朝型と夜型、仕事のパフォーマンスが上がる時間はいつ?
2024.08.13
「朝型の人と夜型の人、どっちが効率よく仕事ができるの?」
朝型人間と夜型人間との議論は、何世紀もの間続いており、さまざまな意見があります。
「朝を有効に使いたい」という人がいれば、「朝は起きられない」という人もいます。
最近、脳がもっとも活発になる時間帯は、生まれた時期や遺伝子によって決まる可能性があることが研究結果として示唆されています。
エネルギー予算って何?
「エネルギー予算」とは、サウスダコタ大学の行動経済学者X・T・ワンと心理学者のロバート・ドボルザークによって提唱されました。
「集中力の源となるエネルギー(意志の強さ)の量は、予算と一緒。だから、エネルギーがある時は、フルスロットルで集中して作業できるけど、疲れてきたら、お金を節約するように節約モードに入ってしまう。」という考えのことです。
つまり、より集中力の高い状態で仕事をするなら、エネルギーを消耗していない「朝」が、難しい仕事や集中が必要な仕事をするのに適しているということです。
人間の集中力は、起床後12~13時間がピークになる
朝型の人と夜型の人の生産性を比較すると、朝型の人が上回ることが多いようです。
朝は集中力が一番あるため、仕事が順調に進むからです。
一方、夕方になると思考に疲れが出て、生産性が落ちてしまいます。
人間が仕事を効率よくできる時間は、起床後12~13時間までというオーストラリアの研究者の報告もあります。
夜型が心身に与える影響とは?
夜型で仕事を続けていると、脳に疲労が蓄積していきます。
5年後といった中長期的な視点で考えると、心身に負担をかけてしまうリスクがあるでしょう。
1日でも夜更かしをすると、 回復するまでに2~3日かかる
最適な睡眠時間は、その人の体質によるため、正解はありません。
ですが、目覚まし時計の音で無理に起きるのではなく、自然に目覚めることが理想です。
睡眠不足が積み重なると、心身に影響を与えるリスクが高まります。
スタンフォード大学のウィリアム・C・デメント教授は、「慢性的な睡眠不足は、睡眠負債(sleep debt)である」と警鐘を鳴らしました。
睡眠負債が積み重なると、メンタル疾患やがん、認知症などになるリスクも指摘されています。
1日でも夜更かしをすると、翌日のパフォーマンスが低下し、回復するまでに2~3日かかります。
クロノタイプとは?
「自分は朝型か、夜型なのか、どっちなの?」と思っている方もいるでしょう。
この分類のことを「クロノタイプ」と言います。
目覚める時間や眠くなる時間、集中力が高まる時間帯もクロノタイプによって異なることが、研究でわかっています。
人による個性が生じる以上、自分のタイプに応じた生活を送るほうが、本来のパフォーマンスを発揮しやすいと言えるでしょう。
国立精神・神経医療研究センターが、「MEQ-SA」というセルフチェックを公表しており、睡眠やライフスタイルに関わる19の質問に答えると、超朝型・朝型・中間型・夜型・超夜型の中から、自分のクロノタイプを知ることができます。
セルフチェックはこちらから
https://www.sleepmed.jp/q/meq/meq_form.php
朝型のクロノタイプの人
朝型の人は、全タイプのうち、14%ほどいると言われています。
朝早くに目覚めるため、午前中の集中力が高く、時間管理が得意という特徴があります。
パフォーマンスのピークタイムは、9~10時頃です。
中間型のクロノタイプの人
中間型のクロノタイプの人は、全タイプのうち、65%ほどいると言われています。
特別に早起きが得意というわけではありませんが、午前中に集中力を発揮します。
ですが、昼食をとると眠くなってしまう傾向があるため、仕事に集中したい時は、お昼休みを少し遅い時間にするといいでしょう。
ピークタイムは、11時~13時頃です。
夜型のクロノタイプの人
夜型のクロノタイプの人は、全タイプのうち、21%ほどと言われています。
朝起きることが苦手で、日中はそれほど力を発揮できません。
夕方から活動的になって、夜になっても集中力が持続という特徴があります。
ピークタイムは、18時~22時頃です。
まとめ
朝型の人が夜遅くまで働いたり、逆に、夜型の人が朝早くに起きたりすると、健康を害するリスクが高まることがあるため、注意しましょう。
自分のクロノタイプを知って、体調やリズムに合わせて働く時間を選ぶといいでしょう。
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