直行直帰の適切な勤怠管理とは?労働時間を管理するポイントをご紹介
2024.12.04
営業職の従業員や現場作業員は、会社に行かずに直接取引先や現場に行って、仕事が終わるとそのまま自宅へ帰ることもあるでしょう。
ですが、移動時間と労働時間の線引きがよくわからないといった問題が起こりやすいです。
今回は、直行直帰の適切な勤怠管理について解説します。
直行直帰とは
直行直帰とは、会社に出勤しないで、自宅から直接取引先や現場に行って、業務終了後に会社に寄らずにそのまま自宅に帰ることです。
例えば、出社すると取引先の訪問時間に間に合わない場合や、会社よりも自宅の方が目的地に近い場合に、直行直帰をすることがあります。
直行直帰をする職種には、営業担当者、ホームヘルパー、現場作業員、警備員などが挙げられます。
直行直帰は、出退勤の手間を省いて時間を有効に使えますが、労働時間の管理について、注意しなければいけないことがあります。
直行直帰における移動時間
直行直帰の移動時間は、労働時間に含まれるのかについて見てみましょう。
移動時間が労働時間に含まれるケース
以下の場合、移動時間が労働時間になります。
・所定労働時間内で移動している時
・移動中に仕事をしている時
・移動時間に会社の指示に従わなければいけない時
会社の指揮命令下で移動する場合、移動時間が労働時間に含まれます。
例えば、就業時間内に、ある取引先から他の取引先に移動する場合が該当します。
ですが、労働時間とは、現場に着いて、業務を開始した時からとみなされるため注意しましょう。
例えば、自宅から最初の現場に移動する時間は、仕事を始めてないので、通勤時間になります。
ですが、現場に向かっている最中に、取引先からの電話に対応したりと業務を行っている場合や会社の指示に従っている場合は、移動時間は通勤時間ではなく労働時間になります。
移動時間が労働時間に含まれないケース
以下の場合は、直行直帰の移動時間が労働時間になりません。
・上司からの指示がない時
・従業員が移動時間を自由に使える時
例えば、「同僚の〇さんと〇時に〇〇駅で待ち合わせして現場に向かう」といった場合、会社からの命令ではなく、集合場所などを従業員が任意に決めた場合です。
また、現場へ向かう移動中に、読書をする場合も、労働時間とみなされません。
多くの企業での直行直帰の就業時間の取り扱い方
労働時間は、業務開始時から業務終了時となるため、通常、移動時間は労働時間になりません。
ですが、以下のように、労働時間が所定労働時間に満たなくても、実務上、所定の時間働いたものとして集計することが多いです。
・直行の場合→最初の現場に行った時間が始業時間
※所定の始業時間よりも遅い場合は、所定の始業時間
・直帰の場合→最後の現場を出た時間が終業時間
※所定の終業時間より早く出た場合は、所定の就業時間
・休日の直行直帰→現場での対応時間だけが労働時間
※長時間の移動があり、対応時間が短かった場合は手当を出す企業もあります。
直行直帰の場合、残業代はつくの?
直行直帰をする移動中に業務をしたり、会社の指示に従っている場合は、労働時間とみなされるため、法定労働時間を超えたら残業代が発生します。
例えば、所定労働時間が10時から18時までの従業員が、会社の命令で9時に現場に直行して、19時まで業務をして直帰した場合、休憩1時間を除く実働労働時間は9時間となり、2時間分の残業手当を払わなければいけません。
直行直帰の労働時間を適切に管理する方法
ここでは、直行直帰の労働時間を適切に管理する方法をご紹介します。
直行直帰のルールを決める
直行直帰制度を運用するには、以下のような明確なルールを決める必要があります。
・所定労働時間を決める
・直行直帰による不就労分の対応を設定する
・通勤手当のルールを設定する
・賃金控除や残業については、就業規則に明確に記載する
始業時刻を最初の現場に到着した時間とし、終業時刻を最後の現場から退出した時間と設定することが多いです。
直行直帰届を使う
直行直帰の日に何時にどこでなにをするのかを記載する、直行直帰届を使うこともいいでしょう。
直行直帰届の記載内容は、以下の通りです。
・直行直帰をする日時
・訪問の目的
・現場への予定到着時間と予定出発時刻
・直行直帰当日のスケジュール
事業場外労働のみなし労働時間制を採用する
直行直帰のように事業場外で仕事をする従業員に、事業場外みなし労働時間制を適用することもおすすめです。
この制度を使うと、以下の条件を満たせば、労働時間の算定が難しい事業場外業務を、所定労働時間労働したとすることが可能になります。
・使用者の指揮監督が及ばない場合
・労働時間の算定が困難な場合
勤怠管理サービスを導入する
勤怠管理システムを利用するのも1つの方法です。
従業員は、どこにいても、出勤と退勤の打刻ができ、管理者はリアルタイムで勤務状況を把握できます。
GPS機能を備えた勤怠管理システムでは、従業員の位置情報によって、正確に出勤や退勤時間を記録することができます。
まとめ
直行直帰は、時間短縮や業務の効率化ができますが、労働時間の管理が難しいデメリットがあります。
直行直帰でも残業代が発生することがあるので、労使間トラブルを防ぐために勤怠管理サービスの導入を検討するのもいいでしょう。
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