コラム

ワークエンゲージメントとは?高める方法や重要性を解説

2024.10.06

ワークエンゲージメントとは、仕事に対して意欲的に取り組んでいるポジティブな状態のことです。

 

厚生労働省によると、最近10年間でワークエンゲージメントの関心が高まっていることが指摘されています。

 

仕事に対して従業員がポジティブな心理状態で取り組むことができると、企業の離職率の低下や、生産性の向上が期待できます。

 

ワークエンゲージメントを高められれば、企業にとってさまざまなプラスの効果が得られるのです。

 

今回は、ワークエンゲージメントを高める重要性と方法を解説します。

ワーク・エンゲージメントとは

ワークエンゲージメントとは、仕事に対してポジティブで充実した状態であることを表す言葉です。

 

働きがいという言葉で言い換えられます。

 

ワークエンゲージメントが高い従業員は、仕事に誇りややりがいを感じている、熱心に取り組んでいる、仕事から活力を得ているといった特徴があります。

 

オランダ・ユトレヒト大学のシャウヘリ教授は、ワークエンゲージメントを「活力」「熱意」「没頭」の3要素に分け、3つが揃った状態をワークエンゲージメントが実現されている状態と定義しています。

ワーカホリズムとの違い

ワーカホリズムとは、強迫的に働く状態のことです。

 

仕事のことが頭から離れないといったように、いつも仕事に追い立てられていて、仕事に対してネガティブな態度にあります。

 

そのため、心身の健康を害してしまうおそれがあります。

 

一方、ワークエンゲージメントは、「仕事が楽しい」とポジティブな感覚で仕事に取り組んでいる状態です。

 

つまり、ワークエンゲージメントとワーカホリズムは、仕事に対する活動量が多い点は同じですが、仕事への態度や仕事に対する動機において、大きな相違があります。

ワークエンゲージメントはなぜ重要なのか?

仕事への意欲を高めると、職場全体にもいい影響が与えられます。

 

では、ワークエンゲージメントを高める重要性について見てみましょう。

生産性の向上につながる

ワークエンゲージメントが向上すると、従業員は仕事への意欲が出るため、生産性の向上につながります。

 

また、新たなアイデアが創造でき、ビジネスチャンスにつながることもあるでしょう。

メンタルヘルスの向上につながる

ワークエンゲージメントが高いと、ストレスが少なく、精神的な余裕を持って働くことができるため、心身の健康を維持しやすくなります。

 

心身の不調による欠勤や離職が起きる心配が少なくなります。

顧客満足度の向上が期待できる

ワークエンゲージメントが高まると、顧客満足度が高まることが期待できます。

 

従業員のワークエンゲージメントが向上すると、顧客満足度も上がったと認知している企業がたくさんあります。(参照:労働経済白書(令和元年版)| 厚生労働省)

 

従業員が自社製品やサービスを自信を持って説明すると、顧客は信頼感を持つでしょう。

企業の売り上げアップが期待できる

従業員が仕事に対して情熱をもって働くと、生産性が上がり、売り上げアップにつながりやすくなります。

 

斬新なアイデアを出して製品化したり、無駄な作業工程を省くなど、対応や改善をしやすくなります。

ワークエンゲージメントの低下がもたらすリスクとは

従業員が働きづらい状態や環境が放置されてしまうと、職場でトラブルが起きやすくなります。

 

では、ワークエンゲージメントの低下がもたらすリスクを見ていきましょう。

モチベーションと生産性が低下する

従業員がエネルギッシュに仕事に取り組めないと、ワークエンゲージメントが低下します。

 

モチベーションの低下によって、仕事の生産性も低下してしまいます。

離職率が上がる

ワークエンゲージメントが低下すると、従業員が仕事に対するやる気を失くして、自社への愛着も薄くなります。

 

したがって、離職率が上がって、人材不足に陥りやすくなります。

 

従業員が離職すると、新たな人材の確保や人材育成のためのコストが必要になるため、企業の負担が大きくなります。

ミスやトラブルが起きやすくなる

働く意欲が低い職場では、報連相やコミュニケーションが不足して、ミスやトラブルが起きやすくなります。

 

そうなると、業務効率が低下して、残業が発生したり、納期に間に合わないといったトラブルが生じます。

ワークエンゲージメントを高める方法

職場環境や従業員の状態を整えると、ワークエンゲージメントを高められます。

 

では、ワークエンゲージメントを高める方法について解説します。

個人の資源を充実させる

個人の資源を充実させましょう。

 

個人の資源とは、ポジティブな心理的状態を生み出す個人の資質のことです。

 

例えば、組織に貢献できるという自己効力感や楽観的な考え方、困難を乗り越える力などが挙げられます。

 

個人の資源を上げるには、ストレスを軽減できるようにコミュニケーションを活性化したり、仕事へのモチベーションを向上できるように、適切な評価やフィードバックをすることをおすすめします。

 

個人の資源を充実させると、従業員満足度を高めることにもつながります。

仕事の資源を充実させる

仕事の資源とは、仕事へのモチベーションを高め、ストレス軽減につながる要因のことです。

 

上司や先輩、同僚などから与えられるもので、目標の達成や成長を促す役割を果たします。

 

仕事の資源が豊富であればあるほど、プレッシャーが大きくても、ワークエンゲージメントは高い水準で保たれることが明らかになっています。

 

仕事の資源には、以下のものが挙げられます。

 

・適切な仕事量にする

・フィードバックをする

・上司がコーチングする

・正当に評価をする

・キャリア開発の機会を与える

・仕事の権限を付与する

 

働きやすく、やりがいを感じられる環境を用意すると、ワークエンゲージメントを高めることができると言えます。

まとめ

ワークエンゲージメントの高い従業員は、ポジティブな状態で継続的に業務を遂行することができます。

 

従業員のワークエンゲージメントが高まると、企業全体の生産性が向上し、新しい発想が生まれやすくなるでしょう。

 

従業員の離職を防止して生産性を高めるため、ワークエンゲージメント向上に取り組みましょう。

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