コラム

管理職の役割とは?求められるスキルや心得などを解説

2024.08.07

部長や課長など、企業や組織において、部下を指導・管理する立場にあるのが管理職です。

 

一般社員と管理職は求められるものが違うことはわかっていても、管理職には何が求められているのかを知らないという人はいるのではないでしょうか。

 

今回は、管理職に求められるスキルや心得などについて解説します。

管理職とは

管理職とは、役職や役割に応じて決裁権を持ち、組織の目標達成のために業務を管理したり、部下を指導・管理する役職のことです。

 

管理職としては、係長や主任、リーダー、課長、部長、マネージャーなどが挙げられます。

 

ですが、企業によっては、係長や主任、リーダーなどに決裁権を与えていないことがあり、決裁権がない役職は管理職に含まれないことが多いです。

 

また、企業は、管理職、一般社員、役員から構成されていますが、どのような違いがあるのでしょうか。

一般社員との違い

一般社員とは、部門に所属する部下のことで、管理職から指導や管理を受ける立場の社員を意味します。

 

管理職との違いは、一般社員には、多くの場合、決裁権がなく、管理職の指示に従って業務をする業務遂行責任があります。

役員との違い

役員とは、会社法によって定められており、取締役、会計参与、監査役のことを指します。

 

役員は決裁権を持っていますが、役員は従業員を雇用する立場にあることが管理職と違う点です。

 

管理職は従業員であるため、会社から雇用される立場にあります。

 

したがって、管理職を含む従業員は、企業と雇用契約を結びますが、役員は、企業と委任契約を結びます。

管理職の役割

管理職の役割には、何があるのでしょうか。

 

以下で見てみましょう。

業務の管理と改善

管理職は、日々の業務をこなすだけでなく、チームとしてどのような成果を出せるという組織経営の視点が必要になります。

 

そのため、スケジュールや方法を考えるだけでなく、部下のスキルや経験、成長を考慮して、適切に業務を割り当てることが管理職の仕事といえます。

 

目標に対して進捗が遅れている場合には、管理職は部下とともに原因を探り、問題が解決できるように対策を講じる必要があります。

 

また、ビジネス環境の変化に対応していくために、業務プロセスを見直して、改善していくことが大切です。

部下の育成

組織が成長していくためには、管理職の管理能力だけではなく、部下の成長も重要です。

 

部下と緊密にコミュニケーションを取って、業務の進捗だけではなく、部下の強みや弱みを把握して、部下を育成する必要があります。

 

チームビルディングに役立つ具体的な取り組みの一例としては、ワークショップやイベントなどが挙げられます。

経営理念と方針の浸透

管理職は、経営理念や方針を部下に浸透させる役割もあります。

 

部下が同じ方向を向いて、組織としての成果を最大化するためです。

 

管理職は、経営層から提示された理念や方針を部下に周知して、行動につながるように浸透させていく必要があります。

 

企業理念やビジョンは抽象的な言葉で表現されていることが多いため、管理職は一般社員にもわかりやすいように具体化して説明することが求められるでしょう。

 

部下とコミュニケーションをする際に、経営理念を取り入れて、組織としての価値観を共有するといいでしょう。

管理職に求められるスキル

管理職には、どのようなスキルが求められるのでしょうか。

 

以下で見てみましょう。

業務遂行能力

業務遂行能力とは、ビジネスの現場で、業務を遂行するのに欠かせない知識や技術のことです。

 

テクニカルスキルとも言います。

 

例えば、新商品を開発しているなら、商品知識や市場のニーズ、将来を予測するための市場理解などのスキルがあります。

 

技術職なら機器類の操作技術、営業職なら提案力や顧客探索力などのスキルが必要とされます。

対人関係能力

対人関係能力とは、社内外を問わず、関係者とスムーズなコミュニケーションをして、良好な人間関係を築く能力のことです。

 

ヒューマン・スキルとも言います。

 

例えば、自分の考えを伝えたり、相手の考えや課題を理解したりと、良好な人間関係を築く能力などが挙げられます。

 

管理職は、チーム内でトラブルが生じた際に折り合いをつけたり、改善策を示すことも求められているため、リーダーシップやコミュニケーション能力も必要になります。

概念形成力

概念形成力とは、問題や課題の本質を把握する能力のことです。

 

コンセプチュアルスキルとも言います。

 

例えば、問題に直面したときに、何をすればいいのか迅速に対応できるような能力です。

 

概念形成力を持っている管理職であると、トラブルが発生してもすぐに問題解決に導くことができます。

 

重要な意思決定が必要な時に求められる能力であるため、経営層に近い部長などの管理職にコンセプチュアルスキルは求められます。

管理職が意識すべき心得とは

管理職としてチームをまとめて企業に貢献するためには、どうすればいいのでしょうか。

 

ここでは、管理職に求められる心構えをご紹介します。

経営視点をもつ

管理職には、企業全体を見通す経営側の視点が求められます。

 

企業全体の目標を達成するために、部門で何に取り組むべきなのかを考える必要があります。

 

業務を通して組織全体の成長や発展にどのように貢献していくか、長期的な視点や視野を持つことが重要です。

働きやすい職場の雰囲気を作る

管理職は、部下と積極的にコミュニケーションを取って、働きやすい職場の雰囲気を作り出すことが求められます。

 

部下が仕事で問題を抱えている時、上司に気軽に相談できると、問題が早期に解決されます。

 

また、そのような環境が醸成されていれば、部下は失敗を恐れず仕事に挑戦しやすくなるため、部下の育成にもつながっていくでしょう。

成長する意欲がある

管理職は、成長する意欲を持って、ポジティブな姿勢を部下に示すことも大切です。

 

管理職の仕事に対する姿勢や考えなどは、チームに対して大きな影響を与えることになるため、部下から尊敬されるお手本になる必要があります。

 

成長意欲が高く、何事にも前向きに取り組んでいる管理職のもとでは、部下のモチベーションも向上しやすいです。

部下の失敗の責任を取る

部下が失敗した時に、上司の力量が見えます。

 

失敗を叱責したり、責任を追及するだけの上司は、部下からの信頼を損ないます。

 

ですが、部下の失敗をフォローしてくれる上司は、部下にとって頼もしい存在であり、上司と部下の信頼関係は強固なものになります。

 

また、部下の失敗によって、社内にも迷惑をかけた場合は、指揮命令の立場である上司もしっかりと謝罪をして、社内の関係性を良好にすることも重要です。

まとめ

今回は、管理職に求められるスキルや心得などについて解説しました。

 

管理職は、自分の業務をこなせばいいのではなく、経営視点に基づいた行動が求められ、部下を育成しながら果たすべき役割を遂行する必要があります。

 

そのためには、さまざまな能力が必要となるため、幅広いスキルを習得しなければいけないでしょう。

 

管理職の能力は会社の成長に大きく関わる要素のため、研修などを実施してスキルアップを図ることも大切です。

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