いきなり法人化しても大丈夫?いきなり法人化する際の注意点などを解説
2024.11.12
「実績がないのに、起業したらすぐに法人化しても大丈夫なの?」と疑問に思う方も多くいることでしょう。
一般的には、個人事業主から法人化するケースが多いのですが、起業してすぐに法人化するケースも少なくありません。
そこで今回は、起業してすぐ法人化できるのかということや、法人化する際の注意点について解説します。
いきなり法人化はできるの?
手続きをきちんとすれば、いきなり法人を設立することはできます。
明確な理由がないのに、いきなり法人化することはあまりおすすめできませんが、法人化するメリットがあるなら、いきなり法人化するのもありでしょう。
現在新設可能な法人として、株式会社と持分会社がありますが、1人で会社を始めるのであれば、責任の範囲が出資した額までと決められている合同会社がおすすめです。
いきなり法人化する際の注意点
いきなり法人を設立する際には、どのようなことに注意したらいいのかを以下でご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
赤字でも税金を払わなければいけない
個人事業主の事業が赤字になったら、税金の支払いはありませんが、法人は、赤字であっても、最低7万円の法人住民税を支払う義務があります。
法人住民税には、「法人税額をもとに計算される法人税割」と「資本金額と従業員数によって計算される均等割」があって、均等割は、赤字でも課税されるからです。
融資が通りにくいことがある
銀行から融資を受ける場合は、会社設立後2期分の決算を終えていないと受けれないため、融資は通らないと考えた方がいいでしょう。
また、以下の場合も、融資が通らないでしょう。
・代表者個人の信用情報に問題がある
・ 代表者の実績が不足している
・ 計画性に乏しい
ですが、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を利用すれば、事業を始めたばかりでも、無担保・無保証人で融資を受けることができます。
役員報酬を決めづらい
いきなり法人化する場合、役員報酬は慎重に決めなければいけません。
というもの、法人化後に、どれくらいの売上や利益を得ることができるのかが正確に把握できないからです。
そのせいで、役員報酬を適切に決めれず、税金が高くなってしまうことがあります。
法人化を検討すべきタイミング
起業して、すぐに法人化しないのであれば、以下のタイミングで法人化を検討するといいでしょう。
1.年収(利益、所得)が800万円を超えた時
2.年間の売上が1,000万円を超えた時
3.事業拡大を考えている時
1と2は、法人化することによって、節税面で有利になるタイミングです。
3は、事業拡大をするために融資を受けたい時に、法人化をするタイミングです。
法人化のメリットとは
ここでは、法人化するメリットを見てみましょう。
法人税の税率が低い
法人税の税率が低いので、税金が少なくて済むメリットがあります。
法人税の税率は最大23.4%ですが、個人事業主の所得税の税率は、最大45%で、所得税は900万円以上になると税率が33%になります。
個人事業主としての所得が900万円以上ある場合には、法人を設立した方が節税できます。
損金にできる項目が多い
個人事業主が、事業で得た収入は所得税の課税対象になります。
ですが、法人の場合、役員報酬や賞与が経費になるため、事業で得た利益すべてが課税対象になりません。
役員報酬や賞与を経費にするには、毎月の役員報酬が定期同額給与であることや、賞与は事前確定届出給与として事前に届け出る必要があることに注意しましょう。
それ以外にも損金にできる項目が多いため、課税対象になる金額が少なくなるメリットがあります。
社会的な信用が高い
法人は、個人事業主よりも、社会的な信用が高いこともメリットの1つです。
そのため、事務所を借りる時や、融資を受ける時に、個人事業主は審査が通りにくいことがあります。
また、個人事業主とは取引をしないという会社も多くあります。
いきなり法人から個人事業主に戻るには、どうしたらいい?
赤字が続いてしまったなど、法人である必要がなくなった場合、法人を解散して、個人事業主として事業をしようと考える方もいるでしょう。
法人を解散させるためには、以下の手続きが必要になります。
・債務や債権の清算をする
・解散の手続きをする
・個人事業主として開業届を出す
・資産や権利を個人に移す
法人を解散をするには、費用だけでなく、さまざまな手続きが発生するため、法人を設立する際は、計画的にする必要があります。
まとめ
今回は、起業してすぐ法人化できるのかということや、法人化する際の注意点について解説しました。
個人事業主から法人化することをおすすめしますが、状況によっては、起業してすぐに法人化したほうがメリットが大きいこともあります。
法人を解散するとなると、費用や手間がかかるため、法人化のメリットとデメリットをしっかりと理解して、決めるようにしましょう。
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