コラム

BCP対策としてのテレワークとは?BCPにテレワークが有効な理由について解説

2023.05.08

感染症対策のために、近年、テレワークを導入する企業が急速に増えてきています。

 

テレワークは働き方の多様化に対応するだけではなく、災害時や感染症発生時のBCP対策としても非常にメリットがあります。

 

今回は、テレワークがBCP対策として需要が高まっている背景や、BCP対策としてのテレワークの導入時の注意点などを解説します。

BCP対策とテレワークが求められる背景とは?

BCP対策は、事業を継続するための手段の1つです。

 

テレワークは、場所や時間を気にせずに自由に働くことです。

 

事業継続と多様な働き方の観点から、BCP対策とテレワークの必要性が増えており、テレワークにBCP対策を入れることが求められているのでしょう。

 

BCP対策とテレワークが求められている理由について解説します。

事業を停止しないようにする

BCP対策は、自然災害という非常事態が起こった時でも、従業員が、通常どおり業務をし、事業を止めないことが目的です。

 

テレワークは、被災や公共交通機関の停止によって、出勤できない従業員が、自宅で仕事をすることができるため、自然災害による事業停止を防ぐことにつなげられるようになります。

拠点を設置しなくて済む

東京に拠点を集約しようとすると、地方の拠点で勤務している従業員は、転勤をしなければいけないため、従業員の離職の恐れが出て、事業の継続性が危ぶまれます。

 

BCP対策は、従業員の離職率を少なくして、事業を継続させるかということが重要です。

 

テレワークは、場所に制限のない働き方であるので、転勤という問題が出てこず、従業員の離職を防ぐことにつながります。

業務のIT化

ITツールの普及にともなって、業務のIT化が進んでいます。

 

業務がIT化すると、業務の効率や生産性の向上が高まりますが、災害の影響でオフィスのパソコンなどのデバイスが使えなくなると、業務ができなくなってしまいます。

 

BCP対策では、災害によるパソコンなどの故障による事業停止のリスクを減らすことが大切です。

 

テレワークは、場所に制限のない働き方のため、自然災害の影響で、パソコンなどが使用できなくなるというリスクを減らすので、業務停止を防ぎやすくなります。

BCP対策としてのテレワークが有効な理由とは?

BCP対策として、テレワークを導入する企業が増えています。

 

災害などの緊急時にも業務を停止しなくて済むからです。

 

テレワークが、BCP対策としてなぜ有効なのかを見てみましょう。

自然災害時に対応できる

テレワークは、災害が起こった時に、事業を継続しやすいという点で注目されています。

 

公共交通機関が動かなくなる可能性もあり、外出困難であっても業務をすることができます。

 

出勤による2次被害を防ぎ、従業員の安全を守ることもBCP対策になるでしょう。

感染症対策

新型コロナウイルス感染拡大のように、感染症に対するBCP対策としてテレワークは非常に有効です。

 

感染症は、接触や飛沫、空気による感染が懸念され、オフィスで感染症が発生すると、従業員や共有物を使う従業員も感染のリスクが発生してしまいます。

 

集団感染になれば、業務が停止してしまいます。

 

感染症への対策は、従業員同士が会わないことですので、出社しないで、従業員が自宅で業務をして、チャットなどのツールでコミュニケーションを取れば、社内の感染拡大は起こりません。

 

一人の従業員が感染しても、円滑に業務を進められます。

データの破損や紛失を防ぐ

テレワークを導入するには、書類やファイルのデータ化とクラウドの利用が、必要不可欠です。

 

クラウドサービスのサーバーは、災害に強い施設に設置されていることが多いので、外部のクラウドサービスを利用すれば、自社が被害にあった時でも、データが破損することはありません。

 

外部サービスを利用する時は、自社から離れた場所にあるデータセンターを使うと、BCP対策として有効となるでしょう。

リスクの軽減

自然災害や感染症は、いつ起こるかわかりませんので、テレワークができる環境が整っていれば、急な事態に慌てることなく対応できます。

 

新たな感染症が流行した場合も、感染者との接触リスクを減らすことができます。

オフィス機能の省力化

事務所料や光熱費など、オフィス運営に関わる費用をなるべく抑えることは、企業の資金を増やすという意味において、BCP対策につながります。

 

テレワークの導入によって、オフィス機能が省力化できれば、オフィス費用を削減することができ、BCP対策に効果的です。

BCP対策にテレワークを導入する際の注意点とは?

BCP対策としてテレワークを導入するにあたって、テレワークで、従業員が通常業務をできなければ、事業は継続できないでしょう。

 

企業がBCP対策としてテレワークを実施する際は、どのような点に注意すればいいのかについて見てみましょう。

テレワーク環境の整備

テレワークを導入するには、通信機器やインターネット設備など、自宅での勤務環境を整えなければいけません。

 

会社が従業員にパソコンを提供するのか、従業員が自分のパソコンを使うのかといった方針を明確にする必要があります。

 

自宅のインターネット環境についても検討しなければいけないでしょう。

 

新たにシステムを購入するには、費用負担がどのようになるかについてのルールを定めておくことが重要です。

セキュリティ対策

テレワークをするにあたって、情報漏洩やウィルス感染が最大のリスクになるため、情報の取り扱いには、細心の注意を払いましょう。

 

自宅では、情報の取り扱いやWEBページの閲覧に対して、気が緩んでしまうことも考えられますので、テレワーク用にセキュリティ設定を施したパソコンを従業員に持たせる企業があります。

 

セキュリティ対策のための従業員教育やサポートも必要でしょう。

コミュニケーションツールの導入

BCP対策としてテレワークをする際、コミュニケーションができるツールを導入する必要があります。

 

災害が発生した時に、安否確認や情報を伝達する連絡手段を持っていなければいけないからです。

 

また、業務を円滑に進めるために、進捗確認やWebミーティングをする必要もあるでしょう。

まとめ

BCP対策は、人的資産やデータを守るために、企業にとって優先して取り組むべき課題で、テレワークはBCP対策として非常に有効です。

 

テレワークを導入している多くの企業がありますが、テレワークをBCP対策として活用するには、きちんと計画し運用しなければいけません。

 

ITツールの導入やセキュリティ対策だけでなく、従業員がテレワークをしやすい環境を整えることも大切です。

 

自社に合った最適な方法を使って、BCP対策としてのテレワークを推進しましょう。

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