コラム

エルダー制度とは?メリットやデメリット、効果的な導入方法などを解説

2024.08.31

「エルダー制度を聞いたことはあるけど、具体的にどのような制度なのかはよくわからない」という方は多いのではないでしょうか。

 

新入社員が、入社後にギャップを感じたり、職場の雰囲気に馴染めず、早期離職に繋がってしまうケースが増えており、エルダー制度が注目を集めています。

 

今回は、エルダー制度のメリットやデメリット、効果的な導入方法などを解説します。

エルダー制度とは

エルダー制度とは、新入社員に年齢の近い先輩社員を指導者にして、新入社員の不安を取り除くことや、共感を得ながら業務を習得することができる制度のことです。

 

エルダーとは、日本語で「先輩」や「年長者」を意味します。

 

入社したばかりの新入社員は、慣れない環境の中で、専門用語などが飛び交う業務指導にあって、戸惑うこともあるでしょう。

 

エルダー制度は、実務の指導だけでなく、職場での人間関係の相談に乗るなど、新入社員の精神面のサポートを担って、業務や職場への適応を促進することを目的としています。

メンター制度との違い

エルダー制度とよく似た制度として、メンター制度があります。

 

メンター制度とは、同じ部署の上司や先輩ではなく、他部署の先輩から選ばれることが多く、仕事をサポートするよりも、メンタル面で新入社員を支えることを目的としています。

 

メンターには、申請や休暇、人間関係など、業務以外のことも相談できるため、心理的安全性の担保に効果的に働くでしょう。

 

ですが、エルダー制度では、直接仕事に関わる先輩が選ばれるため、メンタルケアよりも、仕事のサポートを重視する制度と言えます。

エルダー制度のメリット

エルダー制度のメリットを以下に挙げてみましょう。

新入社員が業務と職場へ適応しやすくなる

新入社員が、エルダー(先輩社員)から直接指導やサポートを受けることができるため、業務の要領を早くつかむことができます。

 

年齢が近いエルダーがサポートするので、相談がしやすい環境が作られ、仕事の不安や悩みが軽減されて職場に溶け込みやすくなります。

コミュニケーションが活性化する

エルダーが、新入社員のサポートに入って、コミュニケーションの機会を増やせると、新入社員は、「報告・連絡・相談」に取り組みやすくなります。

 

エルダー制度を実施すると、新入社員は心理的安全性を確保しやすく、活発なコミュニケーションが生まれるきっかけになります。

指導をするエルダーのマネジメントスキルが向上する

エルダー制度は、新入社員だけでなく、指導をするエルダーのマネジメントスキルも向上します。

 

エルダーは、新入社員への実務指導やタスクの進捗管理をするため、マネジメントスキルが培われていきます。

 

マネジメントスキルは、実戦によって身につきやすいため、エルダー制度によってエルダーのマネジメントスキルが向上します。

新入社員の早期離職を減らすことができる

相談できるエルダーが身近にいると、新入社員は、ストレスがなく安心できる職場環境と感じるでしょう。

 

初めて体験する職場で、仕事を覚えたり人間関係を築くことには不安がつきものですが、エルダーが業務指導をしたり、他の従業員との間を取り持ったりするため、新入社員の不安感や孤独感を少なくすることができます。

エルダー制度のデメリット

エルダー制度には、メリットだけでなく、デメリットもあります。

 

ここでは、デメリットについて見てみましょう。

エルダーの負担が増える

エルダーの業務は、新入社員の指導だけではないため、指導をしながら、自分の業務を行わなければいけません。

 

そのため、エルダーの負担が大きく増えてしまいます。

 

エルダーが業務超過になって、離職してしたら元も子もないので、企業はエルダーをサポートする必要があります。

相性が悪いと制度の効果が得られない

エルダー制度では、エルダーと新入社員が良好な関係を保つことが大切です。

 

そのため、相性が悪いと、お互いにストレスがになって、業務のモチベーションが下がってしまいます。

 

効果が得にくいだけでなく、業務効率の低下や離職につながってしまう可能性があります。

エルダー制度の効果的な導入方法

エルダー制度の効果的な導入方法について解説します。

 

エルダーと新入社員の双方が働きやすくなるように、十分に配慮しながら運用を進めていきましょう。

エルダー制度をアナウンスする

社内で、エルダー制度を導入することをアナウンスします。

 

その時に、制度の概要や、どのような効果を目的としているのかといったことも、十分周知する必要があります。

 

そうすると、エルダーも新入社員も制度の重要性が理解でき、効果的に導入し運用できるでしょう。

エルダーと新入社員の相性を見極める

エルダーと新入社員をマッチングさせるには、両者の相性が非常に重要です。

 

新入社員がどのような人物なのかは、採用面接官などに話を聞いて、人物を見極めましょう。

 

相性を十分に考慮して、信頼関係が築いていけそうなエルダーをマッチングさせることが重要です。

エルダー制度を運用する

エルダー制度を運用していく際に、エルダーが新入社員にしっかりと指導できる環境を、企業は用意する必要があります。

 

例えば、エルダーと新入社員の席を近くに配置する、終業前にミーティングの時間を設けるといったことが挙げられます。

 

エルダーの負担にならない範囲で、しっかりと指導をするようにしましょう。

振り返りと課題を改善する

エルダー制度を運用したら、振り返りをすると、今後、より効果的に運用できるようになります。

 

エルダーと新入社員に、アンケートや面談を実施して、良かった点や改善点を出しましょう。

エルダー制度を導入する際のポイント

エルダー制度を導入する際には、押さえておくべきポイントがあります。

 

以下で挙げてみましょう。

会社全体で新入社員を育てる意識を持つ

エルダー制度を効果的に導入するには、会社全体で、新入社員を育てる意識を持つことが重要です。

 

エルダーの負担が大きくならないように、他の従業員が、エルダーの業務のサポートしてあげたり、エルダーと新入社員に問題が起きていないかを、上司が定期的に確認して、制度が十分運用されているかを意識しましょう。

エルダーに任せきりにしない

エルダーは、本来の業務とは別に、新入社員の指導をしなければいけないため、過度な負担がかかります。

 

エルダーが、エルダーとしての不安や悩みを一人で抱え込んでしまうことがあるかもしれません。

 

そのため、エルダーに任せきりにしないで、全社員で協力して新入社員を育成するという共通意識を持つことが大切です。

 

エルダーに積極的に声をかけて、エルダーに負担が偏らないよう配慮しましょう。

まとめ

新入社員の早期離職が増えている現在、エルダー制度を導入して、実務面だけでなく、精神的にも、新入社員のサポートをする必要性が高まってきています。

 

エルダーの指導やケアも行って、会社全体で新入社員を教育することを意識しましょう。

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