エンゲージメントとは?メリットや高める方法などについて解説
2024.09.21
働き方の多様化や人材の流動性によって、企業において、エンゲージメントの考え方が重要になっています。
社内のコミュニケーション活性化や従業員の定着化につながるため、会社に対する思いであるエンゲージメントを高める工夫は重要です。
今回は、エンゲージメントのメリットや高める方法などを解説します。
エンゲージメントとは
エンゲージメント(engagement)とは、ビジネスにおける、従業員の会社に対する「愛着」や「思い入れ」のことです。
英訳は、「契約」「約束」「誓約」などを意味します。
従業員の企業に対する貢献意欲や業績の向上につながるため、従業員のエンゲージメントを向上させることは、経営における重要課題の1つになっています。
従業員エンゲージメントの意味
従業員とエンゲージメントを組み合わせた従業員エンゲージメントという言葉もあります。
従業員エンゲージメントは、企業と従業員とが相互に影響を及ぼし合い、共に必要な存在として絆を深めながら、成長できるような関係を築いていくことです。
「従業員エンゲージメントが高くなると企業経営にプラスの影響をもたらす」という調査結果があるため、多くの企業が、従業員エンゲージメントを高めるための取り組みを積極的に行っています。
従業員満足度との違い
従業員エンゲージメントに似た言葉として、「従業員満足度」があります。
従業員満足度とは、労働環境・上司と部下の良好な関係・福利厚生などの面から見た職場の居心地の良さを表す言葉です。
従業員満足度は、企業業績とリンクしていないため、従業員満足度が高いと、企業業績が伸びるわけではありません。
従業員エンゲージメントと従業員満足度の違いは、相互作用によって企業の業績向上に影響を与えるかどうかです。
エンゲージメントを高めるメリット
エンゲージメントの向上は、企業と従業員にさまざまなメリットをもたらし、最終的には企業の業績アップにもつながります。
具体的なメリットを以下に挙げます。
生産性が上がる
エンゲージメントが高い企業の従業員は、モチベーションが高いため、自発的に仕事をする傾向があります。
自社のビジョンに共感し、目標達成に向けて何をすべきかを考えて実行できます。
従業員の生産性が上がると、組織の戦略の実行度が高まります。
また、顧客満足度も高まり、そのことが従業員のさらなる誇りにつながるというように、好循環を生み出せるのです。
離職率が下がる
企業にとって、優秀な人材の流出は大きな損失になります。
ですが、従業員のエンゲージメントが高いと、企業への愛着度が高いため、エンゲージメントの向上は離職率の低下につながります。
報酬面が充実していても、従業員エンゲージメントは高められません。
価値観の共有や良好な人間関係を保って、エンゲージメントの向上を目指しましょう。
従業員のエンゲージメントを高める方法
従業員エンゲージメントを高めるためには、さまざまな方法があります。
やみくもに実行してしまうと、かえって組織の疲弊につながるおそれがあります。
では、従業員のエンゲージメントを高める方法をご紹介します。
働きやすい環境を作る
働きやすい環境があると、意欲的に仕事に取り組め、心身の健康も保ちやすくなります。
例えば、残業が多かったり、有給休暇がなかなか取れないと、企業への不満やストレスが蓄積していきます。
そのため、フレックスタイムの導入、人材配置や評価制度の見直しなどをして、従業員が働きやすいと思える環境作りをすることが大切です。
企業のビジョンを明確にする
企業が進むべきビジョンを、従業員に発信することも重要です。
企業理念やミッションは、エンゲージメントの向上に欠かせない要素で、従業員に正しく伝わっていないと、目的や方向性のずれを生じさせます。
また、従業員が、自分の役割や貢献の重要性を理解するためにも、組織としてのビジョンを共有する必要があります。
ビジョンが従業員に浸透するように定期的に発信をすることによって、社内文化として定着していきます。
社内コミュニケーションを活性化させる
エンゲージメントを高めるためには、職場の良好な雰囲気や円滑な人間関係の維持も必要です。
職場の人間関係で、ストレスが生じることもあるため、社内コミュニケーションを促進する取り組みを実施するといいでしょう。
社内コミュニケーションが活性化すると、従業員間に仲間意識が芽生え、業務がスムーズに連携できます。
従業員にオーナーシップを持たせる
従業員がオーナーシップを持って自発的に取り組むと、成果を出しやすくなり、エンゲージメントの向上が期待できます。
普段から立場や役職に関係なく自由に発言しやすい環境を整備し、上司の権限を部下に任せるといいでしょう。
上司の指示を待つのではなく、従業員が自分で判断し行動する機会を増やして、オーナーシップの習得を促します。
社内イベントや表彰を実施する
会社へのエンゲージメントを高めるには、経営陣に仕事の評価を適切に示してもらう工夫を取り入れましょう。
例えば、事業に関する定期的な社内イベントをしたり、成果や業績があった際に表彰をするなど、仕事の努力が報われてモチベーションアップにつながる取り組みを実施するといいでしょう。
エンゲージメントが高い企業例
エンゲージメントの向上を成功させた企業事例をご紹介します。
スターバックスコーヒージャパン
スターバックスコーヒージャパンは、従業員の8割ほどがアルバイトですが、エンゲージメントが高い企業として有名です。
コーチングとフィードバックに特に力を入れており、従業員の自己成長を促しています。
例えば、お客様にいい対応ができなかった場合、怒るのではなく、「もっといい対応は何だったか」「お客様はどう思ったのか」を自分で考えさせています。
そうすることで、どうやったらお客様に喜んでもらえるかを考えるようになり、成長できます。
ヤマト運輸
ヤマト運輸は、2008年11月から、従業員エンゲージメントを高めるために、満足ポイント制度を導入しています。
「周囲の評価・企業からの評価・自己評価」をポイントにして、ポイントを蓄積し、1年間に蓄積したポイント数によって、4種類のバッジが贈呈されます。
ポイントが高いほど、名誉あるバッジを入手できるので、従業員は積極的に評価を上げるための努力をします。
従業員がお互いのいいところを引き出して、評価ポイントを積み上げるので、従業員間の信頼関係も強固になります。
また、育児・介護を必要とする従業員に対し、週の労働日数を3日または4日で選択できるようにするなど、仕事とプライベートの両立を支援しています。
エンゲージメントが上がらない時の改善方法
従業員エンゲージメントの施策に取り組んでも、エンゲージメントが上がらない場合は、施策の改善が必要かもしれません。
以下の項目を見直してみましょう。
・自分の努力が認められること
・賃金
・より良い人間関係
・キャリアアップ
自分の努力が認められず、キャリアアップなどの将来像が描けないと、従業員エンゲージメントは下がってしまいます。
エンゲージメントが上がる要因は、従業員によって異なるため、従業員それぞれの個性やスキルを把握したうえで実施する施策を検討しましょう。
まとめ
従業員が長く働きたいと思える会社にするためには、会社へのエンゲージメントを高める取り組みをする必要があります。
働きやすい環境を整えたり、社内イベントや表彰の実施するなど、さまざまな方法を取り入れてみましょう。
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