会社の書類の保管期間は?保管・保存が必要な理由や処分のしかたなどをご紹介
2024.10.17
会社では、さまざまな書類を扱っています。
書類を保管すると、書類を整理するのに手間がかかったり、スペースが必要になるため、過去の書類を処分したいと考える方もいるのではないでしょうか。
ですが、会社で扱う書類には、保存期間が定められている文書があるので、処分してしまうと法律違反となってしまうことがあります。
今回は、保管が義務付けられている主な書類の保管期間や、保存や処分のしかたなどをご紹介します。
会社で扱う書類には、法律で定められた「保管期間」がある
会社で扱う書類のうち、法律で保存期間が定められているものが、法定保存文書です。
書類の種類によって、保存・保管期間は異なります。
会社法や消費税法、法人税法や雇用保険法などのさまざまな法律には、保存期間についての規定があります。
経理関係であれば、取引が行われた事実と正確性、真実性を証明する証憑書類(請求書、納品書など)と、取引に関する記録である帳票書類(仕訳帳、買掛帳など)が保管の対象です。
保管期限の目安としては、総務関係で2~5年、経理関係は7年、会社法に関わる書類は10年です。
保管期間を守らずに書類を廃棄した場合、罰則はありませんが、違反するとデメリットが生じてしまうため、注意したほうがいいでしょう。
永久保存が必要な書類
企業が事業を継続する限り、永久保存が必要だと考えられている書類を以下に挙げてみましょう。
総務や庶務関係の書類
・定款、株主名簿、新株予約権原簿、端株原簿、社債原簿、株券喪失登録簿
・訴訟関係書類、登記済証
・官公署への提出文書、官公署からの許可書、認可書、通達などで重要な書類
・社規、社則、これらに関連する通達文書
・知的所有権に関する書類
・効力の永続する契約に関わる書類
・社報、社内報、重要刊行物
・会計監査に関する文書
・外部団体への加入、脱退に関する書類
・製品の開発、設計に関わる重要な書類(特許書類等)
・儀式・祭典に関する文書
・重要統計文書
・関連会社に関する文書
人事関係の書類
・重要な人事に関わる書類
・労働協約に関する書類
・従業員の労務、人事、給与、社会保険関係の書類
・表彰や懲戒に関する文書
経理関係の書類
・決算に関する書類
・株式増資に関する書類
・固定資産に関する書類
・中長期予算、年次予算に関する書類
30年間の保存が必要な書類
30年間保存を義務づけられている書類には、以下のものが挙げられます。
・特別管理物質の製造や取扱作業場で常時作業に従事する労働者に関する作業概要等の定期記録
・クロム酸等の空気中における濃度の定期測定記録
・上記労働者の特定化学物資健康診断個人票
・電離放射線健康診断個人票
・放射線業務従事者の線量の測定結果の記録
10年間の保存が必要な書類
10年間の保存が必要な書類を以下で見てみましょう。
総務や庶務関係の書類
・株主総会議事録
・取締役会議事録
・監査役会議事録
・監査等委員会議事録
・製品の製造、加工、出荷、販売の記録
・指名委員会等議事録
・重要会議記録
・満期または解約となった契約書
経理や税務関係の書類
・会計帳簿および事業に関する重要書類
・計算書類および附属明細書
7年間の保存が必要な書類
7年間の保存が必要な書類は、以下の通りです。
・取引に関する帳簿 (現金出納帳、仕訳帳、固定資産台帳、買掛帳、売掛帳など)
・決算に関して作成された書類
・現金の収受、払出し、預貯金の預入れ、引出しに際して作成された取引証憑書類 (領収書、借用証、預金通帳など)
・取引証憑書類 (請求書、契約書、見積書、仕入伝票、注文清書など)
・電子取引の取引情報に係るデジタルデータ (注文書、契約書、送り状、領収書、見積書ほかこれらに順ずる書類に記載される事項の記録)
・課税仕入等の税額の控除に係る帳簿、請求書など
・給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、給与所得者の配偶者特別控除申告書、保険料控除申告書
・有価証券の取引に際して作成された証憑書類
・源泉徴収簿
5年間の保存が必要な書類
5年間の保存が必要な書類には、どのようなものがあるのか見てみましょう。
人事や労務関係の書類
・従業員の身元保証書
・誓約書などの書類
総務や庶務関係の書類
・事業報告書 (視点据え置き分は謄本を3年保存)
・有価証券届出書、有価証券報告書および添付書類、訂正届出書の写し
・産業廃棄物管理表の写し
・産業廃棄物処理の委託契約書
・契約期限を伴う覚書、念書、協定書などの文書
・一般、有機溶剤等、鉛、四アルキル鉛、特定化学物質、高気圧業務の各健康診断個人票
・重要な内容の受信、発信文書
経理や税務関係の書類
・監査報告
・会計監査報告
・会計参与が備えおくべき計算書類、附属明細書、会計参与報告
・退職等に関する通知書
・非課税貯蓄申込書、同申告書、同限度額変更申込書、同異動申告書、同勤務先異動申告書、同廃止申告書などの写し
・海外転勤者の財産形成非課税住宅貯蓄継続適用申告書、海外転勤者の国内勤務申告書などの写し
3年間の保存が必要な書類
3年間の保存が必要な書類は、以下の通りです。
総務関係の書類
・四半期報告書、半期報告書およびその訂正報告書の写し
人事関係の書類
・労働者名簿
・賃金台帳
・雇入れ、解雇、退職に関する書類
・賃金その他労働関係の重要書類(業務開始、終了の時間を記録するタイムカード、残業命令書、残業報告書など)
・労災保険に関する書類
・労働保険の徴収、納付等の関係書類
・派遣先管理台帳
・派遣元管理台帳
・身体障害者等であることを明らかにできる書類
2年間の保存が必要な書類
2年間の保存が必要な書類を以下で見てみましょう。
・雇用保険に関する書類 (雇用保険被保険者関係届出事務等代理人選任、解任届など)
・健康保険、厚生年金保険に関する書類 (被保険者資格取得、標準報酬決定通知書、資格喪失等確認通知書、同改定通知書など)
・家内労働手帳
1年間の保存が必要な書類
1年間の保存が必要な書類は、以下の通りです。
・臨時報告書、自己株券買付状況報告書、それらの訂正報告書の写し
・軽易な往復文書、受信、発信文書
・住所、姓名変更届
・休暇届、欠勤願や休暇使用記録票
・当直日誌
保存期間が定められていない書類の扱い方とは
法律で保存期間が定められていない書類は、自社で独自に保存期間を決めて管理しなければいけません。
保存期間を決定する際は、「業務を遂行する上での必要性」「トラブル・訴訟時に立証するための必要性」などを考慮して、期間を検討しましょう。
保存期間を過ぎた書類の廃棄方法
保存期間を過ぎた会社の書類は、適切な方法で廃棄しなければいけません。
例えば、シュレッダーによる廃棄や溶解処理による廃棄が挙げられます。
溶解処理とは、業者に段ボールに書類を詰めた状態で回収してもらい、溶解処理することです。
ですが、回収から溶解までの間に情報漏洩が発生するおそれがあるため、信頼できる業者を選ぶ必要があります。
会社書類を保管・管理する方法
会社書類を保管・管理する方法について確認しましょう。
帳簿書類は紙媒体で保存する
会社で扱う帳簿書類は、原則、紙媒体で保存することになっています。
紙媒体で書類を保管する場合、文書の「種類」や「発行日(もしくは受領日)」、「取引先名」などで分類して、棚に収納します。
第三者による閲覧や持ち出し、改ざんなどの不正を防ぐために、鍵付きの棚を使ったり、保管場所への入室を制限するといったセキュリティ対策が必要になります。
また、必要な文書を速やかに参照したり、保存期限を把握するために、書類管理台帳を作成しておきましょう。
一定の条件を満たした書類を電子保管する
「e-文書法」や「電子帳簿保存法」の要件を満たしている場合、書類を電子保管できます。
書類を電子データとして保存・管理すると、多くのメリットがあるため、帳簿書類を電子化する企業が増えています。
まとめ
法律で保管期間が定められている書類は、適切な方法で管理をし、期間が定められていない文書は、自社でルールを決めて保存しましょう。
保管期間が過ぎた書類は、情報が外部に漏れないようにするために、シュレッダーや溶解といった方法で速やかに廃棄することが大切です。
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