フリーアドレスのメリットとデメリットを解説
2023.04.22
働き方改革の推進によって、フリーアドレスを実施する企業が増えています。
フリーアドレスとは、従業員が自席を持たず、その日ごとに自由に働く席を選ぶことができる新しいオフィスのスタイルです。
ですが、事前に準備をしなかったり、ルールを決めずに導入すると、フリーアドレスの効果は期待しにくいでしょう。
そこで、今回は、フリーアドレスについて解説します。
フリーアドレスのメリットとは?
フリーアドレスを導入することは、さまざまなメリットをもたらします。
どのようなメリットがあるのか見てみましょう。
コミュニケーションの活性化
固定席の場合、近くの席の人としか会話しないなど、話す相手に一部の人に偏りがちですが、フリーアドレス化すれば、固定席の時は席が遠かった従業員同士が話をする機会ができます。
また、他の部署の従業員ともコミュニケーションがしやすくなり、社内を活性化させるきっかけにもなります。
違う部署の従業員との会話をすることで、ビジネスに役立つアイデアが創出しやすくなります。
オフィスのスペースコストの削減
営業職が多い企業の場合、従業員が社内にいないことが多いため、全従業員の席を用意するのではなく、全従業員の2/3の座席を用意するといったように、席数を減らすことでオフィススペースを有効活用できます。
コンパクトなオフィスに移転し、コスト削減することもできるでしょう。
業務効率と生産性の向上
フリーアドレスのデメリットとは?
次に、フリーアドレスのデメリットについて見てみましょう。
疎外感やストレスを感じる
自分の席が用意されていないことで、会社の一員として認めてもらえていないような気になり、疎外感を感じることがあります。
また、オープンスペースで仕事をしていたら、近くの席で打ち合わせが行われ、その話し声で集中力がなくなってしまうこともあるでしょう。
従業員が孤立する
従来の固定席では、ちょっとした雑談の機会が多く、コミュニケーションが苦手な従業員でも、周囲と交流することができました。
ですが、フリーアドレスは固定席がないため、声をかけなければコミュニケーションを取りにくくなります。
他人と接することが苦手な従業員であれば、大勢から離れた場所に座るようになるかもしれません。
コミュニケーションを避けていると次第に孤立が深まり、業務の情報伝達などに支障をきたす恐れがあります。
部下の管理が難しくなる
従業員が好きな時に好きな場所で仕事をするフリーアドレスでは、固定の席が決まっている場合と比べて、誰がどこにいるのか把握するのが難しくなります。
意見交換等のやりとりを頻繁に行う部署の場合、チームの連携が取りづらくなるというのは、大きなデメリットになるでしょう。
荷物管理の負担
フリーアドレスを導入すると、仕事をするデスクは、全従業員の共有物になるため、自分の荷物は自分で管理しなければいけません。
退社時だけでなく、会議や外出で一時的に席を外す時も、荷物を持って移動する負担がかかります。
フリーアドレスを成功させる運用ルールとは?
フリーアドレスを成功させるためには、明確な運用ルールが必要になります。
どんなルールが必要なのか見てみましょう。
固定席の防止
フリーアドレスを導入しても、従業員によっては習慣が変えられず、毎日同じ席に座ってしまうことがあります。
また、上司が決まったに座り続けていると、部下もそれにあわせて固定席に座るようになるかもしれません。
フリーアドレスは制度として導入するだけでなく、自由に席を選べる工夫や雰囲気づくりも必要と言えます。
ペーパーレス化を進める
必要な文書は、データ化して共有フォルダに入れましょう。
フリーアドレスになると、従業員は固定席がなくなるので、書類を紙にしておくと、利用や保管が煩雑になり、紛失などのリスクも高まります。
書類をデータ化すれば、場所を問わずいつでも閲覧利用でき、保管場所や紙代のコストを削減できます。
フリーアドレスをスムーズに導入するためにも、事前にペーパーレス化を進めておくといいでしょう。
収納ルールの作成
フリーデスクに適した収納スペースと設備を確保し、運用ルールを決めましょう。
フリーアドレスでは、業務に必要な書類や物品は、従業員が管理します。
従業員がフリーアドレスに慣れていないと、物の管理が乱雑になり、業務に支障がでやすくなってしまいます。
私物は、個人のロッカーに入れ、従業員共有の書類や備品は共用のロッカーを用意しておくと、導入がスムーズになります。
個別のルールを決める
フリーアドレスでトラブルになりやすいのは、飲食時や電話や郵便の取り次ぎをする時です。
オフィスでの飲食に関しては、他の従業員への配慮が求められますので、飲食できるエリアや時間を決めるといいでしょう。
取り次ぎについては、郵便ボックスの設置や、座席表システムを導入することによって、従業員の位置の可視化をするといいでしょう。
フリーアドレスの導入方法とは?
フリーアドレスを導入する際は、運用ルールを定めておくことが大切です。
では、ルールを作成する際に必要な事前準備についてご紹介します。
オフィス環境を整える
フリーアドレスを導入する際には、オフィス環境を整える必要があります。
パソコン、無線LANやWi-Fi環境、用途に合わせたデスクや収納も必要です。
最適な環境が整備されない状況で、フリーアドレス化すると、従業員は働きにくく、業務効率や生産性が低下する恐れがありますので、必ず事前にITインフラを整えておきましょう。
フリーアドレス導入の目的を明確にする
フリーアドレスの導入を成功させるためには、コミュニケーションの活性化や多様な働き方など、目的を明確にする必要があります。
目的やメリットなどを従業員と共有すると、フリーアドレスの導入に対して、社内での理解や支持を得やすくなります。
感染症対策をする
新型コロナウイルス感染症拡大により、オフィス内でも感染症対策が必要です。
感染者が発生した際に接触者の特定をしやすくするために、フリーアドレスを導入するにあたって、フリーアドレスエリアと固定席エリアの区別を明確にしましょう。
また、デスクや座席の配置にも注意しましょう。
アクリル板で仕切りを設けたりして、密接になりすぎないよう適切な距離を保って配置します。
私物を管理するための個人ロッカーの設置や消毒用アルコールの準備も感染拡大防止に有効です。
フリーアドレス化はコミュニケーションの活性化が期待できますが、従業員の流動も激しくなるので、事前の対策準備が大切です。
まとめ
フリーアドレスは、従来の固定席をやめ、自由に座席が選べる新しい働き方です。
フリーアドレスの導入によって、業務の効率が上がり、社内のコミュニケーションも活性化されます。
フリーアドレスを導入して、生産性の向上や業績アップを目指しましょう。
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