中小企業の働き方改革の課題とは?
2023.03.24
2018年6月に働き方改革関連法案が可決され、2019年4月より順次施行されたことにより、企業は、働き方改革への取り組みが必要とされています。
ですが、中小企業は、大企業と異なり、働き方改革を進めるうえで課題があるため、働き方改革を進める猶予期間が設けられています。
今回は、中小企業が抱える働き方改革の課題について見ていきましょう。
まず、働き方改革関連法とは、正式名称を「働き方改革を推進するための関連法律の整備に関する法律」といいます。
長時間労働の是正や多様な働き方の推進、雇用形態に関わらない公正な待遇の実現など目的に、8つの労働法の改正を行うための法律です。
8つの法律とは「労働基準法」「労働契約法」「労働安全衛生法」「労働時間等設定改善法」「労働者派遣法」「パートタイム労働法」「じん肺法」「雇用対策法」が該当します。
法改正の背景には、少子高齢化に伴う労働人口の減少、育児・介護と仕事との両立など、社会変化や労働環境に対するニーズがあります。
以前は、時間外労働の上限は労働基準法第36条に基づく労使協定(通称36協定)により月45時間・年360時間と定められており、企業がこれに違反しても罰則はなく、行政指導が入るだけでした。
ですが、2020年4月からは、中小企業にでも時間外労働の上限規制が導入され、違反した場合は罰則が科せられるようになりました。
それによって、中小企業も労働時間や業務効率などの見直しが必要とされるようになりました。
まず、中小企業に対する働き方改革関連法の主な内容と適用時期、罰則の有無について、以下に記載します。
2019.4.1 年次有給休暇の取得に関する義務
年10日以上の有給休暇が与えられる従業員には、希望を聞いた上で会社が指定した時季に5日以上の有給休暇を取得させることが義務付けられました。また、従業員ごとにそれぞれ年次有給休暇の基準日や日数、時季などを明記した年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存する必要があります。休暇取得させない、取得した社員を不当に扱うなどの違反には、従業員1人につき30万円以下の罰金が科せられます。
2020.4.1 残業時間の上限規制
原則として、企業は月45時間・年360時間を超える残業を従業員にさせてはなりません。また、臨時的に発生した業務など特別な事情があり、労使間の合意の上でこれを超える残業が生じたとしても、年720時間を超えてはならないと定められました。この規制に違反した場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が発生します。
2021.4.1 同一労働・同一賃金
同じ業務量・業務内容でも、正社員と派遣社員・パートタイマーなどの非正規社員とで収入や待遇に格差が生じると、労使間でトラブルになる可能性があります。そのような待遇格差の改善、不合理な待遇差を是正するのが、同一労働・同一賃金の導入です。労働・同一賃金は、適用しなくても罰則が生じることはありませんが、企業は従業員から求められた際に待遇に関する説明を行うことが義務付けられました。
2023.4.1 月60時間超残業の割増賃金率引上げ
月60時間超の残業に対する割増賃金率が、それまでの25%から50%に引き上げられます。大企業はすでに50%で適用済みですが、中小企業に設けられていた猶予期間は2023年4月から廃止されます。なお、適用時期を過ぎても50%に引き上げない場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が定められています。
中小企業が、働き方改革を進められない原因とは?
では、中小企業が、働き方改革を進められない原因はどこにあるのかを見ていきましょう。
慢性的な人手不足
中小企業は、慢性的な人手不足で、業務がキャパオーバーになっている状態では、働き方改革を推進するのは容易ではありません。
人手が足りず、仕事量が減らないのに、残業を禁じられると、業務の遅延やサービス品質の低下などの問題が生じたり、隠れ残業をせざるを得ない従業員が増え、働き方の改善には程遠い状況を生むでしょう。
また、働き方改革を無理に進めた結果、従業員の不満が高まり、離職を招き、さらなる人手不足につながってしまうかもしれません。
人材確保が困難
人手不足とはいっても、中小企業にとっては、従業員を採用するためのコストは多くはなく、なかなか新規採用にいたらないケースがよくあります。
また、働き方改革を適切に進められないことによる離職が増えて、新規採用に動いている場合、会社のネガティブな情報が、SNSなどから求職者に届いてしまうこともあります。
資金不足
人件費は上がる可能性があるため、人件費の捻出が難しければ、現在の雇用を維持することも難しくなるでしょう。
中小企業の働き方改革推進の課題への対策とは?
中小企業の働き方改革推進には、上記のような課題があることが分かりましたが、どのような対策をすればいいのか挙げてみましょう。
従業員に意見を聞く
働き方改革を推進するためには、従業員の意見を聞かないと、働き方は改善しません。
従業員の仕事に、無駄がないか確認し、詳細に作業内容をヒアリングし、改善策を実行するといいでしょう。
IT化による業務効率改善
作業スピードを高めるために、手作業で進めている作業をIT化することで作業時間や手間は大幅に削減されます。
勤怠管理を正確にする
残業時間を減らすためには、従業員が、どれぐらい残業をしているのかなどの勤怠管理を適正にしていないと、効率よく残業などを減らせません。
勤怠管理をIT化することで、正確に残業実態を把握可能することができます。
まとめ
中小企業が働き方改革を進めようとしても、人材不足や残業時間など、さまざまな問題があるので、業務のIT化をすることで無駄を減らし効率的に業務を進めることができるでしょう。
コストを抑えて、自宅住所を知られずに都心一等地住所を使って仕事をしたい方におすすめのバーチャルオフィス「ブルーム」
バーチャルオフィスの運営会社は増加しており、都心のオフィス街に借りたいと思っても、バーチャルオフィスが多すぎて、どこにしたらいいのか迷ってしまう人は少なくないでしょう。
そのような時におすすめなのが、ブルームです。
ブルームは、業界最安値の月額300円~、東京都新宿区西新宿のビジネス一等地住所を貸し出しています。
住所利用以外にも、法人登記や郵便物転送サービスを格安で提供しています。
また、スタッフが常駐しており、格安バーチャルオフィスとは思えないほど、サービスが充実しています。
バーチャルオフィスの利用をお考えの方は、コスパが非常にいいブルームの利用をぜひご検討ください。