コラム

ジョブローテーションとは?メリットやデメリット、実施する際のポイントについて解説

2024.11.11

離職をする人が増え、人事課題の解決のために、ジョブローテーションを行う企業があります。

 

ですが、ジョブローテーション制度について、メリットやリスクなどを正しく理解している方は多くないようです。

 

今回は、ジョブローテーションのメリットやデメリット、効果を高めるためのポイントについて解説します。

ジョブローテーションとは

ジョブローテーションとは、従業員が一定期間ごとに異なる職務や部署に異動する制度です。

 

さまざまな部署で経験を積み、スキルを向上させることによって、企業全体の業務について深く理解ができるようになります。

 

ジョブローテーションのスパンは、短い場合で半年、長い場合では数年にわたります。

 

なお、ジョブローテーションを行っていない企業の場合は、「6~10年未満」で異動を行う割合が20.7%で最多でした。

(「独立行政法人 労働政策研究・研究機構」の同調査による)

ジョブローテーションのメリット

多くの企業で、ジョブローテーションは、人材育成を目的に活用されています。

 

ジョブローテーションのメリットを以下に挙げてみましょう。

キャリアパスが多様化する

ジョブローテーションの大きなメリットの一つに、従業員が、さまざまな仕事を経験できることが挙げられます。

 

異なる業務のスキルや知識の習得をすることによって、将来的に幅広いキャリアパスを選択できるようになります。

従業員を適材適所に配置できる

複数の部署や業務を経験することによって、従業員が一番強みを発揮できる職種に配属できます。

 

面接時に、志望者全員の適性を見抜くことは、不可能です。

 

また、従業員の希望の職種に配属させる職種別採用という方法がありますが、実際に配属してみるとマッチしないケースも意外と多いです。

 

ジョブローテーションを実施すれば、時間をかけて従業員の適性を見極められ、適材適所に配置できます。

従業員のモチベーションが向上する

さまざまな部署で仕事をすると、業務内容や人間関係が変化するため、ジョブローテーションが実施される時に、新鮮な気持ちで仕事に取り組めます。

 

また、さまざまなミッションを遂行すれば、達成感を味わえるため、モチベーションが高まるでしょう。

ジョブローテーションのデメリット

ジョブローテーションには、さまざまなメリットがあることが分かりましたが、デメリットも存在します。

 

ここでは、ジョブローテーションのデメリットを挙げてみましょう。

専門性が身につきにくい

ジョブローテーションには、さまざまな業務を経験できるメリットがある反面、専門性が身につきにくいデメリットがあります。

 

どの業務も短期間行うため、深い部分まで理解して専門性の高い知識を習得することは難しいです。

 

そのため、従業員をスペシャリストに育てあげたいのであれば、ジョブローテーションの導入は慎重に検討する必要があります。

決められた期間で適応できない

決められた期間で適応できないことも、ジョブローテーションのデメリットです。

 

ジョブローテーションは、2〜3年など決められた期間で実施されますが、未経験の分野に異動する場合、短期間で適応することは、なかなか難しいです。

 

そのため、従業員がストレスを感じやすくなって、業務効率やモチベーションが低下することが懸念されます。

コストがかかる

ジョブローテーションの実施には、コストがかかります。

 

というのも、新しい業務に適応するために、従業員に対する教育、研修、サポートを実施するためコストや時間が必要だからです。

 

また、ジョブローテーション中の従業員は、研修生のため、戦力として活躍できません。

従業員のモチベーションが低下する

ジョブローテーションは、さまざまな業務を行い、一つの業務に集中できないので、従業員のモチベーションが低下するおそれがあります。

 

特定の分野で専門性を高めたいと考えている従業員には、定期的に起こる配置換えがストレスになって、やる気がなくなってしまうでしょう。

 

また、ジョブローテーションによって将来のキャリアプランが大きく変わることがあり、それが原因で退職してしまう従業員もいるかもしれません。

ジョブローテーションの効果を高めるためのポイント

ここでは、ジョブローテーションの効果を高めるためのポイントをご紹介します。

明確な目的を決める

ジョブローテーションを成功させるために、目的を明確に決めましょう。

 

そうすることによって、達成に向けた具体的な計画や評価基準を設定しやすくなります。

ローテーションする人材の性格や得手不得手を理解する

ジョブローテーションする従業員の性格や得手不得手を理解する必要があります。

 

従業員が苦手な部署や業務に配置されると、ストレスが溜まって、効果が出ないだけでなく、退職を考えるかもしれません。

 

そのため、適性が合わない部署やポジションは外すようにしましょう。

実施後のサポート体制を整える

実施後のサポート体制も整備しましょう。

 

ジョブローテーションを実施したところ、仕事やチームに馴染めず、1人で悩みを抱え込むことがあるからです。

 

「自分はこの業務に向いていない」、「部署内での人間関係が悪い」と思っているのに解決されないと、次のジョブローテーションを待たずに退職してしまうこともあります。

フィードバックと評価を行う

フィードバックと評価をすることも大切です。

 

そうすることによって、計画を修正することもでき、より効果的なジョブローテーションを実現できます。

まとめ

ジョブローテーションを導入する際は、メリットとデメリットを理解して、自社の状況にあわせた計画を立てる必要があります。

 

明確な目的を設定して、フィードバックと評価をすることによって、ジョブローテーションを成功に導きましょう。

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