出金伝票には、以下の項目を記載しましょう。
2024.09.12
個人事業主は、確定申告をすれば、交通費は所得から控除できる経費になります。
ですが、すべての交通費が経費として認められるわけではなく、経費として認められるには一定の要件があります。
今回は、個人事業主の交通費計上について解説します。
個人事業主は、事業に関わった交通費を経費にすることができます。
例えば、仕入れや納品、商談などで取引先を訪問する時に使った交通費、取材時の移動に使った交通費など、仕事のために使った交通費は、経費として計上できます。
交通手段については、バス代・電車代・タクシー代・家用車を使用する場合のガソリン代・高速料金、駐車場代なども交通費と認められます。
ですが、仕事のためといっても、グリーン車やファーストクラスの航空券といった高額な費用は、業務に必要と見なされず、税務署の指摘を受けるケースがあるので、注意したほうがいいでしょう。
個人的な観光や旅行、事業に関係ない買い物など、プライベートで使用した交通費については経費計上できません。
個人事業主が事業に使った交通費は、旅費交通費という勘定科目で処理します。
旅費交通費は、出張旅費と交通費をあわせたもののことですが、出張の宿泊費も、旅費交通費の勘定科目で処理します。
旅費交通費には、どのようなものがあるのか、以下に挙げてみます。
・電車代
・バス代
・新幹線代
・特急料金
・航空券代
・船賃
・高速道路や有料道路の利用料金
・ガソリン代
・時間制のコインパーキング代 ※月極の駐車場は地代家賃になります
・宿泊費の実費 ※個人事業主は、日当の支給は認められません
では、領収書がない場合は、どうやって経費にすればいいのでしょうか。
電車代は、領収書をもらえますが、ワンマンバスでは、領収書をもらえないケースが多いでしょう。
領収書代わりになるものを、以下に挙げてみましょう。
領収書やレシートをもらえない場合、出金伝票を書くと、経費にできます。
出金伝票には、以下の項目を記載しましょう。
・支払日
・金額
・交通機関名
・利用区間
・理由
1ヵ月分の交通費を、1枚の出金伝票に記載することも可能です。
クレジットカードの利用明細書は領収書ではありませんが、航空券などをクレジットカードで購入した場合、明細書を使うことができます。
クレジットカードの明細には、プライベートで支払ったものも混在しているため、事業で使用した部分にマーカーを引いておくといいでしょう。
注意点としては、経費とみなされるのは、カードの使用日で引落日ではありません。
交通費の支払いにICカードを使った場合、ICカードの明細を領収書に代えることができます。
Suicaなど交通系電子マネーは、駅の券売機で履歴を印字することができます。
モバイルSuicaを使っている場合は、会員サイトで利用履歴の確認やダウンロードを行えます。
ICカードで交通費を払うことも多いですが、ICカードは、チャージした時ではなく、使用した時に経費になります。
ICカードを使った場合、現金で支払った時とは勘定科目や仕訳方法が違うため、注意しましょう。
ICカードを使った場合は、二段階の仕訳をすることになるのです。
例) ICカードに5,000円チャージした場合(初回ICカードを作成)
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
前払金 | 5,000 | 現金 | 5,000 | ICカードチャージ料 |
預託金 | 500 | 現金 | 500 | デポジット |
※デポジットとは、ICカードを最初に作る時に預ける料金のことで、2回目以降にチャージする際には、料金はかかりません。
チャージ料とは別の勘定科目で管理します。
ICカードのチャージ料から支払った場合
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
旅費交通費 | 500 | 前払金 | 500 | 電車代 |
今回は、個人事業主の交通費が経費になるのかについて解説しました。
節税対策のために、仕事で使った交通費は必ず計上しましょう。
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