記された代表者の名前がついているため、そのようになっていますが、個人口座ではありません。

 

会社名の後に、代表者名がついている法人口座は、代表者が代わると、代表者名だけを変更する必要があります。

法人口座と一般口座の違い

口座は、法人名の法人口座と個人名の一般口座があります。

 

多くの個人事業主は、自分の名前のついた口座を使っています。

 

個人事業主の屋号口座は、法人口座と混同されやすいです。

 

屋号口座とは、「〇〇商店 △△△△」といったように、屋号の後に個人名がついている口座のことです。

 

また、屋号口座は、個人口座になります。

 

個人事業主がもつ屋号口座は、開業届を税務署に提出して、屋号を個人口座の名義につけたもので、個人事業主が法人成りして登記した場合に開設することができる法人口座とは違います。

法人口座のメリット

会社設立時に、法人口座を開設すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 

以下で、メリットについて見てみましょう。

社会的信用を得やすい

個人の口座を使って、業務を行うと、会社の財産とプライベートの財産を混同しているのではないかと疑われる可能性があります。

 

ですが、法人口座があると、財産を分けて適切に管理していることを示すことができます。

 

また、法人口座の開設審査に通ると、法人としての実態があって信用できる会社ということになります。

会社の財産と個人の財産を分けて管理できる

法人口座と個人口座をそれぞれ別で持つと、会社の財産と個人の財産を分けて管理できます。

 

そうすると、社会的な信用を得やすいだけでなく、資金繰りや収支の把握にも役立ちます。

融資を受けやすい

法人口座を開設するかどうかは、強制されていないため、必要であれば開設すればいいだけです。

 

ですが、金融機関から融資を受ける場合、法人口座がないと、融資を受けれないでしょう。

 

というのも、融資を受ける場合、借入金の振込先として法人口座を指定しなければいけないことがあるからです。

 

個人口座だと認められないケースがあるため、注意しましょう。

 

また、法人口座を開設できたことは、銀行の審査に通った信頼できる企業であることを意味するため、融資の審査を受ける際に、プラスになるでしょう。

クレジットカードを作りやすい

法人のクレジットカードは、銀行口座の名義が法人でない場合、代表者の保証を求められることがあります。

 

法人口座を持っていると、金融機関の審査を通った会社だと認識されるため、クレジットカードの取引がしやすくなります。

法人口座の開設方法

ここでは、法人口座の開設方法について解説します。

 

法人口座の開設には審査があります。

 

個人が一般口座を開設するよりも多くの書類が必要になり、審査に通らず開設できないこともあります。

必要書類

必要書類としては、以下のものがあります。

 

・会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)

・会社の定款

・会社印(口座の届出印)

・代表者の印鑑証明書

・代表者の実印

・代表者の身分証明書

 

上記以外として、会社の運営実態がわかる資料など、金融機関により必要書類が異なることがあるため、確認しておきましょう。

 

代表者が来店しない場合、委任状が必要な場合もあります。

審査について

必要書類が揃っていても、審査に通るわけではありません。

 

振り込め詐欺などの犯罪に利用されることを防ぐために、法人口座の審査は、厳格に行われます。

 

ですが、金融機関は審査基準を明らかにしておらず、金融機関によって、チェック項目が違うことがあります。

 

そのため、〇〇銀行では口座が開設されなかったけど、△△銀行では口座開設ができたというケースもあります。

法人口座開設時の注意点

法人口座は、審査に通らず口座を作れないことがあります。

 

審査に通過するためには、どんな点に注意すればいいのか、以下で解説します。

事業目的を明確にする

事業目的は、法人口座開設の審査で非常に重要です。

 

定款に記載された事業目的が不明確だったり、事業内容が幅広すぎると不信感を持たれやすくなり、審査に落ちてしまうことがあります。

 

定款の事業目的や事業内容だけでは不十分な場合、事業計画書や会社の資料などを用意して、明確な事業目的の上で、正当な事業を展開していることをアピールするといいでしょう。

十分な資本金にする

会社法によって、会社は、資本金が1円で会社を設立することができます。

 

ですが、法人口座を開設する際に資本金が1円だったり、少額であると、信用力が落ちてしまい、ペーパーカンパニーと疑われて、審査通過が難しくなります。

 

法人口座を開設するにあたっての資本金の目安は、100万円程度と言われています。

 

ですが、金融機関によって、資本金の最低額が定められていることがあるため、開設前に資本金の最低額も必ず確認しましょう。

まとめ

法人口座は、個人口座と比べて、開設のハードルが高いですが、その分信用を得ることができます。

 

法人口座を持たない会社が増えていますが、大手企業は、取り引きにあたって、法人口座を必須とすることがあるため、会社の業種や規模などを考えて、法人口座を持つべきかどうかを判断しましょう。

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