コラム

副業収入や、雑所得と事業所得の違いなどについて解説

2024.01.14

副業をされている方の中には、確定申告の時に、副業の収入を事業所得で申告するか雑所得で申告するか、迷ったことがある方もいるのではないでしょうか。

 

300万円以下の副業収入は、令和4年1月に遡って適用され、事業所得ではなく雑所得であると所得税基本通達に明記されました。

 

それ以前は、副業で年間収入が300万円を超えなくても、事業所得として見なされていましたが、今後は300万円を超えない場合は雑所得として見なされ、青色申告ができず白色申告をする必要があるのです。

 

今回は、副業収入や、雑所得と事業所得の違いなどについて解説します。

 

雑所得と事業所得の違い

初めに、雑所得と事業所得の違いについて解説します。

 

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、および、一時所得のいずれにも当たらない所得のことです。

 

例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が挙げられます。

 

[参照:国税庁HP]

 

所得税の計算上、所得を10種類の区分に分けて所得税の計算をしますが、雑所得は、どの区分にも当てはまらない取得です。

 

雑所得は、赤字になった場合、他の所得と通算できない、青色申告特別控除の適用がないという特徴があります。

 

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生じる所得のことです。

 

[参照:国税庁HP]

 

事業所得は赤字の場合、他の所得と通算できたり、青色申告特別控除の適用があることがメリットです。

 

そのため、事業所得は、税計算において、雑所得よりも優遇されています。

事業所得にするための重要なポイント

税法上、雑所得と事業所得は、明確に区別されていませんが、事業所得として申告するためには、以下のポイントをおさえることが重要になるでしょう。

 

・記帳や帳簿書類を保存している

記帳や帳簿書類の保存がない場合、通達の改正案では、雑所得として区分されます。

 

・事業にかかる収入金額が少なくない

収入金額が少ないかどうかの判定は、所得の収入金額が3年程度の期間、300万円以下で主たる収入に対する割合が10%未満に該当するケースが想定されるとされています。

 

・所得を得る活動に営利性がある

赤字の状態が続いているのに、黒字にするための改善策を実施していないケースが考えられます。

 

年間収益300万以下の副業事業者は、雑所得で確定申告する必要がある

雑所得の収益が20万円を超えたら、確定申告をする必要があります。

 

雑所得を確定申告する時の注意点について見てみましょう。

青色申告ができない

収益が300万円以下の雑所得は、青色申告ができないため、白色申告をする必要があります。

 

青色申告は、青色申告の承認を受けていれば、10万円~65万円控除の優遇措置を受けることができますが、白色申告では、税制上の優遇措置はありません。

 

そのため、会社員が、副業をすると増税になります。

給与を経費にできない

副業をしている方の中には、家族などに仕事を手伝ってもらって、給与を支払っている方もいるでしょう。

 

ですが、雑所得は、給与を経費として計上できません。

 

青色申告では経費になりますが、雑所得の白色申告は、申請が下りないため、注意した方がいいでしょう。

損益通算ができない

事業所得で赤字になったら、本業の所得と合算することができます。

 

つまり、副業で赤字になったら、本業の収入から赤字を引いた金額で所得税を支払うことができます。

 

例えば、本業で年間500万円の収入があったとしましょう。

 

副業で100万円の赤字を出した場合、500万円分の所得税の支払いから赤字分を差し引いて、400万円の所得税の支払いで済むため、節税ができます。

 

また、この赤字は青色申告の場合、3年間繰り越せますが、雑所得になり白色申告になると、繰り越し制度が適用されません。

売上が1000万円以上あると、雑所得でも消費税がかかる

雑所得による収入でも、売り上げが多すぎる場合は、注意したほうがいいでしょう。

 

というのも、売り上げが1,000万円を超える雑所得の保有者は、消費税の納税義務が出るからです。

 

1,000万円は、全副業の売り上げを合算した数値のことです。

 

株やアフィリエイトなど高額収入を得る副業を複数件されている方は、総売り上げを確認して、納税義務があるのかを確認しましょう。

雑所得20万円以下でも、住民税の申告をしなければいけない

雑所得が20万円以下の場合、確定申告の義務はないと思っている方は少なくないようです。

 

ですが、20万円以下の収入であっても、住民税の申告をしなければいけません。

 

所得税は、20万円以下の雑収入の場合、申告が免除されます。

 

住民税の申告要件は、地方自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

雑所得ではなく、事業所得として申告する方法

結論をお伝えすると、副業をしている会社員は、事業所得として申告することは難しいです。

 

年間300万円の収入を超えると、事業所得になりますが、副業の収入だけで超えなければいけないからです。

 

もし副業で年間300万円の収入を超えた場合、副業を本業にしたほうがいいでしょう。

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