週休3日制のメリットとデメリットについて
2023.04.12
働き方改革への取り組みの一環として、週休3日制の導入に注目が高まってきています。
長時間労働から生産性を重視する働き方へと変化してきていることが主な要因となっています。
今回は、週休3日制を導入することのメリットとデメリットについて解説します。
週休3日制とは?
週休3日制とは、1週間に休日を3日設ける制度のことです。
希望者を対象に週休3日制とする制度のことを、選択的週休3日制度と呼びます。
働き方改革が浸透してきていて、大手企業を中心に、週休3日制を導入する企業が、少しずつ増えています。
週休2日制を採用している企業が、週休3日制を導入する際には、週の休日を1日増やす必要があります。
週休2日制のときと同様に、有給休暇、法定労働時間といった労働基準法で定められたルールを守らなければいけません。
何曜日を新休日とするか、誰を対象とするのかといった制度の運用方法については、法で定められていないので、各企業が設定できます。
週休3日制は、給与・総労働時間が共に減る「給与減額型」、給与・総労働時間ともに変わらない「総労働時間維持型」、給与は変わらずに総労働時間が減る「給与維持型」の3つに分類されます。
週休3日制のメリットとは?
週休3日制を導入することにより、企業と従業員の双方にメリットがあります。
生産性の向上
1週間の所定労働時間や所定労働日数が減少しても、今までと同じ必要な業務を遂行していくには、生産性の向上に取り組む必要があります。
ですが、休日が増えることによって、従業員のモチベーションが上がり、生産性が向上するでしょう。
そのため、同じ労働時間で実現される売り上げや利益が増加し、企業の収益性の向上につながります。
離職率の低下
週休3日制の導入により、メリハリのある働きやすい職場環境が作られることにより、従業員からの満足度が向上し、離職率の低下につながります。
また、週休3日制を導入していない企業との差別化ができ、応募者数の増加などの効果も期待できます。
国内の人口減少による労働力不足が深刻化する中で、企業の経営を維持するために必要な人員を確保できるので大きなメリットといえます。
優秀な人材の獲得
ワークライフバランスを重視する従業員にとって、オン・オフのメリハリをつけやすい週休3日制は魅力的です。
週休3日制を導入し、求職者にアピールすることができれば、求職者の増加や優秀な人材の獲得が期待できます。
さらに、育児や介護を理由に、週5日勤務が難しい潜在的な就職希望者を掘り起こすことにもつながります。
週休3日制のデメリットとは?
週休3日制にはさまざまなメリットがあることがわかりましたが、デメリットを大きく感じることもあるようですので、デメリットを見ていきましょう。
業務の停滞
業務を従来どおりに行えなくなると、売上の低下や顧客からの信用失墜にもつながりかねません。
そうした事態を避けるため、業務効率化や臨時で人材を雇用するなどの対策を検討・実施しましょう。
勤怠管理が煩雑化
週休3日制の導入により、週休2日の従業員と週休3日の従業員が在籍することになり、従業員によって、休日の日数や総労働時間が異なるため、勤怠管理が煩雑化し、人事・労務担当者の負担が増します。
そのため、業務上のミスが出る可能性も高まります。
勤怠管理の仕組みを再構築し、そうした事態を避けるように対策をしましょう。
例えば、休日の日数を従業員ごとに設定できる勤怠管理システムを活用した勤怠管理をするのがおすすめです。
業務分配や評価方法の変更
週休2日の従業員と週休3日の従業員が在籍している場合、仕事を誰に振るのか、人事評価はどのようにするのかといった問題が生じます。
つまり、勤務日数や総労働時間に応じた、業務分配や評価方法の変更が必要となります。
従業員の間で業務量や人事評価の不公平感が生まれないように、総労働時間だけで判断するのではなく、生産性を考慮して、業務分配や評価方法を見直すといいでしょう。
コミュニケーション不足
週休3日制を導入する上で押さえておきたいポイントとは?
週休3日制を検討する際に押さえておきたいポイントについて解説します。
目的の明確化
週休3日制を導入する目的を明確化する必要があります。
ワークライフバランスの実現、育児と仕事の両立などのように、どのような目的で週休3日制を導入したいのかを明確にしましょう。
期間を決める
一定の期間のみ適用するのか、年間を通して適用するのか、利用期間を定める必要があります。
また、1カ月単位で「週休2日制」「週休3日制」のいずれかを選択できるようにするという方法もあります。
対象者を決める
全従業員で導入するのか、利用を希望する従業員のみで導入するのか、週休3日制の対象者を決めましょう。
対象者を決める前には、従業員の理解を得られるようにするために、従業員の意見を聞く必要があります。
給与や所定労働時間を決める
給与や所定労働時間について決める必要があります。
導入目的を踏まえた上で、給与減額型、総労働時間維持型、給与維持型のどれかを選択しましょう。
労働条件が変わる可能性が高いので、導入趣旨や労働条件がどのように変わるのかを、従業員に丁寧に説明するといいでしょう。
まとめ
週休3日制は、優秀な人材の獲得などの効果が期待できますが、業務量に対応しきれなくなるなどといったといったデメリットもありますので、メリットとデメリットを比較した上で、導入するかどうかの検討をしましょう。
週休3日制の導入によって、ワークライフバランスの実現や仕事と家庭の両立を促し、従業員にとって、より働きやすい職場にしましょう。
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