非言語コミュニケーションの種類やビジネスでの活用方法について解説
2023.05.12
良好な人間関係を築くには、円滑なコミュニケーションが必要です。
コミュニケーションは、会話だけでなく、ジェスチャーなどの動作でする、非言語(ノンバーバル)コミュニケーションによっても行われています。
ノンバーバル・コミュニケーションは、言葉によるコミュニケーションよりも、豊富な情報を出してくれることもあるため、重要なコミュニケーションスキルといえます。
効果的に使うと、相手に良い印象を与えられる可能性があります。
今回は、非言語コミュニケーションの種類やビジネスでの活用方法について解説します。
非言語コミュニケーションとは?
ノンバーバル・コミュニケーション(非言語コミュニケーション)とは、会話や文字によらないコミュニケーションのことです。
表情や身振りだけでなく、服装や距離感なども含まれます。
人が相手の印象を判断する法則として、「メラビアンの法則」が知られています。
メラビアンの法則によると、人は非言語コミュニケーションである聴覚情報と視覚情報だけで93%もの印象が決まり、言葉(言語情報)による印象は7%程度しかないとされています。
つまり、非言語コミュニケーションの使い方を意識すると、相手に好印象を与えて信頼関係を築きやすくなる効果があるとされています。
また、言語コミュニケーションでは、人によって文法や話の脈絡などが曖昧になるケースが少なくないため、正確に意図が伝わっていないことがありますが、非言語コミュニケーションは、会話では伝えられない情報を捕捉する目的でも使用され、相手の言葉の裏にある真意を汲み取れる効果もあります。
非言語コミュニケーションの例と種類とは?
非言語コミュニケーションの種類と例をあわせて説明していきます。
身体動作
身体の特徴
身体の特徴とは、容貌や体型、肌の色、体臭などの外見や身体の特徴による非言語コミュニケーションを指します。
服に毛玉が1個もついてなければ几帳面な人とか、寝癖がついた人は外見を気にしない人という印象を与えることがあります。
身体の特徴による非言語コミュニケーションは、男性よりも女性のほうが強く印象を与えやすいと言われています。
接触行動
日本では、初対面の人に、握手や抱擁などの接触行動をとることは少ないです。
ですが、海外のコミュニケーションでは、日本人の接触行動の少なさがネガティブに思われることがあります。
接触行動による非言語コミュニケーションは、文化によって違いが出やすいと言われているため、注意が必要です。
近言語
会話中の相づち(はい、ああ)は、声のトーン、イントネーション、話す速度など話す際の特徴を意味します。
プロクセミクス
プロクセミックスとは、1960年に米国の人類学者E.T.ホールが提唱した理論で、他人との距離のとり方は意思の伝達手段の一つという考え方です。
日本人は、親密にならないと、相手との距離を広くしません。
近寄ることでより親密さが増しますが、この距離の取り方には文化的な違いがあります。
人工物の使用
人工物の使用とは、服装や化粧、アクセサリーなどを使って、相手に意思を伝える非言語コミュニケーションです。
相手に与える印象に強く関係する重要な要素です。
環境
環境とは、インテリアや照明、温度などによって相手に与える印象を変えるという非言語コミュニケーションのことです。
寒色系より暖色系のほうが食事がおいしそうに見えるので、レストランなどでは暖色系の照明が使われることが多いです。
ノンバーバル(非言語)コミュニケーションの効果とは?
非言語コミュニケーションはどのような効果をもたらすのでしょうか。
以下で見てみましょう。
話の内容を補完する
非言語コミュニケーションによって、言葉では伝えきれない部分を補うことができます。
相手を深く理解する
良好な信頼関係を築く
適切なタイミングでの相槌や頷き、笑顔での反応などは相手に安心感を与え、よりよい信頼関係を構築できます。
非言語コミュニケーションのビジネスでの活用方法とは?
非言語コミュニケーションは、ビジネスにおける重要な要素です。
非言語コミュニケーションを効果的に用いることによって、より良好なコミュニケーションをとることができます。
そのためには、自分がどのようなコミュニケーションをしているか、その癖や傾向を認識する必要があります。
非言語コミュニケーションの活用法を考えていきましょう。
商談
商談では、自分から相手に与える情報をコントロールする時や相手から情報を汲み取る際に、非言語コミュニケーションを活用します。
相手が信頼感を持たないと、商談は成功しません。
清潔感のある身だしなみをするだけではく、相手と話す時の姿勢などが大切です。
商談相手は、自分の悩みごとを話すわけではありません。
質問した時の相手の反応、強い口調で話した点などに注意を払うなど、非言語的な言動を注意深く観察する必要があります。
面接
非言語コミュニケーションは、面接や人事評価面談でも役立ちます。
相手が話している時は、自分が笑顔をしながら頷いたり相槌を打ったりすると、相手は話しやすくなるでしょう。
また、話している時の表情や質問への回答の早さなどから、相手の性格や業務遂行能力などを予測できるでしょう。
親しみやすさを演出しようとして、部下との距離を縮めすぎたり、不適切なボディタッチをしてしまうとハラスメントにつながってしまうので、注意が必要です。
まとめ
非言語コミュニケーションとは、身振りや手振りなど、視覚情報や聴覚情報を活用するコミュニケーションのことです。
非言語コミュニケーションはビジネスシーンでも活用できますが、相手に与える印象を大きく左右するため、シチュエーションに合わせた違和感のない行動が取れるように意識的に心がけましょう。