社内広報とは?その目的や役割、広報すべき内容を解説
2023.05.21
社内広報とは?
社内広報は、企業が自社の従業員に対して行なう広報活動です。
社内情報を共有するためのコミュニケーションを指すこともあります。
社内広報は、従業員の意識を同じにして、その企業の従業員としての行動を促すためにあります。
また、企業と従業員の信頼関係を深める役割もあり、企業の組織を強化することが期待されています。
近年では、「インナーコミュニケーション」「インターナルコミュニケーション」などと呼ばれることもあります。
呼び方はさまざまですが、雇用の流動化が進み企業と従業員の関係性が見直されるようになってきていることから、非常に注目が高まっている概念といえます。
社内広報が注目される背景
人材の流動化が、社内広報が注目されている背景にあります。
少子高齢化や終身雇用制度の崩壊が進んでおり、労働市場における売り手市場や、転職の一般化として表れています。
このような状況で、従業員の会社への定着と貢献が非常に重要になっています。
社内広報は、情報共有によって、従業員エンゲージメントに寄与し、会社を安定させる重要な役割として注目されているのです。
社内広報の目的とは?
では、社内広報の目的について見てみましょう。
企業理念や経営方針の浸透
社内広報を行う主要な目的として、企業理念や経営方針の浸透があげられます。
社内報を使って、経営陣に、企業理念や経営方針のメッセージを発信してもらいます。
こうすることによって、経営陣と接点のない従業員も、会社で働く意義を認識することができます。
経営層のメッセージを定期的に発信することで、企業理念や経営方針の浸透を実現することができるでしょう。
社風・企業文化を育てる
社内広報を、企業文化や社風の醸成を目的として活用することもあります。
企業文化は、会社の創業者や経営者の想い、経営理念から作られる価値観です。
企業文化が醸成している企業は、会社全体で意思決定に統一感があります。
創業者や経営者にインタビューをして、創業の動機や創業時の社内状況、今後の事業展望、現在に通じる想いなどを伝えてもらうことによって、会社の企業文化・風土が生まれるでしょう。
社内のコミュニケーションの促進
従業員エンゲージメントの向上
従業員エンゲージメント向上を目的として、社内広報を活用することもあります。
企業理念や企業文化を浸透し、醸成させることで、従業員は会社に対して、信頼感ややりがいを感じやすくなります。
そして、社内コミュニケーションの活性化は、働きやすい環境の形成につながります。
これによって、従業員のエンゲージメントが向上します。
従業員の離職率低下
従業員が会社の将来に不安を感じるのは、経営理念の共有が充分でないことが原因として挙げられます。
社内広報には、社内の風通しを改善し、働きやすい環境を作る目的があります。
従業員が会社で仕事をしたいと思えるような環境作りを、社内広報で実践できます。
社内広報の種類
社内報
社内報は、昔からある社内広報で、誰でも手に取ることができます。
冊子形式の社内報は、さまざまな情報が載っています。
ですが、制作に時間がかかるため、情報にタイムラグが出てしまうことがあります。
そのようなことがあり、最近では、すぐにアップできるWeb広報と併用する企業も増えています。
SNS
SNSは、最近、社内広報として非常によく使われています。
双方向のコミュニケーションが取りやすいのですが、プライベートのアカウントを使う場合、従業員に不快感を持たれないようなルールを決めたほうがいいでしょう。
メールマガジン
リアルタイムの情報が、一斉送信で、従業員に届けられます
掲示板
昔からある広報手段の1つである、お知らせの紙を張り出す掲示板です。
掲示板は、リアルタイムの情報を簡単に告知できるメリットがありますが、掲示場が限定されてしまうので、見逃されてしまうことがあります。
社内広報で伝えるべき内容とは?
企業は、社内広報を使って、どのようなことを従業員に伝えたいのでしょうか。
社内広報で伝えるべき内容について解説します。
経営理念と将来に向けたビジョン
会社案内に記載されているような内容ではなく、経営陣の事業への熱意を、リアルタイムで伝えることが大切です。
数値データ
売上や営業利益など、自社の現状を客観的に把握することができます。
業界の動向
業界の動向や競合他社の状況を伝えることで、自社が置かれている状況を理解するのに役立ちます。
社内の行事
セミナーや交流イベントといった社内で行われる行事について、従業員に周知させることが大切です。
さまざまなイベントを企画したり、活気のある企業であることを従業員に向けてアピールすることもできます。
まとめ
社内広報には、企業理念の浸透やコミュニケーションの活性化といった多くのメリットが期待できます。
ですが、従業員に情報が伝わらなかったり、従業員の興味を引くことができない社内広報は意味がありません。
従業員が、共通の意識を自然に醸成できたり、リアルタイムで必要な情報を受け取れることが、理想的な社内広報です。
自社のニーズに合った、情報発信をして、自社を活気づける社内広報を作っていきましょう。