コラム

安否確認の方法と企業が安否確認をする必要性について解説

2023.05.24

緊急事態が起こった際に、従業員やその家族の安全を守るという社会的責務のためでなく、従業員との信頼性を高めたり、事業を継続的に行うために、企業は、安否確認を行います。

 

連絡網を作成し、電話やメールによる安否確認をする企業が多くありますが、災害時には、停電や電話回線の混雑により、このような方法では不十分な場合が想定されます。

 

また、これから安否確認の体制を整えようとしている企業では、何から始めればいいのか分からないといったケースもあるのではないでしょうか。

 

今回は、安否確認の方法と会社が安否確認をする必要性などについて解説します。

 

 

安否確認とは?

安否確認とは、災害や事故が起こった時に、従業員とその家族の生存確認と現在の状況を把握することを意味します。

 

また、事業継続に向けて、緊急時の対応をしたり、復旧作業ができる従業員を把握することも安否確認の目的の1つです。

企業が安否確認をする目的とは?

どんな目的で会社が安否確認をするのかについて解説します。

従業員の安全を確認するため

従業員の安全を確認することが、企業がする安否確認の一番の目的です。

 

従業員の安全が確保できていないと、企業活動をすることができないからです。

 

また、従業員と連絡がつかないと、災害時の対応を指示できません。

 

緊急事態後に、迅速に事業継続のために動き出すためにも、従業員の安否確認は欠かせません。

事業継続のため

事業を継続するためにも、企業の安否確認は大切です。

 

安否確認をすると、緊急時に稼働できる従業員を把握でき、優先すべき業務を決めて、事業継続に欠かせない業務に何人の従業員を投入するかについて検討できます。

 

従業員が無事でも、家族や自宅が被害を受け、出社できない場合もあります。

 

そのため、従業員の安全だけでなく、その家族や自宅の被害状況まで確認する必要があります。

従業員との信頼性を高める

従業員は、心身ともに安全な状況にあることによって、安心して働けます。

 

緊急事態の際に、従業員の安全を守る手段として、BCP対策や安否確認に入念に備えれば、従業員の会社への信頼が高まります。

安否確認の流れ

災害発生などの緊急事態が起こった時に、どのように安否確認をするのでしょうか

 

安否確認の流れを解説します。

従業員への安否確認

全従業員に安否確認をします。

 

従業員と家族が無事であるか、家の倒壊などはどうか、会社へ出社して緊急対応が可能な状況であるかなどを確認します。

 

安否確認は、災害などが起こってからすぐにすることが大切です。

安否情報の管理

従業員の安否情報を記録し、一元的に管理します。

 

情報を一元的に管理しておくことで情報が整理され、混乱している状況下でも的確な指示が出せる可能性が高まります。

出社可否の確認

出社の可否について確認しなければいけません。

 

出社できるのか、出社できる場合、出社までにどのくらい時間がかかるのか確認しましょう。

 

また、出社する際の交通手段を確認し、交通機関が止まってしまった際に帰宅困難者とならないように、遠方の従業員には無理に出社させないといった判断をする必要がある場合があります。

安否確認の方法

安否確認の方法として、どんな方法があるのか見てみましょう。

電話による安否方法

安否確認を電話でおこなう場合のメリットとデメリットを見ましょう。

 

電話で安否確認をするメリットは、電話で詳細な状況が分かり、その場で、従業員へ指示を出しやすいことです。

 

電話で安否確認をするデメリットは、一度に複数の人とやりとりができないことと電話回線の混雑によって電話が通じなくなることです。

 

また、記録が残らないというデメリットもあります。

 

企業の安否確認は、従業員の安否を迅速に確認し、指示を的確に出さなければいけないため、電話での安否確認は適切ではないでしょう。

メールによる安否方法

メールによる安否確認は、よく使われています。

 

メールでの安否確認のメリットは、一斉送信ができるため、一度で従業員の安否確認ができることと記録に残ることです。

 

メールの安否確認のデメリットは、従業員から返信がすぐに来ないことがあること、被害状況にタイムラグが出ること、そして、集計作業に手間がかかることです。

 

担当者が安否確認のメールを送らなければいけないので、担当者の被災状況によっては、安否確認が遅れてしまうこともあります。

安否確認システムによる安否方法

安否確認システムを活用することは、安否確認の方法の1つです。

 

安否確認システムとは、安否確認をするためのサービスのことを指します。

 

安否確認メールの自動配信と一斉送信、回答結果の集計、回答未了者への自動再送信などの機能がついています。

 

安否確認システムは、効率的に安否確認をできるため、手作業の手間が省けたり、すぐに安否確認ができることがメリットです。

 

受信者のメールアドレスによっては安否確認のメールが受信できなかったり、非常時に機能しないというデメリットがありますので、定期的に、安否確認システムが機能するかどうかをチェックしなければいけないでしょう。

安否確認をする際のポイントとは?

ここでは、安否確認をする際のポイントについて解説します。

連絡手段を決める

上記で見た通り、安否確認をする手段として、メールや電話、SNSなどさまざまな方法があります。

 

ですが、災害時に混乱した状況下で、複数の連絡手段があると、従業員が使用するツールがばらばらで、ますます現場が混乱してしまいます。

 

そのため、自社にとって、最も効率良く安否情報を確認できる方法を検討し、統一しておくことが大切です。

安否確認の方法を共有し訓練する

災害時に、安否確認のメールを受信しても、どういう対応したらいいのかわからない従業員が出てくることでしょう。

 

このような状況にならないように、防災訓練をして、全従業員と安否確認の方法を共有し、テストとして運用しておく必要があります。

安否確認システムを利用する

従業員数が少ない場合、メールや電話で安否確認ができます。

 

ですが、従業員数の多い企業では、全従業員と連絡を取って一元的に管理することは難しいです。

 

そのため、災害時に、安否確認メールを全従業員へ一斉送信し、安否確認の情報を一元的に管理したりするために、安否確認システムの利用も検討するといいでしょう。

まとめ

今回は、災害などの緊急時に、企業が大切な従業員を守り、事業を継続していくためには、どのような対策をすればいいのかについて解説しました。

 

コミュニケーションツールは、電話やメール、SNSなど多岐にわたりますが、有事の際に求められるのは、シンプルで確実につながる連絡手段です。

 

自社に合った安否確認システムを探して、災害に備えた安心した職場作りをしましょう。

一覧を見る